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剣術指南役

「明日から半年間剣士としての修業を積む事は聞きましゅたか?」

唐突にコッピが切り出した。は?初耳何だけど。


「いえ聞いてません。僕が戦うんですか?てっきり僕より魔力の強い道元達が戦うもんだと思ってました」


「は〜呆れましゅたね。男が女の影に隠れてサポートしようとは…。いいでしゅか?平均的に見て男の方が女より力が強い様に女の方が男より魔力は強い物なんでしゅ。ですから男が剣士として敵と直接斬り合い、魔女が後ろから魔法で援護するのが戦いの基本でしゅ」


「でもコッピさんは見た所杖しか持ってないし、魔法で僕を縛ったじゃないですか」


「私はマギー様を支える魔人参謀でしゅから例外でしゅ。大体何の為に聖剣を渡したと思ってるんでしゅか?」


やっぱこのチビ腹立つわ。

「知りませんよ、剣道すらした事ないし。大体勇者とか言って体のいい鉄砲玉じゃないですか。勝手に連れて来られて真剣で魔王や訳のわからない魔物とかと斬り合えなんて冗談じゃ無い!」

これ以上この訳の分からない世界の住人の顔色を伺っていられるか!黙っていても都合の良く使い倒されるだけだ。


「モテタロー殿、願いは無いでしゅか?」


「えっ?」

何だ薮から棒に…。


「願いがあるはずでしゅ貴方には。召喚具はそう言う人間を選んで召喚するのでしゅから」

願い…。夏姉は大丈夫だろうか?夏姉が無事でいてくれる事それが今の俺の最大の願いだ。その為にも元の世界に一刻も早く帰って安否を確認したい!こんな異世界に迷い込んだまま死ぬ訳にはいかない。


「ハワムに襲われた貴方の親戚なら危篤状態が続いている様でしゅよ?」


「何であんたがそれを⁉︎」


「マギー様は全てお見通しでしゅ。この世界の事も貴方の世界の事も。マギー様がこの世界を統一し大魔王となれば貴方の大切な人を蘇らせる事等容易い事でしゅ」


「それが本当だと信じろと言うんですか?」

コッピやマギー、魔法と言いこの世界の全ての物が胡散臭い。


「やれやれ貴方はマギー様の、ひいては魔王の力をご存知ない。我が国スウィートランドの国民はマギー様が魔王となられてから1度も殺人、窃盗どころかあらゆる犯罪を起こした事がありましぇん」


「そんな馬鹿な…」


「この世界でもこんな国はスウィートランドだけでしゅ。そればかりかこの国の国民は悲しむ事も苦しむ事も怒る事もありましぇん。もっともマギー様やその側近である私達は別でしゅが」


「それが本当だとして…何故なんですか?」


「それがマギー様、魔王ギータカ•マーガレットの力なのでしゅ。全知全能の魔神の力を分け与えられた魔王の魔力はこれ程迄に強いのでしゅ!起こせない奇跡などありはしない!」


「それ程凄いのならマギー様自ら他の魔王を倒しに行けばいい。何故僕なんですか?」


「魔法には相性があるんでしゅよモテタロー君。その聖剣なら援護する魔女の魔力が篭った刃で魔王を切り裂ける。君が手柄を立ててマギー様を大魔王の座まで押し上げるのでしゅモテタロー!この世界には悪が満ちている。マギー様を大魔王の座につかせスウィートランドの奇跡を八大魔国全土、いや全宇宙に広める事こそが我々の悲願なんでしゅ!」


「…」


「マギー様が大魔王となられた暁には貴方のいた世界も苦しみから解放されましゅ。勿論貴方の願いもマギー様は褒美として叶えて下さるでしょう。私の命をかけましゅ!」


「しかし僕が死んだら元も子もないでしょう」


「モテタロー殿、どの道貴方に選択肢は無い。もう大魔王の魔力無くして貴方は帰れないのでしゅ。召喚より送り返す方が魔力が必要になる。ここで死ぬか、一か八か賭けるか、2つに1つでしゅぞ」

どうやら相手の要求を飲むしか無さそうだ。


「…わかりました」


「モテタロー殿が手柄を立てれば推薦したこのコッピの顔も立つ。嗚呼今日話そうと思ったのはこんな事では無い。実は貴方の剣術指南役がムキダッテと決まったのでしゅ」


「あのデカくてムキムキなラオウみたいな奴ですか」

俺を勇者に任命する事に反対してた近衛兵だ。


「そうでしゅ。奴は訓練にかこつけて貴方を殺そうとしゅるかもしれましぇん。何しろ奴は勇者には自分の息子で愛弟子のボリョクを推してましゅたからね」


「冗談じゃない⁉︎何でそんな奴を剣の師匠にしたんです!」


「この国1番の剣士は奴だからでしゅよ。私も反対しきれましぇんでした。兎に角、命の危険を感じたらメナを通じて私に連絡するのでしゅよ!わかりましゅたね⁉︎」


「ちょっ、ちょっと待ってください!」


「私はもう行かねばなりましぇん。明日からくれぐれも気をつけるのでしゅ。半年間の辛抱でしゅ、耐え抜いて私の為にも手柄を立てるのでしゅ」

呆然とする俺を尻目に言いたい事だけ言ってコッピは去って行った。

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