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戦いの極意

「⁉︎」


意外だ。聖剣をブチ折り、他人に手伝わせて石工の道具迄コソコソ使った俺が百点満点とは。


「監視役のお前達は職分を越えてモテタローに手を貸した。罰として減給3ヶ月だ。」


すかさず監視役のメイドの1人が抗議する。

「お待ち下さい!何故勇者殿は百点満点なのですか⁉︎マギー様から頂いた聖剣を折り、己の修業を我々に手伝わせ、石工の道具迄使って岩を割った張本人なのですよ⁉︎とても岩を両断すると言う試練を果たせたとは思えません‼︎」


「聖剣と言えど所詮は道具に過ぎん。使命を果たす為に使用した結果折れたのなら問題はない。そして手段はどうあれ岩を2つに割った事は事実だ」


「納得出来ません!こんな卑怯なやり方。それに岩を斬ったとは言えないじゃありませんか!」

メイド達は憮然としたまま尚も食い下がる。衛兵達と違い直属の上司ではない為か強気だ。


「そこの1等歩兵よ、貴様は戦場で正々堂々と戦って敗れた者と騙し討ちで敵将の首を獲った者…どちらの手柄が大きいと思うか?」


監視役の衛兵は片膝を付き頭を垂れたまま微動だにせず即答した。

「はっ!騙し討ちで敵将の首を獲った者だと思います!」


「うむ、その通りだ。貴様ら女中は仕方ない事だが日常生活の常識に沿って考えておる。しかし戦いと言う非日常ではそれは通用せん。…戦いにおいて何よりも大切な事は勝つ事だ。勝ち負けの差の前では手段の違い等些末事にすぎん。モテタローは斬れぬ岩を割った。ベストを尽くしたと言わざるえん。斬れず、割れぬより余程良いからだ。勝つ為には殺し方等どうでも良い。敵を殺す事が肝心なのだ。モテタローは岩を殺した。故に百点満点と言ったのだ。わかるか?」


「理解できました。流石は近衛隊長殿、卓見でございます。我らの非礼お許し下さい」

メイドは頭を下げてムキダッテに非礼を詫びて引き下がった。


「モテタロー、この岩を砕いていた時の気持ちを忘れるな。何をしてでも勝とうとする心…それが如何なる奥義やスキルより大切な戦いの極意だ。戦う時は迅速に相手を殺す事だけを考えろ。マギー様の名を背負い戦うなら決して負けてはならん」

近衛隊長スチル・ムキダッテ。案外フェアな男なのかもしれない。


「しかしマギー様が下さった聖剣はナマクラでは無い。正しく使えば岩等容易く斬れる」

ムキダッテが折れた聖剣を握ると魔石が銀色に輝いた。刃の無かった聖剣に刃がヌラヌラと生えてくるや否や岩に斬りつけた。


岩はまるでケーキを切る様に容易く両断された。


「わかったか?今日から体力錬成後は徒手格闘技、剣術を教える。わかったら直ぐ靴を履いて走りに行け!」

いや、やっぱコイツはクソ野郎だ。何もわかんねーよ!その内騙し討ちしてぶっ殺してやる。戦いの極意…今のセリフ忘れるなよ。

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