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勇者となるのか?

ブルーミー到着後俺は先ず風呂に入れられて着替えさせられた後大広間に通された。


もう日が落ちたのに大広間は煌々と明るかった。シャンデリアの様なものがあちこちで光っている。電気があるのだろうか?大理石の様な床といい壁といい汚れ一つ無い。その装飾1つを見ても今まで見た事も無いくらい精巧で美しい。


大広間の奥の玉座らしき椅子は虹色に光り背もたれには巨大な龍の彫刻が施されている。

部屋の左右には厳つい衛兵が楽器を持ってずらりと並んでいた。奇妙な事にみなニコニコと笑顔である。


部屋の真ん中には長い赤いカーペットがひかれ、俺はその真ん中で跪かされていた。俺の斜め前にはコッピがいて、魔女王マーガレットに対する礼儀作法に粗相がない様補佐する手筈のようだ。


<プププァプァーン>

「マギー様御登殿!マギー様御登殿!」

ラッパがなり伝令みたいな奴が叫ぶと玉座の横から静々とこの国の最高権力者だと言うギータカ マーガレットが現れた。


一斉に全ての者が気をつけをして右手を胸の前で曲げ、頭を下げ唱和した。

「「「ハローでございますマギー様!」」」

俺も少し遅れつつ、周りの余りの迫力に気圧され会釈した。


「ハロハロ〜」

随分フランクな感じだ。歳は20台後半位に見える。目が妙にキラキラして大きくてまつ毛が長い。柔和な顔付きで怖そうなイメージを勝手に抱いていたが、それは覆された。ただ鼻はやや主張が強くそれは魔女のイメージ通り。体型はスレンダーで服装も割と簡素で清楚だ。


「マギー様こちらが今回召喚されし勇者、名は…」

そこまで言ってチラリと此方にコッピが目配せしてきた。

「茂木…モテ太郎…です」


「ぶひゅwだっしゃwだっしゃw」

厳かな雰囲気の中コッピの爆笑が響き渡る。


「オホン!オホン!」

最前列にいた一際背の高いムキムキの衛兵が咳払いした。


「すいましぇんマギー様。召喚者の名前があまりにも滑稽だったのでつい、すいましぇん」


「いいよー!それはそうと私はもう誰も召喚してない筈なんだけどな〜」


咳払いした衛兵が一歩前に出て発言する。

「先に召喚された者どもが言いまするにハワムが召喚元の世界にも現れたとか。魔神の力はその欠片と言えど強大です。召喚具が我々に推測し難い力の余波を召喚元の世界にも、もたらしたのかもしれません」


「じゃあこのモテタローくんはうっかり召喚されちゃったってことかな〜」


「はっ!可能性はあり得るかと」


「え〜どうしよー。元の世界にも返せないし…ここで幸せの民として暮らして貰おっか♪」


「この国から追放すべきです。素性のわからぬ者に大任は任せる事は出来ませんし、側に置くのも危険です」


おいおい随分勝手だな。しかしコッピの意見は異なった。


「ムキダッテの言う事は間違いでしゅ!神官の予言の通りの位置にゲートは開かれ召喚者が現れたのでしゅ!この国でゲートを開ける程の魔女はマギー様以外にはありえましぇん。召喚具の手違いで召喚されてしまったにしろ大任を任せるべきでしゅ!」


「取り敢えず魔力の属性を見てきめよ〜YO!」


ムキダッテと言われた衛兵が部屋の端っこに待機しているメイドに命令した。

「属性の魔石をもて!」「承知しました」


メイドが持ってきたのはデカい水晶玉みたいな物だった。


コッピに促されるまま俺が目の前に置かれたそれに両手を添えると玉は突如真っ白に光り輝き一瞬部屋を包む。


「ふぅ…光の属性の様ですな」

ため息混じりにムキダッテが言う。駄目だなこれはと言う雰囲気だ。


「凄いでしゅよ!この魔力は!素質十分でしゅ!このモテタローは正に勇者でしゅ!」

対照的にコッピは小躍りしてウキウキしている。


「いやいや先日召喚された者達と比べ明らかに劣っている。やはり追放すべきですマギー様」


「うーん先に召喚された3人はみーんな女の子だったよね?斬り込み隊員はやっぱり男の子じゃないとな〜モテタローをパーティに加えたら丁度いいんじゃない?」


「それには私の弟子、ボリョクがおりますマギー様」


「ボリョクの属性こそ役にたちましぇん!ムキダッテはただ自分の弟子に勇者となる大任を任せ手柄を立てさせたいだけなのでしゅ!マギー様ここは賢明な御判断をなさいましぇ!」


「昨日召喚した人達の魔力を改めて見よっかな〜!」


「直ちに先日召喚した者達をここへ!」


それは何と道元凪沙、九条るみか、用務員のお婆さん馬場梅さんの3人だった。


道元凪沙

「モテ太郎!流石アタシの舎弟だ!生きてたか‼︎」

九条るみか

「ウチマジで心配したー!」

馬場梅

「金!金は持ってきたんじゃろうな⁉︎ワシは賠償金1000億を請求するー‼︎」


「ババア空気読め!」

すかさず道元が梅さんにキレる。


「皆んな…」

俺は言葉に詰まった。皆んな生きていた!その安堵と未知の世界に来た不安感が和らいだ事で俺の涙腺は崩壊しそうだ。


「なんとなんと皆さんどうやらお知り合いみたいでしゅよ!勇者はモテタローに決まりでしゅね」

コッピが手を揉みながらほくそ笑む。


「チッ…モテタローとやらは魔力が低い。道元殿、人差し指だけで良い、魔石に触れよ」


たちまち魔石から突風が巻き起こった。

吹き飛ぶシャンデリア、割れるガラス!大惨事だ。


ムキダッテが慌てて叫ぶ。

「もう良い!やめろ!魔石から手を離せ!」


「あーあ大惨事っしゅね」

半壊したシャンデリアがチカチカする中コッピがせせら笑った。


「九条殿、片手で良い。魔石に触れよ」

たちまち魔石が金色に光り電撃がほとばしり、シャンデリアが復活した。


「も、もうよい。馬場殿両手で魔石に触れよ」

たちまち辺りは霧につつまれて一寸先さえ見えなくなった。


「皆んないつ見てもすご〜い!」

マギーが素っ頓狂な声ではしゃぐ。


「お解りかコッピ殿?道元殿は風の属性、魔力は魔王クラス。九条殿は雷の属性、魔力は魔人参謀クラス。馬場殿は雲の属性、魔力は魔神神官クラスはある。

風、雷の強力な魔術師がいれば地の魔王、海の魔王を討ち2大魔国を制圧出来る。雲の属性は効果抜群となる属性の魔王こそいないが応用が効く属性だ。

光の属性、ましてやこの3人にも劣る魔力量の者に何が出来る。光は効果抜群の属性が確認されていない魔力属性で応用も効きにくい。役には立たん!」


「いやいや、一瞬とは言えモテタローは強大な魔力の片鱗をみせましゅた!訓練次第でもっと伸びるでしょうし、現時点でも男の中では平均より遥かに上の魔力がありましゅ!属性など聖剣がある以上問題ありましぇんし、光の属性は凄く応用が効く属性だと僕はおもいましゅ!更にモテタローは先に召喚した者とは知り合いでしゅ!勇者適任の存在は彼しかおりましぇん!」

 

コッピの熱意にマーガレットは頷いた。

仲間達と再会を喜ぶ間もなく俺はコッピに促され廊下へ連れ出された。


「無事に勇者となれてよかったしゅね、明日は聖剣受領の儀式がありましゅ。部屋へはこのメイドが案内しましゅ」


「メナと言います。これからモテタロー様の身の周りの世話は私が行います。なんなりとお申し付け下さい」


そこにいたのは小柄な少女だった。


案内されたのは12畳程の部屋で窓際には豪華なベッドがある。俺はドッと疲れが出てベッドに倒れ込んだ。

全て夢に違いない。夢の中で眠いとは…


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