ダッシュ
「やれやれ…女性がそんな物騒な事を言ってはいけませんね」
土煙の中店に空いた穴から姿を現したのはスチル・ボリョクだった。こんな事態にも関わらず丁寧な物腰で張り付いた様な笑顔のままだ。
「あの野朗!」
飛び出そうとする俺の肩を道元が掴んだ。
「待てっ!お前丸腰だろうがっ!アタシが助太刀する。お前は城に一旦戻って自分の剣を持ってこい」
そう言うと道元はボリョクの前に立ち塞がった。
「アタシの舎弟を随分可愛がってくれたな。テメー」
俺は脱出で城へ向かった。行き交う街の大人達は誰もが笑顔だが今の俺の目には空々しく見えた。
急ぐあまり俺は人にぶつかり、ぶつかった相手を派手に転ばせてしまった。
「いてっ!すいません」
「ありがとう、ありがとう」
「⁉︎」
その不気味な反応が城を目指す俺の足のスピードをますます速めさせた。
やっとの思いで城門に辿り着いた俺は物凄い勢いで門番を急かした。
「早く開けろ!俺を入れろっ!」
「モテタロー外出時間はもう過ぎてるぞ?それに他の奴はどうした?」
「後で話すっ!あんたには岩を割る時世話になったしなっ」
訝しむ門番を尻目に俺はダッシュで城へ入った。
急いで部屋迄行き聖剣を手にした俺は再び城門へ向かった。
無駄に広い城内にウンザリしつつ再び城門につくと何やら人員が増えている。
「モテタロー、貴様何処へ行く?外出の時間は終わりだ」
立ち塞がる馬鹿でかいシルエットはスチル・ムキダッテだった。




