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会いたかった面々

「剣が使えない場合徒手で戦うしかない。徒手格闘技は大きく分けると2つの項目から成り立つ。立ち技と寝技だ。立ち技は更に打撃と組み技に大別できる。相手より自分が得意な分野で戦え。 


しかし打撃より組み技を重点的にやらせる。時間も無いし剣で戦うなら組み技の方が使用頻度が多いのでな。


モルド、モテタローの反復練習が終わったらヤンとロイを使ってタックルを教えてやれ。これはお前達の練習も兼ねる。


…突く時だけでなく、引くのも素早くやれ。後100回正拳突きを追加だ。俺は少しマギー様に会わねばならぬ」

ムキダッテの技の教え方は割と丁寧でこれだけ見れば良い師匠と錯覚しそうになる。


俺は正拳突きの反復練習が終わりタックルの練習にとりかかった。


モルド「遅いぞ、タックルは瞬発力が大事だ」

無茶言うな。衛兵は俊敏に動けるが俺は器具をつけている。

戦闘訓練は器具で無理矢理やらせても意味が無いと言う事で筋トレ、柔軟以外で無理に身体を操作される事は無かったが相変わらず日の出ている時は凄い重さだ。


昼食後ヘトヘトな俺は花の広場へメナと共に魔法の練習に向かった。満腹のまま身体を動かさ無くていいのは助かる。


ムキダッテが衛兵をコッピに近づけたくないのか、コッピがムキダッテの手下に来て欲しくない為か監視役はメナだけだった。どうやら突然の襲撃からも解放されそうだな。


花の広場は城内の庭園の中でも最も華麗で豪華な場所だった。衛兵や俺が住む塔の質素な中庭とはレベルが違う。道の周りには美しい花が一面に咲き乱れモルフォ蝶の様な金属光沢のある赤、白、青、緑、黄色といった鮮やかな蝶が舞っていた。


メナ「皆様あちらのオープンテラスにいらっしゃいます」


ツタ植物が色とりどりの美しい花を咲かせている屋根をギリシャ調の彫刻が施された白く太い柱が支えている。その木陰のテラスに俺が会いたかった顔見知りの面々が優雅にくつろいでいる。


九条るみか「モテ太郎?えっ?えっ!変わりすぎじゃん!ムキムキじゃん!」


「皆んなは変わってないな」

無事で安心な様な楽そうで妬ましい様な複雑な気分だ。


「ちょっと筋肉触っていい?すごーカチカチじゃん!何これ?ださっ!首輪、腕輪、指輪…これ外した方が良いよ」


梅さん「なんじゃそのアクセサリーは?よかったら一つくれんかの」


「アクセサリーじゃない。筋トレ器具だ。外せるもんなら梅さん、貴女に全部あげたいよ」


道元凪沙「…」

道元はちらっと此方を見て読んでいた本を閉じて紅茶を飲んだ。スウィートランドの歴史…非常につまらなさそうな題名の本だ。


「 何故今迄会いに来なかった?舎弟としての義務を怠るな」


「そうそう凪沙ちゃん心配してたんだよー。面会に行って衛兵に追い返されて怒ってたんだから」


「ツンデレじゃのう!恋する乙女はなかなか素直になれんのじゃ」


「う、うるせーぞお前ら。ババア何が恋だ!」

しばらく会わない内に皆んな仲良くなっている。


「そういえばコッピは?魔法の練習に来たんだけど」


「あいつなら未だ来ないよ。昨日近衛兵の生活隊舎で何かやらかしたらしいからな。マギーに絞られてるんじゃねぇかな」

やっぱり監視役達はムキダッテにちくった様だ。


「まいったな。1時間しか時間が無いのに」


「あいつが来るまでアタシ達が教えてやるよ。もうコッピに出来る事でアタシらに出来ない事は無い」


「そーそー。毎日やる事が無さ過ぎてウチら退屈してたんだよ」


「お前とババアはのんびりし過ぎだ。観光に来たんじゃねえんだぞ。お前らもこの異世界の事を少しは調べろ。真面目に考えたらやる事は多過ぎるくらいだ」


「凪沙お嬢様はこの老婆より年寄り臭いわい」


「そーそー、梅さんの言う通りだよ。あんまり真面目過ぎると早く老けちゃうよ?」


「はぁ…お前らには不安感ってもんは無いのか?モテ太郎剣を出せ」

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