15.はじめての夜戦2
「ベルクの奴、また独断専行して…」
アキトが文句を言いながら白夜を操縦し、陣形を整え直す。迷彩を攻略するには光が足りないのだ。
インパルスは強襲用突撃機であり、騎士のような姿形でマントを翻す姿が非常に格好いい。
対して白夜は言うならば侍だ。白兵戦特化であり、パワーもあるがどちらかといえば技巧派の一品だ。
どちらも元々は同一世代の量産機である。
いる位置がわからないから攻めきれないが、アキトは戦場における殺気を察知して防御に徹する。
インパルスの大槍は当たれば強いが、所詮点の攻撃だ。点と線両方可能な白夜の刀と剣で凌げない道理はない。
右
左
左上
右斜め後ろ
正面etc
次々と攻撃され続けるが、その度に回避と切り払いを続ける。
後ろからの殺気を感じ取る。これは捨て身の突撃だ。武器を仕舞いながら後ろに向き直し、大槍を捉え、フルパワーで掴み受け止めた。
「攻めてくる位置がわかればこれくらいやれるさ」
チラリと部下たちの方をみる。向こうもなんとか連携して対処しているようだ。少なくてもアキトが心配する必要はない。
「んじゃ、せーのっ!」
敵の方に向き直し、横への力を加えて大槍ごと振るう。白夜がオーバーヒートしそうではあるが、相手が先手をとって対応していない限りぎりぎり行ける。勢いがついたところで、つかむのを止め、殴る。インパルスの離した大槍を拾い突き続ける。メインカメラを破壊すれば後はなんとでもなる。
しかし、普通ならここまで殴ることに専念出来ることはない。ウィザード部隊の魔法爆撃により近づくことを躊躇わせる状況を作り続けているのだ。
向こうにもウィザード部隊がいるが、数の面で明らかに勝っている。この戦い方を維持するくらいは問題ない。
ウィザード部隊の方をみると、竜巻や雷が発生していた。これではまともに動けないだろう。
「まずは一騎。早くここを終わらせて合流するぞ」
量産機同士の対決は、勝利の方向で進んでいる。




