表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役王子の後日譚~破滅ルートを回避したのに、何故か平穏が訪れない~  作者: おとら@9シリーズ商業化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/45

潜入

翌朝、俺はすっきりした目覚めを迎えた。


しかし、他の奴らはそうではなかったらしい。


「の、飲みすぎたぜ……!」


「くっ、主人の前でなんたる醜態を……」


「わ、私、いつのまに寝たんですの? うぅー頭が痛いですわ」


「あれれ〜? 目が回ります〜」


「ったく、仕方がない奴らだ。ほら、順番にやるから待ってろ」


それぞれに蒼炎を施し、二日酔いを治していく。

毒が消えるということは、これにも効くはずだ。

案の定、皆が頭痛から解放されていく。


「そういや、ユキノは平気なんだな?」


「えへへー、ヴァンパイア族ってザルらしいです。何でも、目的の相手を酔い潰せるように」


「……その目的は聞かないことにしよう」


「ご主人様はお酒が効かないみたいなので残念ですねー」


今ほど、この蒼炎が発現して良かったと思ったことはない。

どうやら、酔わせてお持ち帰りコースはなくなったみたいだ。

昨日の残りの鍋を食べて、準備ができたら出発する。


「さて、どうにか成果が欲しいところだ」


「でも、この辺りには生き物が少ないですねー」


「多分っすけど、あいつが周辺のボスだったんじゃないっすかね?」


「まあ、あの強さなら納得か」


それが正しいのかはわからないが、順調に森を進んでいく。

すると、小さな洞窟を発見する。


「おっ、これは……もしや。皆、周辺に敵がいないか確認をしてくれ。後ろから敵が来たら厄介だ」


「うしっ! 俺も残りますぜ! 兄貴の背中を守るのが俺の役目!」


「はっ、見張り等は私にお任せください!」


「では残りの獣人と一緒に洞窟の入り口の見張りを頼む。俺とユキノ、ニールとエミリアで洞窟に入るとしよう」


俺は炎を灯して、洞窟内部に入っていく。

そこは天井が三メートルくらいで、道幅が二メートルくらいの場所だった。


「ご主人様〜暗くて怖いです〜」


「その棒読みやめんか。大体、お前を連れてきたのは夜目が効くからだろうが」


「はいはーい、わかってますよ」


「わ、私は怖くありませんことよ」


「ふぇ〜ん、外で待ってれば良かったよぉ〜」


能力的に選んだのだが……人選を間違えたかもしれん。

てっきり魔物でもいるかと思ったが、そのまま順調に進んでいく。


「……ご主人様、止まってください」


「何かあったか?」


「この先から空気の流れを感じます。おそらく、広い場所に出るかと」


「わかった。では、ここからはより慎重に進むとしよう」


全員が頷くのを確認し、ゆっくりと歩き出す。

しばらくすると、向こうから僅かに明かりが漏れているのが目に入る。

あそこが、ユキノが言っていた場所だろう。

すると、カランと何かを蹴る音がした。


「ん? 何か足元にあるな……」


「あつ、これは……骨ですねー」


「ひぃ……!? ほ、骨ですの?」


「ひ、人のですか?」


「んー、細かいですし何とも言えないですけど。この辺りから急に色々な骨が散らばってますね」


「……どうして、この辺りにだけ骨が散らばってる?」


ここに来るまでは魔物もいないし罠もなかったし、当然だが骨もなかった。

なのに、ここだけにあるのは不自然だ。

かといって罠があるような感じには見えない。

最悪何かあってもいいように、炎の幕を展開して先頭を進んではいるが。


「確かに変ですね」


「こ、この先にいる奴の仕業では?」


「でもでも、こっからまだ距離がありますよぉ〜」


「この先……距離……敵がいるとして……っ!!」


その瞬間、慣れ親しんだ熱を感じる。

俺が向こうにいる敵だったら同じ事を考えるはず!


「エミリア! すぐに最大の水魔法を頼む!」


「えっ!? ど、どういうことですの!?」


「いいから俺を信じろ!」


「わ、わかりましたわ! すぅ……全ての者共よ、激流に飲まれなさい——タイタルウェーブ(大津波)!」


俺の言葉を信じ、洞窟を埋め尽くすような津波が発現する。

それと同時に、向こうから熱波が押し寄せた。

水と火がぶつかり、激しく拮抗する!


「ひぃ〜!? 何ですかぁ〜!?」


「くっ……! アルス! どういうことですの!?」


「いいからそのままで! ユキノ! 炎が止んだ瞬間に広場に突入だっ!」


「わっかりましたー!」


「二人は後から来るように!」


俺とユキノは走り出す準備をし、その時を待つ。

間違ってもエミリアが負けるとは思っていない。

能力を制限されているとはいえ、仮にも作中最強クラスの魔法使いなのだから。


「ひぃー! お嬢様〜!」


「エミリア! いけるな!?」


「当たり前ですわ! こんの——私を舐めないでくださいの!」


次の瞬間、炎を水がかき消す!

それと同時に俺とユキノは洞窟の奥に滑り込む!

そこには、三メートルを超える牛の化け物がいた。

太い手足に逞しい胴体、右手には斧、左手には盾を持っている。


「ブモォォォォォ!」


「ちっ、ミノタウロスかよ!」


「あちゃー、アレかなり強いんですよねー。ただ、炎なんて使えましたっけ?」


「わからん! もしかしたら上位種かもしれん! ただ、あの骨の理由はわかった」


「あそこまでおびき寄せた敵を、炎で一網打尽にしたってわけですね。あとは……焼けた肉を食べると」


「わかってるからいうなし。ったく、緊張感のない奴だ」


だが、お陰で冷静になる。

そのおかげか、視界が広くなり……とあるモノを発見する。


「ご主人様! アレ見てください!」


「ああ、わかってる。どうやら、逃げるという選択肢はなさそうだ」


「そもそも、逃げられます? 背を向けたらあの炎が追ってくるでしょうし」


「別に逃げるだけなら俺とエミリアがいれば問題ない……ただ、アレを見て逃げるのはあり得ん」


そう、奴の後ろの壁には……魔石が埋まっていた。


つまり、ここは鉱山の入り口の可能性が高いということだ。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ