表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界魔王になるってよ  作者: 白河 響樹
一章。ハーフエルフと女騎士と
9/35

8.出会いと再会。ネオ青森弁と尻尾フリフリ編

それからすぐに盗賊に案内してもらい、女騎士とハーフエルフが乗ったまま引きこもってる馬車へと向かった。盗賊団リーダーの話の通りのようで、道中に見かけた商人たちは下町を支えている儲けより周りの人の為みたいな人達が多いように感じた。しかし、それはベルクの判断であり実際にそうなのかどうかは、なんとも言えないところだ。


ベルクが馬車に乗り込むと、荷物の山の中で体育座りしている女性と、キョロキョロしている少女がいて、少女の方と目があった。少女のほうがハーフエルフのようだ。暗がりなので正しく髪の色とかは判断しきれない。


「滅せよ月夜!」

「!? あ、滅せよ月夜 」


物騒なわけのわからない言葉だな、とベルクは思いかけたが、イントネーションでピンと来た。これはたしか去年ぐらいにネットやアニメで流行ったネオ青森弁だ。ちなみに、滅せよ月夜は「こんにちは」である。


「今宵、盟友たる君主に貸し付く者が理に背き、導きの主を求め遥か彼方へと誘う! 防げよ!」

「えっと……今夜、そこにいる友達の女騎士が、主君を探しに一人で行こうとしている。危ないから止めて、かな?」


少女が嬉しそうに首を二度縦に振る。肯定ということだろう。ベルクにしてみれば、簡単な部類の方言で助かったが、盗賊連中には全く伝わらないだろう。そりゃ不思議がられるハズだ。


「ということらしいけど、友達も心配しているし思い直したら?」


女性の方に声掛け、そのまま肩をぽんっと触ろうとしたら、ベルクの頭にピリピリと電流が走っている感覚になった。


(これは、知ってる人ってこと?)


「………この声、この匂いこの触られ心地……かっか、ベルク閣下! 御無事でしたか怪我はございませんか相変わらずお可愛らしく!! ずっと帰ってこないから不肖アンナマリー探しに参りました」


声を聞き、感動でむせび泣く顔を見て、ベルクとしての記憶が呼び覚まされた。

アンナは本名アンナマリー=フォン=アインツベルンで、武勲で名を馳せた人狼種の大貴族の一人娘であり、ベルクの右腕的存在だ。少々メンタルが弱いのと、胸が豊かすぎるため剣技に影響が出てるのが玉に瑕だ。

そして、ベルクは先々代魔王の血を継ぎつつ四代目勇者の生まれ変わりだということも思い出した。

アンナに人材集めを任せて、中継拠点として使えそうなここを目指していたようだ。


そこまで記憶がまとまった頃には、アンナが引き千切れんばかりの勢いで尻尾を振って待機していた。褒めて褒めてーのポーズだ。


「うん、僕は無事だよ。アンナこそ無事かな? 良かったよ」


ベルクはそう言いながらアンナの頭を撫でてやる。尻尾が千切れそうなくらい振りまくられているのを見て懐かしさが出てきた。


「勝者と敗者に祝福を(おめでとうございます)」

「そういえば、アンナの友達と言っていたこの子は?」

「新しい同志です! 閣下のマシンを召喚することもできるので連れてきました!」



マシン召喚。この言葉を聞いて、ベルクはこの戦いの勝利を確信した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ