表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/60

修業の終わり

身体中に貼り付けられたメタルスライムをシールドで剥がそうと四苦八苦する俺に対して、時は無常に流れていった。しかしその日は突然訪れた。


「そろそろ魔法の修業の時間です」

メナが知らせに来た。


「ま、まだちょっと時間がかかる」

ワラワラやって来たゴーレムと斬り合いながら俺は答える。

その時!何をトチ狂ったのかゴーレムの1匹が俺では無くメナを狙って背後からノロノロと斬りかかろうとしているのが目に入った。


「メナ!危ない‼︎」


「?」


駄目だ!間に合わない!

刹那駆け寄ろうとするが体に纏わりついたメタルスライムが重い。


メナが死ぬ。絶対に駄目だ!彼女の手当てのおかげで俺はまだ生きている。

「うおおおお!」

突如俺の身体が光り輝き首輪や指輪となって取り憑いていた全てのメタルスライムは千切れ弾けとんだ。


そのまま俺は無我夢中でメナに駆け寄り覆い被さった。


<バチッ‼︎>

俺の背中に剣を叩きつけたゴーレムは弾かれて吹き飛んだ。


すかさず俺はゴーレムに駆け寄り胸を剣で刺突する。

「ありがとう…ありがとう…」

ゴーレムは血を吐きながらも変わらぬ笑顔で絶えず唱えている文句を話したまま停止した。ゴーレムの首を見ると銀色の首輪となったメタルスライムが取り憑いている。それは見る間に水銀の様な姿に変わり凄い速さで逃げて行った。


「はぁ…はぁ…」

いつの間にかシールドは消えていた。


俺はハムスターの様に地面に縮こまっているメナに駆け寄ると手を差し伸べた。

「立てるか?怪我はして無いか?」


「だ、大丈夫です」

メナは震えながらも立ち上がると埃を払った。


「はぁっ…良かった」

安心すると同時にどっと疲れが出てきて今度は俺が地面にへたり込んだ。頭がクラクラする。魔力を使い過ぎると命を失う事もあるらしいが納得だ。


「見事なシールドだったぞ」

いつの間にか剣術の師匠スチル・ムキダッテが来ていた。


俺は剣を杖にしてやっとの思いで立ち上がると息も絶え絶えのまま声を振り絞った。

「どう言うつもりだ!メナを襲わせる何て‼︎」


「何の話かな」


「とぼけるなよ。メナを襲ったゴーレムにもメタルスライムが取り憑いていた。あんたの使い魔だ。あんたが殺したいのは俺の筈だろう?第3者を巻き込むな‼︎」


「たしかに俺はモテタロー、お前が訓練についてこれないなら死んでも構わんと考えている…。本気で殺そうとした事も一度や二度ではない。最初はせいぜい3日程度で死ぬだろうと思っていた。見どころの無い奴だと。たが今は違う。認めざる得まい、未だ生きているお前を。…白状しよう確かにメイドを襲わせたのは俺だ」


「…このクソ野郎が。どう言うつもりだ」


「お前の力を引き出す為だ。事実お前は俺の想像以上のシールドをあの一瞬で練ることが出来た。モテタロー、お前は見所がある。明日から2日休みをやろう。明々後日は最後の試練の日だ。これで修業も終わりだ」


最後の試練…。一抹の不安が胸をよぎる。

しかしそれ以上の衝撃に俺は直ぐその不安を忘れた。この地獄の様な日々が終わる?どれ程その日を待ち望んだ事か…。


「モテタロー様、行きましょう。魔法の修業の時間です。皆んな待ってます。」

呆然とする俺の裾をメナが引っ張った。


「あ、ああ…」

俺は上の空のままコッピの元へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ