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ジト目な狐は魔法使い。  作者: 大竹近衛門
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第21話 迷宮での再会



 冒険者と魔物の戦いを見物して一分少々、冒険者の勝ちで戦いは終わった。

 危なげない戦いだった。

 私にはよく分からないが、こういったものを連携がとれていると言うのかな?


 戦いを終えた彼らは戦利品の魔石を回収している。

 そろそろ帰ろうか、それとも久しぶりに会って行くかで迷っていると…。


「そこに誰か居るのか?」


 突然、茶髪の男がそう声を発した。


「おいライアン。誰か居るのか?」


「何となくだが誰かに見られてる気がする。二人とも警戒してくれ」


「ヤレヤレね。虫との戦闘が終わったばかりじゃないの」


 茶髪の男ライアンの声に従って、残りの二人が辺りを警戒しだす。


(それにしても、私ってば前回もライアンに気配を気取られたよな…。今回は気を緩めたつもりは無いんだけどな……)


 最近では隠れるのはそれなりに自信を持ち始めたのに悟られてしまった。

 まったくもって遺憾である。

 …っと、そんな事考えてる場合ではなかったな。

 今なお三人は警戒状態だ。

 出ていくのが遅れると悪印象になりかねない。


(…隠れて見物しておいて今さらだけどな)


 私はゆっくりと歩いて彼らの前に出る。


「って、またお前かよ!」


 ライアンのツッコミ入りました〜。


「・・・ん。久しぶり」


 私は片手を上げて軽く挨拶をする。


「あ〜、うん、久しぶりだな」


 ライアンは脱力した感じで挨拶を返してきた。


「おいライアン、知り合いか?」


 五分刈りの男が訝しげにこちらを見てくる。


「ああ、そうだ。一応知り合いだよ。大丈夫、悪い奴じゃない…と、思う」


 おいおい、お前が断言しないから他の二人が警戒を解かないじゃないかよ。


「まぁいい。とりあえず話はセーフ・エリアに着いてからにするぞ」


 五分刈りの言葉を合図に、全員が移動を開始する。


 『セーフ・エリア』と言うのは、魔物達が滅多に入ってこないエリアの事だ。

 この迷宮にはそういった場所が点在しており、迷宮に潜る冒険者たちはその場所を休憩もしくはキャンプ場所として利用している。


 四人で襲いかかってくる虫達を斃しながら進み、無事にセーフ・エリアに到着した。

 それぞれが簡単に休憩場所を整え、腰を下ろして一息つく。


 そんな中で、ライアンが一番最初に口を開いた。


「………なぁ、お前って『魔導師』だよな?」


 何処となく呆れた様子でそんな事を聞いてきた。


「・・・何が言いたいの?」


「いや、だってお前の動きとか明らかに魔導師の動きじゃ無いだろ。さっきの戦闘だって、どっちかと言やぁ軽戦士の動きだったじゃねーか」


「・・・私は『魔導師』だよ。一応」


「い、一応ってお前…」


「どっちでもいいじゃねーかライアンよ。細けー事気にすんな」


 五分刈り男が笑いながら呆れ果てるライアンの背中をバシバシと叩く。

 …ライアンが痛そうに顔を顰めている。


「それにしてもホント凄かったよね〜。流石にソロで活動しているだけはあるわ。うん」


 エルフのねーちゃんは感心したようにうなずいている。


「・・・とりあえず名乗っておく。フェムティスです」


「おぉっと、そういやお互い名乗って無かったな。俺はマウロだ。よろしくな」


 五分刈り男改めマウロ。


「あたしはアイーダよ。よろしくね」


 エルフのねーちゃんはアイーダっと。


「それで?ライアンとフェムティスはどういう仲なんだ?おじさんは凄く気になります」


「あ!あたしも気になる。教えて教えて」


 マウロとアイーダが野次馬根性丸出しでライアンに詰め寄る。


「あ、い、いや…その。ちょっと前に顔を合わせた程度だって」


「・・・うん。大体合ってる」


「…フム。別段からかえる様な仲では無いのは理解した」


「なんだ〜つまらないな〜もう」


 私たち二人の表情にお目当ての変化が無いのを見て、先程まで目を輝かせていた二人は心底残念そうに溜め息をついた。

 そんな中、ライアンはほっとした顔だった。


「・・・休憩がてら色々な情報を教えてほしい」


 私がそう切り出すとマウロの眼が鋭くなり、真剣な表情に変わった。


「ほほう、情報が欲しいとな。だが情報はタダじゃあやれないって事くらいは知っているのだろ」


 彼と同様にアイーダも真剣な表情に変わる。

 ただ、ライアンだけは若干困ったような顔をしている。

 そんなライアンを他の二人が牽制するように軽く目配せをしていた。


 なるほど、ライアンの性格ではホイホイと教えてしまいかねないのだろうな。

 そんなライアンを二人が抑えている訳だ。

 これは一筋縄ではいかないかな。


「・・・ディノレクトレックスの肉でも一緒に食べながら話を聞くというのはどうですか?」

「さあお嬢さん!なんでも聞いてくれたまえ!」

「お姉さんが知っている事なら何でも教えてあげるわよ!」


 …あっさりと陥落した。ライアンも隣でずっこけてる。

 やはり強い魔獣の肉はなかなかの価値が有るようだ。


 私は〈アイテム・ボックス〉から必要な物を取り出し、慣れた手つきでてきぱきと準備する。

 さ〜て、焼肉パーティーの開始です。

 そのついでに久々の情報収集といきますかね。

 



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