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第1話 超貧乏少女


 あたしの名前はエクレア・フリッシュ。


 今年で16歳になりました。


 それと……お腹が減りました――














「ひぇぇー! もう食料が無い! どうしよう……貧乏すぎるよーう」



 ここは惑星ルビアレスのロブスタ連邦共和国。


 ヴァルート海、通称、星海せいかいに面したシュレース地方の自然が多く美しい街ですくすくと育ちました。


 あたしはそこで父母、妹と家族4人で果樹園を営んでおり、当時はそれなりに収入もありました。


 ロブスタ連邦共和国は元々小さな集落の集まりで、それは魔法の才能がない人たちが迫害され住む地でした。


 魔法の才能がない人達は自由と平等を理念に団結し、独立国家を作ったのです。



 ロブスタという国は出来てまだ歴史が浅く、私が生まれるちょっと前くらいに独立したばかりだそです。


 国民には強い団結力と向上心があり、魔法と同じ力を再現する道具【トランスギア】を開発しました。


 戦う力を持った人達は今まで迫害されていた反動か、隣の魔導国家アラビカを相手取り戦争を始めてしまいました。


 あたしの父と母はその戦火に巻き込まれ、妹は先日森で魔獣に襲われて、みんな死んでしまいました。


 混沌としたこの国では特段珍しいことでもありません。


 いつ死ぬかわからないけど、みんな必死で生きようとしている。そんな世界なのです。



「悲しいし、辛いけど、生きていればきっと良いことあるよね! ……でもお腹へったぁ」



 孤独になったあたしに残されたのは、レンガで出来た家と、山火事で灰となった果樹園だけでした――


 コンコンコンと今日もドアを強めに叩く音がする。


 木製のドアに付いたうさぎの顔をあしらった真鍮しんちゅうのドアノッカーが来訪者の存在を知らせていた。



「フリッシュさん。事情は知っているけれど、まだ今年の年貢払ってもらってないんだよ。なんとかならんかね」



 そう言うのは街の土地や年貢を管理している地主パルミエさんでした。


 小作料を収めることで、あたし達は街で安心して暮らせる権利を買っているのです。


 年貢と土地の使用料併せて160万リューズを支払わなければ、あたしは住む所さえ失ってしまう。



「ひぇぇーごめんなさい。何か仕事を探しますから……もう少し待って下さい」



 この街だけではなく、疲弊した国の経済復興のためにはどこもお金が必要でした。


 そんな中、あたしは不測の事態で全てを失い、凄く、もの凄く貧乏になっちゃいました。


 この国では16歳で一人前として扱われ、みんな自分のことで精一杯なので基本的に誰も助けてはくれません。


 表向き戦争は終わったものの、小競り合いの紛争が絶えない現在。


 難民の保護も間に合わず、きっと今もどこかで沢山の孤児が路頭に迷っているのでしょう。


 それはそれとして。まず、あたしの未来がが大ピンチなのでした。



(ひぇぇどうしよう。もう貯金もないよう。誰か助けてよう。おかあさーーーん)



 泣き言をいっても仕方ないのはわかってるけど、悲しくて、辛くて、家でひとり泣いていました。


「ひえぇーーん! 超貧乏すぎるよぉぉぉぉー!」



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感想も待ってまーす。

それと、お金か食べ物ください(´;ω;`)

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― 新着の感想 ―
[良い点] え、えといきなり人生ハードモードなのですか? 草ですか?草をむしればいいですか? それとも自分の数少ない毛髪でもむしって 「ほら、こんなもっとかわいそうな人が居るよ」 って言ってあげればい…
[一言] これが、エクレアの… 酷すぎる!
[一言] 面白いです。 続きが気になります。
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