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海賊

「たまらねぇなあ、また死にやがった」


「さっさと首切って死体は海に蹴り落とせ。塩漬けの首でもファイドンは高く買ってくれるらしいじゃねぇか」


「耳だけでも良いのかな?樽はもう首でいっぱいだぜ」


糞尿垂れ流しで縛り上げた人々を船底に満載積んでいる船は悪臭に満ちていた。


そんな中炎天下のマストに縛りつけられている男は歴戦の猛者であった。たが今はハワムの毒と海賊との闘いで弱り切ってうなだれている。この男こそカトルの父、オルカである。


「何か話したか?」 


「あ、頭!いや、コイツ何も話やせんぜ。死んじまうんとちゃいますか?ハワムに刺されたんでしょ、生きとるのが不思議でさあ」


頭と呼ばれた男はいきなり手下の腹を蹴り飛した。

「お前らのやり方が手緩い。先ず指を一本ずつ切り落とし、目を抉れ!それでも話さないならその傷に塩を塗り込んでやれ。拷問するときは舌を噛みきらねぇようそこのボロ切れ咥えさせとけ。」


「「「はいっ!」」

頭と呼ばれた海賊の頭目は恐怖で手下を支配している。10人程いる手下は軍隊の様に硬直し敬礼した。


蹴り飛ばされた海賊の男は頭目が去るとオルカに思い切り蹴りを入れまくった。

「テメェのせいで蹴られたろうが!糞が!」


「おいおいジャックその辺にしとけ、マジでそのおっさん死んじまうぞ」


ジャックと呼ばれた船員は息を切らしつつ、縛られたオルカにツバを吐きつぶやいた。

「さっさと殺しちまえば良いんだ。こんな糞なんの役にもたたねぇよ」


「一匹狼の渡守オルカと言えば有名だ。こいつは何十年もこのやばい死の海で何百人ものフレイムランドからの亡命者をスイートランドに逃して来たんだ。死んじまったらお前もぶっ殺されるぜ?」


「こんな奴いらねえよ。俺達だけで航路は探そうぜ、コイツはお頭の言う様に目玉抉って塩塗り込んでやろうや」


「馬鹿言え、目玉抉られた男がどうやって俺たちに航路を教えれる?お頭も焦ってる。この海域に乗り込んでから10隻あった船団が今やたったのこの一隻だけだ。頭に対する首領の圧力も半端ねぇだろうよ」


「おっさん、お前も強情だなぁ‥あの時俺達の仲間になると言えば今頃客人対応でもてなせたのによ」


その言葉にオルカはふっと笑った。

「俺も元々はフレイムランドからの亡命者だ。亡命者をまたあの地獄のフレイムランドに送り返すぐらいなら死んだ方がましだ」


こんどはジャックと呼ばれた船員を止めた男がオルカの顔面に蹴りを入れ凄んだ。

「ほざいてんじゃねぇぞ。この海も俺達ギャンボス海賊団の支配下だ。テメェごときいつでも殺せるんだぜ」


「やれよ!こちとらずっとこの荒海で暮らしとるんじゃ!死は常に覚悟の上よ!」

オルカは顔を踏まれながらも男を睨みつけた。


「ジャック‥こいつにボロ切れ噛ませてやれ‥」


「テメェら!遊びは辞めだ!」


「なんだ、良いところだったのによ」


「小舟が近づいてくる、多分亡命者だ!3人もいるぞ!ファイドンが高く買い取ってくれる!久々の獲物だ!」


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