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異世界魔王になるってよ  作者: 白河 響樹
一章。ハーフエルフと女騎士と
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7.盗賊団との出会い

あっさりと捕まってしまったベルクは縄で縛られているが、完全に動けないというわけではない。むしろ。縄自体すごくゆるい。


「悪いな、一応縛られていてくれ」


ベルクを縛った盗賊に小声で言われ、状況を見守ることにした。見える範囲では五人ほどだが、もっといるかもしれない。多勢に無勢だしそもそも自分に出来ることがわかってない以上、下手に動けない。ここは素直に答えておこう。


「俺はこの盗賊団『夜明けの太陽』のリーダーだ。聞いたことくらいあるだろう? さて、お前は何モンだ? なんでこんなとこにいるんだ?」

「ベルクといいます。連れてこられたんだ。ここにむせるのがあるからって」

「むせるの? 何言ってんだ?」


最もだ。しかし、ベルクとしてはこれ以上言えることはない。


「まぁいい。ベルクって言ったか? ヌシ見て奥に逃げ込んだんだろう? 俺達もだ。それで、やつを倒す知恵は出せるか?」


ベルクは一考する。恐らくコハルの言っていた勝てる可能性はベルクを逃がすための嘘なのだろう

。その証拠にどこにもロボットは見当たらない。

元々頭脳労働していた身としては、知恵を出せないと言うのはプライドに関わる。


「戦力次第……です。ちなみにヌシを倒すメリットは?」

「盗賊団とついでに行商も安全に連れて外に出れる」


詳しく聞くと、どうやら義賊的な行為もしていてその一環で今は行商団の護衛をしているらしい。盗賊団自体の戦闘要因は5人だけ。ヌシがいない間に抜けるには行商の馬車や荷物の都合でできず、分割して外に出るには戦力不足なようだ。


「どうだ?」

「うーん。どうしても戦力が足りないですね。荷物や馬車は置いていけないんです?」

「そんなことしたらこの行商団は路頭に迷うじゃねーか。正規ルートにもギルドルートにも頼めないってことは、ぎりぎりの生活してるってことだ」

「じゃあせめて戦力。戦力はありませんか?」


盗賊団リーダーは何かを考えている素振りをみせて、ベルクに説明する。


「ないこともないが、お前説得しろよ? そいつは女騎士アンナ。帝国で騎兵隊に参加してるらしいから腕はあるんだろう。森で見かけて腹すかしてる所、飯分けてやったらプライド傷ついたとかいって馬車に引きこもってる」

「……豆腐メンタルな」

「言ってやるな。後もう一人、同じ馬車で魔法使いが休んでる。こいつはいつの間にか紛れ込んでたんだが、攻撃魔法は使えると言ってたな」

「なんでそんな人を戦力にカウントしなかったんです?」

「何考えてるんだかわかんなくてよ。ハーフエルフだし」


この二人を含めれば何とかなるかもしれない。ひとまず細かい疑問は丸投げしてベルクは話をしてみることにした。ハーフエルフに女騎士、すごくファンタジー感溢れる単語だしちょっと気分が高揚しているのが隠しきれない。


ベルクの戦いは始まった。

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