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第七話 ユースティアとの出会い

目を開くとそこには見慣れた天井が広がっていた。

二度目の睡眠を欲する体に鞭を打ち起き上がる。

今、目を閉じるだけでも思い出せる。

九年前、村を滅ぼされて吸血鬼フォルティス・アクィストとに目の前でルルさんを殺され、吸血鬼グレーテに家族を殺されたあの光景。

目を開きクローゼットから一着の服を取り出し袖を通す。

あの日アゼルと共にやってきた大勢の騎士達や、セレナさんと同じ騎士服だ。

そういえば、今日はアゼルに呼ばれてるんだった。

そのまま出て行こうとして、顔を洗っていないことに気づいて空の桶に魔法で水を注いで顔を洗う。

そういえば寝癖も直してないな。

鏡の前に立ち、首から垂れている銀色(の首飾りとそろって銀色・・・に光る髪のはね具合を確認する。

この九年でわかったことだが、魔法を使うとき俺の髪は銀色に光り輝くらしい。

九年前ルルさんが驚くように見ていたのはこれだろうか。

寝癖の具合が大したことないのを確認し、そのまま部屋を出た。



トントン

「誰だ」

「リクだ。来たぞアゼル」

「入れ」

重厚な両開きの扉に力を込め、押し開く。

すると、奥の机にひじを突いて書類を見ているアゼルがいた。

「よく来たなリク。昨日はよく眠れたか?」

「いつもとかわらねぇよ。早く本題をはなせ」

アゼルはため息をつき、手元の書類を机に置いた。

「お前に仕事だ。明日から西の森の調査に向かえだとさ」

「西の森?そんなとこに何があるんだ?」

「何かは知らんが、どうも森に住むエルフからの要請らしい。とりあえず、集落までの地図はここにあるからこれを頼りにまずは集落に向かってくれとのことだ」

机の上の書類を手にとり目を通す。

「エルフ?エルフって魔術のエキスパートだろ?何かあっても自分達で何とか出来ないのか?」

「さあな、詳しいところは俺も知らん。向こうで聞いてくれ」

使えないなこいつ。

「なるほど。わかったすぐ準備していってくる」

書類を持ったままきびすを返し、扉に向かう。

「あ、そうだリク」

「何だよ、なんか伝え忘れたか?」

「目上の人間には敬語を使え」

「了解しました。アゼル=グラシアス殿以後気をつけます」

敬礼してみせると、アゼルはため息をつきながら早く実地へ向かうように言ってきた。

敬語を使えっていうから使ったのに。



準備といってもする事は少ない。

目的地は今居るここ、王都ゼステリアからあまり離れていないので自前の荷物は、騎士隊で配給されているブロードソードと幾分かの食糧くらいだ。

早めに準備を済ませた俺は、街にでて西のゲートへと歩いていた。

「おい!リク!どうだ一杯」

酒場から酔っぱらいの声がする。

「仕事中だアホ!」

大声で答えると、酔っぱらいはアホとは何だー!と言いながら酒をあおっている。

別に誘いたかったわけでもなく、ただからみたかっただけなのだろう。

視線を前に戻すと、フード付きの外套を目深にかぶった人物が目に付いた。

その人物は、何かアミュレットのような物をギュッと握りしめながら下を向いて歩いていた。

あんなにフードを深く被って下向いてたら転ぶぞ

「あ!」

危ないなーと思ってその人物を見ていると、前から来た男にすれ違いざまにアミュレットが奪われた。

その人物がアミュレットを奪われた瞬間に駆け出し、腰のブロードソードを外してその人物に投げる。

「わるい!これ持っててくれ!」

「え?わ、わ!」

わたわたとしているが何とかキャッチできたようだ。

アミュレットを奪って逃げた男は通りをまっすぐと走っていて、このままだと人ごみに紛れて見失ってしまいそうだ。

俺は狭い路地裏に入り、壁を蹴って屋根の上に登る。

「さあて、どこにいるかな」

いた、バカ正直にさっきの通りをまっすぐ進んでいる。

俺は屋根を飛び移りながら奴を追い、手頃な位置で奴に飛びかかった。

「うげふっ!」

盗人は実に情けない呻き声を上げて気絶してしまった。

周囲の民衆がいぶかしげにこちらを見ていたので、俺は巡回していた騎士に後を任せてさっきの場所に向かった。

まだいてくれたらいいが。



「ほらよ、取り返してきたぞ」

「あ、ありがとうございます」

盗人からとりかえしたアミュレットを渡すと、その人物はフードを外した。

フードを外すと目に飛び込んできたのは、まばゆいばかりに輝く長いプラチナブロンドの髪と俺と同世代くらいの少女の笑顔だった。

「とても大切な物だったので助かりました!」

「そうかい、それはよかったな」

ここまで嬉しそうな笑顔で感謝されると悪い気はしないが、仕事があったことを思い出し、少女に仕事があることを告げて去ろうとすると服の裾を捕まれた。

「………どうした?何かあるのか?」

「あ、あの私はユースティアといいます。あなたは?」

「俺はリク、騎士をやってる」

「騎士………ですか?」

どうしたのだろうか、俺が騎士だと伝えた途端いきなり思案顔になった。

「あの、あなたは私のことを知ってますか?」

何言ってるんだこいつ

「知らない。今初めて名前を聞いたぐらいかな」

「なら、お願いがあるんですが」

「お願い?」

なんだろうか、仕事が控えてるからあまり大きな事はかなえてやれないが…

「あの………、この街を出てどこかに行くなら私を連れて行ってくれませんか?」



思いつきで書いてるから、書くのムズい…


5/26 ユースティアの髪の色を変更しました。

特に深い意味はありません

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