パンジーちゃん
「おー、さむいさむい」
おばあちゃんが庭にでてきて言いました。
「そんなにさむい?」
どこかで声がします。
「おや、だれかな?」
おばあちゃんは、きょろきょろあたりをみまわしました。
「ここ、ここ」
足元で声がします。
黄色い、かわいいパンジーの花の声でした。
「あれまぁ、おどろいた! パンジーがしゃべれるの?」
「うん、私パンジーちゃん。おばあちゃんが元気がないから神様に声をだせるようにしてもらったの」
「そうなの。もう、わたしゃ、さむくてさむくて何もやる気にならないの」
「私も、ほんとはさむいんだよ。でも、自分でおしゃれしてたのしんでるの」
「おしゃれ?」
「そう、この黄色いお化粧、お気に入りよ」
おばあちゃんは、そういえば最近お化粧してなかったなぁ、と思いました。
「私もお化粧してみようかな」
おばあちゃんが、パンジーちゃんに言いました。
「うん、おしゃれしたら、気分もかわるよ!」
おばあちゃんは、早速家に入って、鏡をもってきました。
「おやおや、しわがふえたこと」
つぶやきながら、ファンデーションを塗っていきます。
肌の色が明るくなりました。
ほお紅をつけて、赤い口紅も塗りました。
「あら、いいじゃない」
おばあちゃんは、鏡をのぞいて、ほほえみました。
なんだか背中もしゃんとしました。
「寒い寒いって、家にこもってちゃいけないね」
おばあちゃんは、庭にでて、パンジーちゃんに言います。
「パンジーちゃん、ありがとう! 元気がでたわ。お友だちに会いにでかけてくるよ」
「よかった」
パンジーちゃんは、うふふと笑って、おばあちゃんを見送っています。