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遥か昔に封印されし最強術師は頭だけ!?お姉ちゃんを名乗りたい首だけ術師と魔導学園生活の始まりです!  作者: はーにゃ


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第4話 セレスティアル神聖国 聖都

「おお!!弟よ!!ついぞ3等級開拓者とやらまで上がってしまったなぁ!!」


そうやかましく喋って来るのは、この頭だけのイザナミとか言うアホたれ。

何度も旅用の馬車に乗り込んで、至る城壁都市を経由しつつ、実体のない見せかけの体と旅服を作ってまで、俺と共に数日かけながらセレスティアル神聖国首都――聖都アールマティまでやって来た。



=====



天の使徒より魔の法術、そして死生の法術を与えられし世界大地、オライオン大陸。

広大な大陸では、東西南北と主にこの4つの方角に分割された、各主要国家に分かれている。


――セレスティアル神聖国…。

そんな南に位置するこの主要大国は、世界でも最も魔術技術が発展している魔術国家。

世界の最先端を行く魔術研究、そして魔術師の育成教育に力を注いでいるこの国は、多数の魔導学園が存在する。

そして――セレスティアル魔導学園はその名の通り、聖都アールマティに存在する最もエリートの魔導学園だ。

世界中から魔術師の才能を持った若人わこうどが集う聖地、そう言っても差し支えないだろう。




=====



「うるっさいわぁ!!誰のせいで開拓者等級が上がってしまったと思ってるだボケエ!?」


「ぬう?まぁ良いではないか!これでより重要度の高い任務やら依頼、黄泉の奈落ダンジョンへの探索指令がかかりやすくなったしの!これで妾の身体の手がかりが掴めると言うものよ!それにのお、妾は中々充実した旅だったぞ?むふぅ…!お互い美男美女の姉弟だと思われたしのお!!」


「おい、どっちかと言うと、全員俺が兄だと思っていたみたいだが?頭だけのお姉さまや?」


俺がそう嫌味を含めて言い放ってやると、イザナミはカッ!!と黄金の目をかっぴらいて…ギシギシ!!と空間が引き裂かれる音がする…………うう!?


「…………妾が『お姉ちゃん』じゃあああ!!!【大雷・蒼おほいかづち・あお】おおおお!!!」


「おおおおい!!!バカ垂れがあぁあああ!!?」


ズジャアアアアン!!!と巨大な青い雷閃光が放たれ、聖都の城壁外近くの整備された道を滅茶苦茶に荒らすと言う大惨事を引き起こし、大騒ぎになると言う前途多難なスタートをするのであった…じゃねええから!!


セレスティアル神聖国の聖都は、普通の都民だったり商人ギルドだったりと人の出入りがとにかくに多い。

取り分け聖都の北方面が一番人の群れが多いのでそこに紛れ、取り敢えず聖都アールマティに入る事が出来たのだ。



=====



さて、開拓者等級が上がってしまったのは聖都までの路銀、そして肝心のセレスティアル魔導学園の入学試験費用が必要だった。

そのため黄泉の奈落ダンジョンの『奈落レベル:伍断』――40層以上で大量に集め、隠し持っていた数多の『上位級黄泉石』を開拓者ギルドに提出、売る羽目になってしまった。

『上位級』の黄泉鬼を倒せる者が「5等級開拓者」なのはダメ~!!って事で「3等級開拓者」に上がってしまったのだ。



=====



「はぁ…ったく、こういう事情があった事をお前は忘れたの!?お前の放った術式でこれまでの苦労が台無しになる可能性があったんだぞ!!?幸い見つからずに聖都に入れたから良いもののな!」


現在は東西南北と4地区に分かれた聖都、その北方面の地区にいる。

北区…。

そこは商業地区であり、開拓者ギルドに繁華街、城下町を彷彿とさせる四六時中賑わいのある地区だ。

人の出入りが激しかったのも頷ける。


長い旅で疲れている事もあり、若干値段が高めではあるが落ち着いた雰囲気の飲食店で、一先ずは腹を満たす事にした。

生首様は知らないが。


「む!?ハールトよ!お主こそ妾が『お姉ちゃん』である事を忘れたんか!ハールトが『お兄ちゃん』などと言うから妾は怒っているのだぞ!ごヴぇ!?」


このバカ垂れに状況を説明しても、未だに兄やら姉やらと下らない事に拘っており、肝心の引き起こした災害については無頓着である。

思わずゲンコツを入れたが…俺が怒りたいくらいだ。

そして相変わらず見せかけの体なので、頭をさすろうとした手がスルリとすり抜けていく光景はシュール過ぎる。


「があああ!!このアホンダラがぁああ!!分かった分かった!!もうイザナミが姉だな!?それさえ俺が理解してれば災害を引き起こさないんだな!?」


「災害とはなんじゃい!!お主が自分の事をお兄ちゃんだとアホンダラな事を言うから怒りの雷を放ったんじゃ!!この重要さを理解出来ておらんとはお主の脳みそは空っぽなんかぁ!!?ごヴぇ!?」


かつては史上最強の術師だったのだろうが、今は身体無し頭だけの術師に言われたくはない。

お約束のゲンコツである。


「イザナミのガキンチョみたいな怒りの沸点の低さで、妹イザヨミも反乱を起こしたんだろうなぁああ!!『宵闇の冥界神』様が可哀そうになってきたわ!!何が『黎明の天上神』だ!!逆じゃないのか?アホンダラ!!」


「アホンダラアホンダラとアホンダラしか言えんのかぁ?おお?この脳みそ無し~!!あ~はっはっは~!!ごヴぇ!?」


「イザナミはお姉ちゃんだの、お兄ちゃんだの拘るマジのアホンダラだからアホンダラ言ってんだ!!このアホンダラ!!それにお前もアホンダラ言ったの忘れたのか?この鶏脳めが!!」


ああ言えばこう言うの、とにかく自分の事を棚に上げためげない減らず口の頭だけのお姉さまに俺は疲れてきた。


「あの~?お客様…?あまりお騒がれると他の方にご迷惑なので、お静かにお願いできますでしょうか?」


旅服に身を包んだ俺達が騒いでいるものだから、見かねた店員が注意しにやって来てしまった。


「「……まことに申し訳ございませんでした。」」


そうハモリながら俺とイザナミは謝るのであった。


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