十人の黒い騎士
私達は下の階に下りるとそこには悲惨な光景が広がっていた。魔王軍はあちこちに倒れている。そしてまた一人倒れた。中央には十人の黒い騎士が立っていた。私は言葉を失った。あんなに強かった奴が十体もいるなんて…するとタクヤによって辞めされれた領主達が出てきた。
「ようやく出てきたか。人類の裏切りもの!」
「いやいやあんたら来るの遅すぎだし」
「何を言って…」
そう言った瞬間領主達は眠ってしまった。
「流石、カルエの魔道具」
「照れるじゃない」
カルエの魔道具。てことは…
「えっ!?一体何が起こったんだ!!」
ポピィンが驚いた表情で聞いてきた。
「マミィは分かったのか?」
「カルエの魔道具を使って眠らした…?」
「その通り!」
「カルエって魔道具作れるのか!?」
「あらまだ言ってなかったかしら?」
「ちょっと皆話してる暇無いわよ!黒い騎士達が来るわよ」
「あぁ、しかも魔道具が一切効かない奴らがな」
流石タクヤもう弱点を見つけてしまった。
「おい、ポピィン!しばらく準備するから全員の足止めできるか?」
「これでも私は魔王よ!こいつらなんてすぐ倒しちゃうわよ」
ポピィンは剣を取り出し黒い騎士に斬りかかった。
「じゃあ、マミィとカルエは負傷者を安全な場所に移動な」
「了解」
「えぇ、分かったわ」
そしてタクヤは目をつむり集中していた。
「クッ!」
何なんだよこいつら。魔王軍にこんな強い奴はいなかったはず…しかも私の攻撃が一切効いていない。やばいこのままじゃやられるぞ。ここはタクヤを信じて足止めに専念すべきか…いや、これは魔王である私が解決しなければ。タクヤは十分に頑張ってくれたんだ。だから私も…
『抑制解除』
これは自分のステータスが大幅に上がるスキルだ。しかし一定時間経つとしばらく動けなくなる。だから速攻で畳み掛ける。
『最凶斬撃』
一見ただの横切りだが、触れた者は吹っ飛び、斬られたことも知らずに死んでいく。しかし、黒い騎士達は斬撃を飛ばし、威力を弱めた。結果鎧に少し傷が入っただけである。その後も何度か大きい技をうったがことごとく威力を弱められたが、少しずつ傷を与えることが出来た。しかしもう少しで、効果が終わって動けなくなる。だから私は覚悟を決め、
『狂速狂剣』
これは私の速度を爆発的にあげ、さらに全魔力を剣に込めて目に見えない速さて切り刻む。しかしこれを使うと全身の骨が折れひどい後遺症が残る。いわば自爆技だ。しかしそうでもしてでも私が頑張らないと…しかし私が踏み出そうとした瞬間。一瞬にして、タクヤがいる所に移動してしまった。
「えっ?私さっきまで戦っていたのに…」
体を動かそうとしたが全く動かなかった。しかしあの技を使ったのだから、激しい痛みなどが来るはずなのに…
「全く無茶しやがって。カルエのスキルキャンセルの魔道具がなかったら死んでたぞ!」
そう言ってタクヤは近くの壁に私を運び、
「やっと強い相手と戦えるぜ」
と満面の笑みで言った。




