カイルズ・エルゼ
「あら、もう気が付いてしまいましたか。少しは楽しみたかったのですか…」
「声を聴いたら一発で分かるだろ」
タクヤは一体何の話をしているのだろう?カルエの方を見ても全く分からない顔をしていた。
「後の二人が困っていますけど説明しなくてもいいのですか?」
「ケッどう説明すればいいんだよ。俺をこの世界に連れてきた人とでも言えばいいのか?」
この世界に連れてきた?タクヤは一体何を言っているのだ?
「まさかお前が出てくるのは予想外だったけどな」
「それは良かったですわ」
と言って笑った。もうそろそろ頭が思考を停止しようとした時、
「失礼ですがあなのお名前は?」
「失礼、自己紹介がまだでしたね。わたくしはエルゼ。カイルズ・エルゼと申しますわ」
「まぁお前らにはいつかじっくり説明してあげるよ」
タクヤが笑いかけてきた。そしてエルゼの方を向いて、
「なぁここってサタディや他の人って来るのか?」
「いいえ全く来ませんわよ」
「なら良いか」
と言ってタクヤは片手を横に出し、『解除』と言った。すると突如何もなかった空間からポピィンが出て来た。
「遅すぎるぞタクヤ!ずっと黙っとくのもつらいんだからな!!」
「えっ!ポピィン!?」
いよいよ頭が爆発しそうになった。すると、
「ポピィンはずっとタクヤのスキルで姿を消していたのよ」
「えっ!でもスキルを使えば警報がなるんじゃ…」
「警報は魔力が少しでも変化するとなるの。でもタクヤの場合はいくらスキルを使っても全く魔力が減らないの。だからスキルを使っても警報が鳴らないって訳よ」
薄々思っていたが、やはりタクヤは魔力が無限にあるのだろう。でも一体何故?
「じゃあとりあえずポピィンをよろしくな」
「えぇ分かりました」
そう言ってタクヤは部屋を出た。そしてカルエもタクヤを追いかけていった。
「あの人と一緒にいると大変でしょう?」
「いえ、もう慣れました。それよりあなたは一体…」
「それはタクヤの口から聞く方がいいと思うわ」
「はい、分かりました。じゃあねポピィンちゃん」
「うん。頑張ってねマミィ」
そう言って私も部屋を出た。
そしてその晩
「あなたは一体何者?この世界に連れてこられたって何?それにエルゼはどうゆう関係なの!?」
「もぉ~しつこいぞマミィ。今夜はゆっくり寝かせてくれ」
「いいえ!教えてくれるまで寝かせません!!」
今、私はタクヤの部屋にいる。そしてタクヤに今日あの部屋で溜まった疑問をぶつけていた。今日の私はもう一歩も引かない。絶対全部に聞いてやるんだ!!と意気込んだ時、
「あぁ~もう分かったよ。話せばいいんだろ話せば」
ついにタクヤがおれ、話を聞くことが出来た。しかし、その内容はとても信じがたく奇妙な話だった。




