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Verkleiden wir sich!  作者: meiro
11/29

Kapitel 3 “Emil” Szene 3

 好感度を上げてはふざけて選択肢を間違え、好感度は常にしかめっ面のマーク。

 数十回のリセットを繰り返し、とうとうニューマンルートへ突入する。

 テーブルの上に散在したお菓子の中から、チョコレートビスケットの包みを取り出し、ハムスターの様にポリポリと小刻みに食べている。

 ゲームを始めてから、既に三時間が経過していた。

(なんか飽きちゃったなー、人生無駄にしてるよなー、こんなの別に楽しくないのに……あたしってほんとバカ、もうしにそう)

 電源を切ると、静寂がエミールを包み込む。

 長時間のゲームの疲れからか、眼の奥に海水が染み入るような痛みを感じ、ベッドに飛び込む。

 一階の仕事場には、アロイスとアマデオと顧客達が、真剣な面持ちで交渉、時に談笑。

 金属の加工音がけたたましく響く事が日常。

 ガテン系の仕事場なら当たり前の緊迫感は、エミールの登場で一変する。

 二人の兄は、親と子程の年齢が離れた弟を溺愛している。

 下半身不随の父親は年金生活で入院中。

 愛情だけは人一倍注いであげたいとの使命感が二人を突き動かす。

 毎日一緒にお風呂に入って、川の字で寝て、家族のぬくもりを三人で確かめ合おう。

 痛いほど届いている。

 不登校な自分がこれを契機に変われるなら、どれだけ喜んでくれるだろう。 

 ビスケットの袋を丸め、ゴミ箱に投げ入れる。

 気体の圧迫感から抜け出そう。

 お気に入りのジャケットを身に纏った直後だった。

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