第一話 : あたし、犯人になっちゃうの!?
え?
ちょっとまって?
どうして机の引き出しにこんなモノが入っているの?
どうしよう。ほんとにぜんぜんわからない。
いつもどおり登校して、何気なく引き出しに手を入れたら、なぜか電子端末が入っていた。すべての教科書とノートが一つになった学習用のコンピュータータブレットだ。
だけどコレは教室の前に置いてある電子ロッカーに保管していて、今日はまだ取り出していない。しかもあんな事件があったばかりだから、昨日は帰りのホームルームのときにきちんとロッカーにしまった覚えがある。それなのに、なんで引き出しに入っているの?
「あ~。センセ~。寿々木さんが電子端末もってま~す」
いきなり誰かが声を上げた。あの甲高い声は山森さんだ。
ああ、どうしよう。
ロッカーを調べていた三沢先生がこっちを振り返った。しかも学園長と校長先生、それに制服姿のお巡りさんまであたしの方に近づいてくる。
「あなたは寿々木夕遊さんね。ちょっと職員室まで一緒にきてもらってもいいかしら?」
声をかけてきた校長先生が優しく微笑んだ。
でも、逆にそれがこわい。
心臓がバクバクしてきた。
あたしはロッカーなんか開けてないし、端末だって盗んでいないのに、なんで職員室にいかなくちゃいけないの?
「大丈夫よ、寿々木さん。先生たちとお話をするだけだから。さあ、行きましょう」
三沢先生があたしの手から端末をそっと取り上げた。先生が優しいのは知っているけど、ほんとにどうしよう。手まで震えてきた。
横を見ると、真歩ちゃんが心配そうな顔をしている。その隣でなぜか山森さんがニヤニヤと笑っている。
「は……はい……」
あたしはおそるおそる立ち上がった。
こわい。
すごくこわい。
でも大人たちに囲まれたら逆らうことなんてできない。だからあたしは震える足で教室を出た。そしてその瞬間から、あたしは『シャッフル事件の犯人』として、学校中のうわさの的になってしまった。