魔法
俺は剣を抜く。
「1番憎い奴を思い浮かべろ。その剣でソイツを斬る事を考えて剣に力を送りこむイメージを持つんだ」
道元凪沙の指示に従い俺はムキダッテを思い浮かべた。すると剣の魔石が弱々しく光る。
「まだまだ…。もっと集中しろ」
すると魔石が更に光り刀身も光り始めた。
「うーん…。初めてにしては良いんじゃないか?鎧にも魔石がついてただろう。
攻撃する時は刀身に集中して剣を強化し、防御の時は鎧や盾に意識を集中させてシールドを練って戦うのが基本らしい。
熟練した剣士なら瞬時に切り替えれるそうだ」
褒めてくれる割には道元は微妙な顔をしている。
「魔女は何をするんだ?後ろから魔法でビームとか飛ばすのか?」
「それに近い事も出来るが、お前が攻撃している時にアタシ達がお前の鎧、身を案じればお前のシールドを練る事が出来る。攻撃に意識を向ければお前の剣にも魔力も送れる。
1人の魔力では限界があるからな。男は魔力も女より少ないらしいし、刀身に意識を集中しながら防御にも気を回すのは難しいだろう。
魔石をお互いに持っている事で互いに魔力を送りあってお互いにフォローし合う事が出来るんだ」
確かに今の俺では剣に魔力を送るだけで精一杯だ。
俺は刀身に集中しながら聞く。
「これはどの程度の効果があるんかな?」
「多分使用者の魔力次第だ。強ければ剣の切れ味つまり攻撃力だな。それも鎧の防御力も何倍にも出来る。
アタシも魔石を杖じゃなくて剣に埋め込んで貰った。
お前が危うくなればアタシも一緒に戦う」
道元が指し示す場所には俺の背丈以上の鉄で出来た巨大な一枚の鳥の羽の様な物体が柱に立てかけてあった。柄の尻に巨大な魔石がついている。
「剣?まさかそのデカい羽見たいなやつが?」
「カッコ良いだろう。名前は天翔龍風神剣!」
道元が珍しくドヤ顔で自慢してきた。くそだせぇし名前長すぎて次の瞬間には俺はもう思い出せなくなっていた。
「何回聞いてもその名前マジうけるww。ウチはサーベルに埋め込んで貰った!ライジングサーベルだっ!」
九条るみかが見せて来た刀は魔石が刀身の下についている割と普通なサーベルだった。
「わしは盾に埋め込んで貰った。名付けて金運上昇七福神盾じゃ」
予想通りだかこれも酷い。梅さんらしく欲張り過ぎで名前長いし詐欺師が売り付けてきそうな怪しいアイテム感を与えてしまっている。
「ま、まぁ…ネーミングセンスはともかく、皆んな頼もしいよ。しかし道元、薄いとは言えそんなデカい剣振れるのか?空気抵抗凄そうだけど」
「ふっ!問題ねーよ。う〜ん、物壊す訳にもいかねぇし…ああ、丁度よい所に雲がある。あの雲を見てな」
青空のなかぽっかりと白い雲が1つだけ流れている。
道元が剣を握ると魔石が美しく光り輝いた。
「ふんっ!」
道元が軽々と剣を空に向かって振ると何と巨大で遥か遠くの筈の雲がざっくり2つに割れた!
道元凪沙、彼女さえいれば7人の魔王全てを倒して元の世界に帰り夏姉を助けるという夢も叶うかもしれない。
「さしゅが道元殿でしゅ!もう私より遥かに強い魔力を安易と使いこなしてましゅね」
ようやく魔人参謀コッピが現れた。




