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第零の騎士 プロローグ

るーたったー るるーたったー

   るーたったー るるーたったー


気付けば回りは赤塗れ 貴方もこの場には居ない

兎は笑う夢を見て 死すらも与えはしない


るーたったー るるーたったー

   るーたったー るるーたったー


生かすことは苦痛となり 死ぬことは快楽となる

赤い瞳おかしな魔女 可愛い騎士は朽ち果て





 歌だ、いったい何の歌なのか俺には分からない。

 けれども、何故だかこの歌は俺に最後を告げる賛美歌のような気がする。

 『赤』が俺を見る、笑いながら。何でかは知らないけど俺は『赤』が恐いらしい。

 でも同時に、その恐さと同じくらい『赤』が憎い。今すぐ殺したくなるほど。


 けれど、いったい『赤』が何なのか俺には分からない。

 それなのに何故、恐いと思うのだろう。どうして殺したいほど憎いのだと分かる?


 『赤』が俺の頬に触れた、とても冷たい感触。

 もしかしたら、この『赤』は生きていないのかもしれない。

 そう思わせるほど『赤』は冷たかった。


「可哀そうに……」


 いったい何が可哀そうなんだろう、俺のことなのだろうか。


「誰も守れない、ただ足掻くだけで何にもできない」


 守れない、俺は誰も守れない。


「でも、貴方には資質がある。全てを滅ぼし、何もかもを粉砕する……すばらしき王になれる」


 すると『赤』は、ゆっくりと立ち上がった。

 そして、とても不思議な期待と絶望が混じったような笑みでこう言った。





「また会いましょう、哀れな騎士」

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