死闘の果て
「⁉︎」
ボリョクが驚愕する。魔剣の一撃は鋼鉄の様に硬いインセクトンの体を切り裂いた。しかし次の瞬間インセクトンの傷は魔王マーガレットの様に再生してしまった。
「当然私のシールドもシェアしてるよ〜ん⭐︎」
マギーの舐めた声がボリョクをイラつかせる。
インセクトンはその間もひたすら猛スピードで多彩な攻撃を続けている。しかし尚もボリョクは全ての攻撃を見切りつつ虚しい反撃を繰り返していた。
「くっ!マギーさえ倒せば‼︎」
リョナが炎魔法で極大の火球をマギーに飛ばすが圧倒的な数の小虫が壁となってそれを防ぐ。
燃え上がる小虫の壁が焼け爛れ崩れて落ちる頃にはリョナには最早シールドを練る魔力も残っていなかった。
「そろそろおっしまーい!hey!」
マギーが杖を軽く振ると小虫の1匹がリョナの耳から体内に入る。瞬間リョナは気を失い膝から崩れ落ちた。
リョナの援護が無くなった今ボリョクの魔剣は炎を纏う事が出来ない。ボリョクは最早マーガレットの魔法属性の弱点を突く攻撃を出せなくなった。
しかしボリョクの精神には諦めと言う言葉はない。インセクトンの攻撃を凌ぎつつ、何故マギーに炎属性の魔力を纏う一撃が通らなかったのか考えていた。マギーの魔力属性が蟲属性である事は間違いない。魔神の加護のシールドと言えど弱点の属性魔法による攻撃は防げない筈なのだ。
いや、防いではいないのでないか?…思い返せば炎属性の攻撃はすり抜ける事は無く再生する迄の間とは言えどダメージを与えられていた。しかし何故マギーやインセクトンは再生したのか?マギーやインセクトンが知覚するより早い速度での再生…マギーやインセクトン自身の魔力による効果では無さそうだ。すると魔神の加護つまり魔王のシールドの効果と言う事になるがそれはおかしい。
魔神の加護は常時発動しているが弱点の属性魔法はカバー出来ない。つまり再生するのは魔神の加護によるものでは無い筈だ。
堂々巡りの考えに陥りかけたボリョクの隙を突いてインセクトンが音速を超えるジャブを連発して来る。
それら全て捌き切ったボリョクに瞬間閃きが走った。ボリョクの反撃がインセクトンの身体をすり抜ける。
「やはりそうですか…」
炎の剣撃は防がれた訳ではない。他の攻撃と違い半分は効いていたのだ。つまり_…
しかしここでボリョクの思考は途切れ地面に倒れ伏した。リョナの様にマギーの操る小虫が体内に侵入したのだ。
モテ太郎達が目にしたのはこの場面からである。




