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現れし迷宮

俺がブルーミーから逃亡して1週間が経った。

「又来ましたよ」

馬に揺られながら俺の背に小さくくっ付いていたメナが教えてくれた。


追手の騎士の1人が先回りして道を塞ぐ。同時に後ろから2人の騎士が槍を突き出してきた。

俺は手綱を持ったままそよぐ様に上体だけを左右に振ってかわすと馬の脇腹を蹴った。

途端に馬は後ろの騎士の馬の顎に強烈な後ろ蹴りをお見舞いした。同時に俺は正面の騎士の持つ槍だけを叩き切る。

その威力に騎士達は同時に落馬した。

後ろの騎士の馬は蹴られたショックで竿立ちになり主人を置いてそのまま逃げて行った。


「さてと…」

俺は馬から降りると轢かれた蛙みたいに地面に伸びている3人に剣を向けて言った。


「死にたくなきゃ有金全部置いていけ」


この1週間毎日の様にこんな調子だった。追手は俺に小遣いをあげに来ている様なもんだ。しかも巻き上げた金を使う必要も殆ど無かった。

腹が減れば市場の食糧を掻っ払って食べた。しかし何があってもこの国の市民はありがとうしか言わずニコニコしているだけだ。

段々赤道に近づくにつれ気温も上がってきたがカラッとした暑さで日本の夏の様な不快感もない。

天気も良くて食べる心配も無いし追手も今の俺から見れば雑魚だしで馬とメナとの逃避行は快適だった。


「あれがデボンの森です。あそこに切間があるでしょう。あそこから内湾に出れます」


そうメナが教えてくれてから更に3日たった。

見えているのに中々たどりつかない。ブルーミー近辺と違いこの辺りは岩の多い荒地だった。その荒地の向こうに青々としたデボンの森があり俺は呑気に荒地と森の対照的なコントラストが美しい等と考えていた。

しかし地平線の果てに見えて来た森は段々近づくにつれその奇妙な全貌を見せて来た。先ず雨の日が増えた。

しきりと虫の鳴き声はするが鳥は一羽も見ない。

巨大なゼンマイの様な植物やツタが蔓延るデボンの森は鬱蒼としていて森というよりはジャングルだ。メナによればここは東の果てでデボンの森の外れだそうだ。その割にはとてつもなく広大でメナが足を踏み入れるなと言う訳がよくわかる。一歩でも入れば迷って出て来れなさそうだ。


森の切間の崖下を歩き続けて4日たった。

海岸線が見えて来た時俺は息を呑んだ。

海岸を埋め尽くす程の兵士が待ち構えていたのだ。

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