騎士との戦い
「ほぉ。貴様度胸だけはあるようだな」
「度胸以外にもあるけどな」
「しかし、一人が3人に増えただけだ。おい!こいつらも捕まえろ」
騎士たちが私達に向かってきた。私は逃げようかと思ったが、タクヤは戦う気まんまんだ。
「貴様抵抗する気だな。私達騎士に勝てると思ってるのか?」
「いやいやあんたこそ俺に勝てると思ってるわけ?」
「本当に度胸だけはあるのだな。まぁいい、ならこの私を倒してみろ!」
「別にいいけど…あんた一人で大丈夫なの?」
タクヤは分かっていない、騎士の強さを。そこら辺のモンスターなら簡単に倒せるが、騎士となれば頭を使った戦いをする。正直タクヤの力でも、全員を倒すのは無理だろう。だからこうゆう時こそ私がしっかり助けてあげないと…
「あっ!マミィ。今回は何もしなくていいぞ」
「えっ!」
「別に二人でかかってきてもいいのだぞ?」
「いやいや俺一人で十分だって。それじゃ行くぞ」
騎士は剣を抜き構えた。そしてタクヤは両手を上げて、
『スラッシュ』
突如タクヤの手が光った。皆、目も開けられずじっとしている。タクヤはいつのまに光魔法を覚えたのだろうか。しかしコレは初級魔法なのですぐ消えてしまうだろう。なのでタクヤは消える前に何か仕掛けるだろう。と思ったとき、
『ファイヤ』
火の玉が騎士めがけて飛んでいった。やはり攻撃を仕掛けてきた。これで騎士に少しはダメージを入れただろう。と思っていたが、
「なるほど魔法使いか。だが、そんなしょぼい魔法で俺たちは倒せんぞ」
騎士の鎧には全く傷が入って無かった
「そんなことぐらい分かってるよ」
え?分かってた?ならなぜ魔法を?魔法使いの戦いは魔力で決まるような物だ。なので無駄にうってしまうのは自殺行為なのだが…
「なら先程のはヤケクソか?」
「なわけねえじゃん。つかあんた、もう負けだぞ?」
「何を言っている?とうとう頭でもおかしくなったか?仕方ない、もう決着をつけるか…」
騎士は剣を持ち上げタクヤを斬ろうとしたのだろう。だが騎士は全く動かない。どうしたのだろうと思っていたがすぐに答えが分かった。
「動けないだろ?今鎧の中にはさっき俺が出した土が入ってる。その土を鎧の節々につまらしたのさ。ちなみに他の騎士たちもね」
よく見ると騎士達全員が動けずにいた。
「タクヤ!いつまに土スキルと光スキルを?」
「あ?ここに来る途中だよ」
あの時本をじっと見ていたが、まさかスキルを覚えていたなんて…
「さぁて、あとは領主あんただけだぜ?」
「クックック。とうとう儂を怒らせてしまったようだな」
「あぁ?何を言っているんだ?」
領主は丸い玉を取り出し、玉はさっきのタクヤのスラッシュと同じように光りだした。そしてすぐに光が消えて…
「クックック。これで貴様らは終わりだ」
そこには禍々しい魔力を放つ黒い騎士が立っていた。
「あの小僧を殺せ!」
と領主が言い放った次の瞬間、タクヤの腕が消し飛んだ。いや、正確には黒い騎士に斬られたと言った方がいいだろう…




