シールド
「シールド?」
「そうでしゅ。魔力の防壁を身体に纏わせる事で敵の攻撃を弾き返したり、ダメージを軽減したり出来ましゅ。上達すればその身体中につけられているメタルスライムも剥がせましゅよ」
「メタルスライム⁉︎この体につけられてる首輪やら腕輪やらはそのモンスター何ですか!」
「モンスターとは少々大袈裟でしゅが…ムキダッテの使い魔のメタルスライムでしゅ。使い魔とは依代に魔力を与えて生物の様に自在に動かす技術でしゅ。ムキダッテは水銀に魔力を与えてメタルスライムを作るのが得意なんでしゅ」
「い、今すぐ!今すぐ教えて下さい‼︎」
「そう急かさなくても教えましゅよ。先ず魔力…魔力がイメージし辛かったら、気でもオーラでも良いでしゅ。要は集中して意識を身体に纏わせるイメージが大事でしゅ。」
「?」
「大きく息を吸って吐いてから自分に向かって槍や弓矢が飛んでくると思ってくだしゃい。しかし貴方は動けない!そこで意識の壁を創ってその危害を防ぐのでしゅ」
小1時間必死に想像してようやく聖剣の魔石に頼りながら弱々しく俺の体は白い光を纏った。
「貧弱じゃのう」
紅茶を啜りながらババアが馬鹿にしてくる。
「いざとなったらウチらが守ったげるよ!」
九条るみかは何故か目を輝かせていた。憧れの魔法少女を連想したのかもしれない。
「…」
道元は黙って読書を再開していた。
「まぁ平均的男子よりは魔力はありましゅよ。初日にシールドを纏えただけ上出来でしゅ」
「そ、そんな!先生‼︎このメタルスライムとやらはいつ剥がせる様になるんですか!」
俺は大嫌いなコッピに懇願したがコッピはやれやれと言った様子で話した。
「それは貴方の上達次第でしゅよ。腕についているメタルスライムをご覧なしゃい」
見れば僅かに浮いている。光の強い範囲にはさしものメタルスライムもくっつけない様だ。
「シールドは如何なる危害や攻撃も軽減しましゅ。魔力が増せば増すほどその効果も強くなりましゅ。いずれ使い魔の魔力を上回れば剥がせるでしょう」
九条るみかが微笑みながら天使の様な提案をした。
「かわいそ〜。ウチが剥がしてあげよっか?ウチの魔力であんたのシールドつくってあげればこんなの直ぐとれるし」
道元がパタンと本を閉じた。
「駄目だ!コイツの為にならない。実戦ではシールドと刃に瞬時に意識を切り替えなきゃいけないんだ。外じゃアタシ達に頼れるシーンばかりとは限らない。1人でもある程度戦える様になってもらわないと!」
「そっかー。ごめんね」
「いいよ。九条…。悔しいが道元の言う通りだ」
「さしゅが道元殿聡明でしゅ!モテタローまた明日から頑張りなしゃい」
…しかし更に一月経ってもメタルスライムはとれなかった。聖剣の刃もシールドも瞬時に錬れる様になったがメタルスライムが強いのか俺の魔力が弱いのか如何してもこれが剥がせないのだ。




