6.頼轟VSヌシ
コハルは頼轟《 らいごう》を大きく旋回させながら、ヌシに近づかせる。ヌシの視界に入るより、生存率が上がるだろうという判断からだ。しかし、それも時間の問題。ここから出るには倒す必要があるし、そもそもコハルはヌシを置くに行かせないため、囮になる必要もある。
(残弾は……腕部マシンガンはまだまだいっぱい。脚部ミサイルは…あと一発。肩の炸裂弾は二発。あとはワイヤーアンカーとチェーンソーブレードか。どこまで持つかなー)
冷静に戦力分析するが、まず間違いなく火力が足りない。頼轟自体、再起動しただけで万全ですらない。不安をかき消すように、コハルはヌシの右目にミサイルを、右腹部に炸裂弾を撃ち込んだ。
「まだまだぁ! 撃て撃て撃て撃てーー! ファイアファイアー!!」
頼轟をハチの字走行させながら、腕部マシンガンを撃ち続ける。
がしかし、ヌシも黙って攻撃されているわけではない。ミサイル、炸裂弾の爆炎の中からガトリングの嵐が吹き荒れる。
「流石に厳しい! ……なぁー!」
ガトリングによって、頼轟の左腕右脚と次々と壊れてゆく。それでもコハルは諦めず、ワイヤーアンカーをヌシの角に向け撃ち出し、それを使い一気に近づく。接近しきればガトリングは撃てないはずだ。
「くらえー!!」
チェーンソーブレードを展開し、ぶつかるように体当たりしてヌシの右目を貫く。
「ここまでやればちょっとは逃げる時間出来たでしょ……ちゃんと逃げてくれればいいんだけど」
一方、ベルクは奥のフロアにいた盗賊団に捕まっていた。