決着
「タクヤッ!」
「お疲れ様マミィ。結構頑張ったみたいだな。その前に」
タクヤは私のそばに来て、
「ちょっと!いきなり何処触ってんのよ!」
「わりぃわりぃ。でもこれで普通に立てるようになっただろ?」
「えっ!何で?」
タクヤが触れた瞬間体が一気に軽くなった。
「ポピィンを回復してやれ」
そう言ってタクヤはサタディの方を向き、
「さぁて、そろそろ決着を付けましょうか」
「これは少し予想外ですね」
「あら?分からなかった?さっきまで戦ってたのは俺の土人形だよ」
「!?」
「ちなみにお前らが捕まえた魔王が本当は俺だったんだよねぇ。流石の俺にも魔力が無限なんてないから」
とタクヤはカルエの方を向いた。
「なるほど。ならばもう一度倒しましょうか」
『水牢』
これは先程タクヤを閉じ込めた技だ。しかし技が発動しない。
「クッ、何故発動しない!」
「一つ言い忘れてたけどお前に送られていた魔王軍の魔力はもう使えないよ」
「まさか先程まで…」
「その通り。いやまさかあんなにも魔王軍を捕まえていたなんて正直びっくりしたよ」
タクヤは今までの時間、捕まった魔王軍を開放していたのだ。ポピィンにばけてたのも驚きだが、この時の為に動いていたなら、一体タクヤはどこまで考えて動いているのだろうかと思うと、少し怖くなった。
「タクヤ…魔王軍は…?」
「心配すんなポピィン。もちろん全員無事だよ」
「さぁて。どうしますサタディ王子?」
「…まだ俺にはこれがある」
そう言ってサタディは小さな石を取り出した。
「なるほど…魔法石か」
魔法石。それは一度だけ魔力を肩代わりしてくれる魔道具だ。しかしそれはめったに手に入らず、作ることも出来ないので凄く貴重なものだ。
『圧縮火炎』
「なるほどね、ここで大技ですか。じゃあ俺もそろそろ終わらせますか」
『超配合技:五属性圧縮』
「それは魔道具がなければいけないんじゃないのか?」
そう言った瞬間、タクヤは少し焦った。まさか魔道具が無いのか?
「魔道具までとったのか」
「フフッ、もちろん。この勝負僕の勝ちですね」
やばい、今はポピィンを治療していて助けにいけない。もちろんポピィンも動けない。エルゼも私に魔力をわけているので動けない。唯一カルエが動けるが、もう間に合わないだろう。やはりここはタクヤを信じるしか…
「これで終わりだー!」
『テレポート』
「!?」
「じゃ、ばいばい」
タクヤがサタディの後ろにテレポートしそのまま五属性圧縮をうった。そしてサタディは吹っ飛んだ。
「よし、これで終わりか」




