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扉の先が、

「ここは一体どこでしょう?」

仕事から帰宅してアパートの玄関のドアを開けたはずが、ドアの先は何もない平原。

しかもおどろいて手を離してしまったせいなのかアパートの玄関のドアまで消えてしまっている。


平原で川原利奈(かわはらりな)は考える

うーん、まさか玄関を開けた途端に寝てしまったとかなのかな?

『んな訳ないでしょ』

後ろから突っ込みが入り利奈が後ろを振り返ると、そこにはぼんやりと男性の姿が...

眼鏡をかけている利奈はレンズがくもっているのかと外すとぼんやりとしか見えなかった男性がくっきりと見えた。

あれ?

と思いつつ眼鏡を拭きかけるとまたぼんやりとしか見えなくなる。

利奈が眼鏡をつけたり外したりを繰り返していると目の前の男性が声をかけてくる。

『あのー話してもいい?』

利奈は男性の方は見ずに相変わらず眼鏡をつけたり外したりを繰り返しながら

「あっどうぞ」

とだけ答える

それを見た男性は深いため息をひとつついてから話始めた。


『あのね...単刀直入に言っちゃうんだけど、君を間違えてこの世界に送っちゃったんだよね』

その言葉でようやく利奈は男性の方を見る。

眼鏡はかけて視界がぼんやりとしたままだが

「…………は?」

利奈は長い沈黙の後、一言だけ発し首を傾げる。


『うん…だからね。間違えちゃった!ごめんね♡』

目の前の男性は顔の前に手を合わせて明るい声で謝ってきた。

正確にはぼんやりとしか見えてないので、雰囲気でそんな事をしているだろうという推測なのだが


黙っている利奈の顔を恐る恐る見て男性は続ける

『間違えちゃったお詫びに、君にはなんでも出来るチート能力あげるから!この世界で好きに生きて!』

またも明るい声で男性は言う

「好きに生きてと言うことは、私は元の世界には戻れないということですか?」

利奈からやっと出てきた言葉は当然の疑問だった。

『うん…ごめんね』

男性は今度は少し声のトーンを落として謝ってきた。一応反省はしているようだ……

利奈は考える

元の世界に戻れない→仕事に行かなくて良い→嬉しい→衣食住はチート能力がある→ひゃっほう!

うん!大丈夫!


『君の頭の中面白いね』

目の前の男性が言う。

頭の中?まさか!

『うん…私は一応神だから読めるよ。というか君はさっきから丁寧な言葉で話してるけど、本当は違うよね……性格は』

なんということだ!バレている!

『うん…だって神だから』

そうか神様か!ならバレてても仕方ないね!

プライベートは守って下さいね!

『頭の中分かっちゃうからプライベートも何もないけどね』

神様に突っ込みをされてしまった。


「はい!分かりました!」

利奈は手をあげて元気に返事をすると神様が苦笑いしたのがぼんやりと視界でも分かった。


【扉の先が、異世界でも利奈は元気です!】

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