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さいころーる!  作者: 明昌
第一章 プレイヤー
5/16

さいころ


 夢を見ていた。


 朝になったら忘れてしまう程度の他愛ない夢。


 家族だったり近所の人だったり見覚えのない人だったり、色々な人が出てきてはなんか話したり遊んだり。


 良い夢だったり悪い夢だったり意味の判らない夢だったり、色々。


 

 ………………


 …………


 ……




 その何かしらが、唐突に終わった。



 気が付くと、わたしは立っていた。



 んー?


 なんか見覚えがあるような……?



 そこは、色が付いてるんだか付いてないんだか。


 ふわふわな感じだけがする、変な場所。


 そこにわたしは立っている。



 ?


 目の前に、いつからあったのか、白い箱がある。


 わたしの胸のあたりまでの大きさの、真四角の箱。


 わたしに見えるのは、その箱の前面と上面。



 前面には、斜めに、黒い窪みが2つ。

 上面には、真ん中に、赤い窪みが1つ。



 さいころだよねこれ。

 さいころだ。


 んー? さいころ? さいころなんて見たことあるっけ?

 なんでこれがさいころだと判るのか?


 見たことない? ないと思う? ないかも? ほんと?


 いやいやちょっと待って?

 なんか見たことあるよ?

 と言うか、この夢みたことある!


 唐突に、わたしは、それを思い出す。何故かはっきりと。


 4回みたよこの夢。この場所。このさいころ。


 確か最初、まだぎりぎり立てもしなかったときに1回。

 その時は5の目が出たよ。間違いなく。


 2回目が1、3回目が3、4回目も3が出た。

 いつのことかも判らないのに、何故かそのことをはっきりと覚えてる。



 で、今から何しなくちゃいけないかも判っている。


 これを振るのね。5回目なんだ、今が。



 2歩歩いて、さいころの前に立つ。


 さいころを持ち上げる。全く重みが感じられないけど、持った感触は何故かある。



 そしてわたしは、さいころを、おもいっきり投げた。



 さいころは、山なりに飛んで行った。


 そして、何もないところで何故か跳ね返った。

 跳ね返ったときの音はしなかった。


 跳ね返って斜め右に飛んださいころは、ぼうん、と音を立ててワンバウンドした後、また何もないところで跳ね返ってた。

 勢いがなくなって、わたしの前にゆっくりと転がってくる。

 ころころころころと、音を立てて。

 なんか音に統一性なくない? と心の中で突っ込んだ。


 わたしに届く前に、さいころは止まった。



 4の目が出た。



 やった!



 私は何故か、嬉しかった。

 その場でぴょこぴょこ飛び跳ねていると、始まった時と同じように、唐突に夢は終わった。



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