一人目の仲間
「あなたは一体何者?」
「俺か?俺は囚人番号286番上梨拓哉だ」
「しゅうじんばんごう?」
「あぁそれは気にしないでくれ」
「分かったわ。私はマミィ。さっきは助けてくれてありがとう」
「いやいや、あんなのどうってことないさ」
「あなたこんな所で何してたの?」
「う~ん、まぁ旅ってとこかな」
この人見たところ本当に何も持ってない。何も持たずこんな所で旅するなんておかしい。一応冒険者らしいけど、さっき冒険の本を見てみたけどレベル1だった。スキルを覚えたのも今が初めて。この人ほんとに何なんだ?
「ねえ本に載ってないスキルを覚えるにはどうしたらいいんだ?」
「なにを覚えたいの?」
「とりあえず回復スキルかな」
「それはもうスキル一覧にあるでしょう?」
「いやどこにもないよ?」
「嘘でしょ?ちょっと貸してみて」
隅々まで探して見たけど本当に何処にもなかった。
「なんで無いのよ」
一度戻り彼のステータスを見てみると、
「はぁ!?何このステータス!?」
「どうした?何かおかしいのか?」
タクヤも覗いてきた。
「おかしすぎるでしょ!?何魔力値???って!しかも器用値と知力も以上に高いし!!なのに筋力と思いやりがゴミみたいに低いし!!!」
こいつほんとに何なの!?
「そんなことより回復スキルどうやって覚えるんだよー」
「覚えられないわよ!!回復スキルや支援スキルは思いやりステータスが高くないと無理なのよ!でも一般の人なら初期回復スキルぐらいなら覚えられるのに、あんたは思いやりステータスが低すぎる!ほとんど0に近いじゃないの!!あんたほんとに人間!?」
「初対面なのに失礼だなぁ。俺はちゃんと人間だよ!」
こいつと話してると疲れる。こいつはあまりにも無知すぎる。こいつはいままでどう生活してきたのだろうか?なんだか無性に気になってきた。
「ねぇあなたってどこ出身?」
「俺のことはたくやって呼んでいいぜ」
「分かっわよタクヤ」
「俺は日本ってとこに住んでいた」
「ニホン?聞いたことないわ。そもそもタクヤは何で旅なんかしてるの?」
「まぁ一応はこの世界を救うためなんだけど…」
「世界を救う?本当に?タクヤが?」
「まぁ一応だけどな」
私はついに見つけたんだ。私と同じ目的を持った人を…
「ねえタクヤその旅私も着いて行っていいか?」
「別に全然いいけど、何故俺?」
「それは…私も一人で旅をしている。だから一人より二人の方が目的に少しでも近づけるからよ」
「なるほど、分かった。じゃあよろしくなマミィ」
「うん、よろしく」
これから大変になるだろうな。と思いつつもこれから先の冒険に思いをはせた。
「ところでささっきからステータスって何?」
「……」
本当に大変になりそうだ…




