新たな○○
私は何が起こったのかさっぱりわからず、その場に呆然と立ちつくしていた。一体何がどうなったと言うのだ。そんな困り果てた私を見たカルエは、
「あら、説明してあげましょうか?」
「お願いします」
「フフッ。ほんとに可愛いらしいわね。いいわ説明してあげしょう。まずタクヤは先程の戦闘中黒い騎士が何故操られているかを探してましたの」
「えっ!?」
「そして、特殊な魔道具によって操られていると知ったタクヤは、私にある物を作らしたのですわ」
「ある物?」
「えぇ、それは死んだ生物を塵に変えてしまう魔道具よ」
「えっ?じゃああの黒い騎士は死んでいたの?」
「あら察しが良いわね。そうよあの黒い騎士はもう死んでいたの。そこに体を無理やり動かす魔道具を取り付けて操っていたの」
「えっでもその魔道具を取ればいいだけじゃ…」
「実はそういかないのよ。何故なら何もせず取ってしまったら、最後の命令を絶対に行おうとするからよ。そこで私が塵にする魔道具を作って、それをタクヤが使い、黒い騎士が塵になって消えたのよ」
タクヤは始めから操られていると気づいていたことに驚きを覚えた。さらにその解決方法をすぐに導いてしまったのだ。そう考えるとタクヤがカルエを仲間にしたのもこの為なのだろうか?
「よう無事だったか」
「あぁ、兄ちゃんのお陰でな。それにしても強いなぁ。兄ちゃん一体何もんだ?」
「俺はただの冒険者だよ。それとコレあげるよ」
タクヤは何やら紙の束を渡していた。
「あっ?なんやこれ…これは!?」
「あの領主の不正の証拠だ。これで領主がいなくなる。だから代わりにあんたがなれ」
「えっ?わしがか?」
「あぁ。唯一あんたが街のこと考えている。最初合ったときも言ってただろ?」
「兄ちゃん…ありがとな!ほんまにありがと!」
そしてその場で泣き崩れた。
「おーいマミィ行くぞー」
「ちょっと待ってよー!」
私達は今、マイルの門にいた。
「さぁタクヤ。今夜はしっかり楽しみましょうね」
「いや、楽しまねえよ!?」
「照れてるタクヤはやっぱり可愛らしいわ」
「ちょっと、私の事忘れないでくださいよ」
「あぁ忘れてないよ」
マイルで新しくカルエが仲間になった。ちなみに私が仲間にしようとしてた、モンスターの塔を破壊した人物はタクヤだったらしい。そして私達は新たな場所に向かって旅をしている。
「ねぇタクヤ。次はどこに行くの?」
「う~んと…魔王の城かな」
「「えっ!?」」
私とカルエは同時に驚いた。




