1.「朝おん」はどのようにして作られるか?
たぶん一発ネタ。
突然ですが、「朝おん」って言葉を聞いたことがありますか?
まあ、TS作品論を読むようなマニアックな性癖の持ち主の皆様(←失礼)なら知らないはずが無いですよね。といってもそんな難しい言葉じゃなくて、「朝起きたら女の子になっていた」の略です。もちろん、現実で起こるわけもないことなので、ある種の業界用語ですね。
そしてこの「朝おん」。性別転換を主題とするTS小説のなかでは結構メジャーなジャンルなのかもしれません。しかし最近、この手の作品があんまりに氾濫しすぎている。もちろん拙作「僕は女の子になりたい」もこれに当たるのであまり強くは言えないのですが、現状なろうのTS作品の大多数がたぶんこれ。
どうしてこうなるのかというと、その人がなぜ性転換するのかという根本的な大問題を「朝おん」という言葉で説明づけれるからなのでしょう。
そうでないと、性別が変わるという非現実的なことへの納得がいかないというところが大きいんだと思います。もちろん先天的な身体の特性(仮性、真性半陰陽)や、性同一性障がいなどであれば説得力は絶大ですね。ただ、このような描写をするには作者自身がこの手の障がいや特性に対する知識が備わってないといけません。
性転換っていう小説の前提として、男→女。あるいは女→男が異なる性別の価値観と対峙することに面白さがあります。しかし先述の設定を抱えたキャラクターでは、この設定を説明することに膨大な説明が必要になる。
逆説的に言えば、朝起きたら女の子(男の子)になっていたというのはこれ以上の説明をあえてつける必要がない。TSの舞台設定としては、かなり便利な設定だからこそここまで使われてしまうのではないでしょうか。
連載するとしたら、1回当たり500字から1000字でまとめます。