熟練度
「タクヤっ!タクヤっ!」
「ん…ここは…」
「あっ!やっと目を覚ました。もぉ!心配したんだから!」
「…俺…何があったんだ?」
「風を吹かして空を飛んだでしょ?でも上へ行くほど酸素も少なくなるから呼吸が大変になってウインドの能力がきれて、落ちてきたのよ。でもすぐ回復してあげたからもう大丈夫よ!」
「そうか…ありがとな」
全く、本当にタクヤは手がかかる。私は立ち上がって、手を差し出した。
「ほらはやく街に行くわよ」
「おう」
「なあ、スキルの威力を上げるにはどうしたらいいんだ?」
と先程から冒険の本を見ていた、タクヤが聞いてきた。
「熟練度を上げればいいのよ」
「熟練度って?」
はぁ〜本当にタクヤは何も知らなさすぎる。
「いい?熟練度って言うのは、スキルをたくさん使うと熟練度が上がって行くの。そして熟練度が上がればスキルの使い方に慣れていき、結果的にスキル威力が上がることになるの」
「へぇ〜なるほど…」
そう言ってタクヤは本を閉じ両手をポケットに入れた。
「寒いの?」
「いや全然、むしろちょっと暑いぐらいだよ」
「そう…」
暑いなら何でポケットに手を入れたのだろうか?まぁたいした事なのそのまま聞かなかった。
そして、このままでは会話が終わってしまうので、私はもう少し詳しく熟練度を説明することにした。
「あと、熟練度は10段階あるの。普通の人だったら4段階までは普通に行けるけど、5段階以上にするにはすごく努力しないといけないの。その日に使える魔力は限られているから毎日1つのスキル使いつずけなければ5以上にするのは難しいわ」
「じゃあ実際に10になった人っているのか?」
「それは分からないわ。噂では生産スキルを10段階上げた人いるなんて聞いたことあるけど、あくまで噂だからあまり信じれないわ」
「噂かぁ…」
「まぁ普通は、4あれば上等、5あればすごい、と言われているわ。ちなみに私の回復スキルは3よ」
「おっ!以外にすごいな」
「以外って何よ!まぁ回復スキルなんかは比較的上がりやすいからね」
そうこうしているうちにもう街が見えて来た。ここは近くで最も大きい街【マイル】
「おぉ!スゲぇ!」
タクヤは、隣で子供のようにはしゃいでいた。私もここに来るのは久しぶりなので少しはしゃぎたいが、タクヤはここの常識を全く知らないので、また何かやらかさないかしっかりと見張っておこう。
しかし…私はまだ知らなかった…これからタクヤの計画が本格的に始まっていく事を……




