『休暇』
キング・ブラッドレイ大総統閣下から強引に休暇を与えられた
ウィンリーとパニーニャは家の用事で帰っていった
ルイ「ロイ,そんなに買う必要があるのか?」
ロイ「まだ,4着しか見ていないぞ!?」
ルイ「もう要らない」
ルイ「休みなんて殆取らないから,沢山買っても着なくなってしまうだけだ」
グリード「無欲だな(笑)」
ルイ「お前が強欲過ぎるだけだ!!」
リン「ほら,此方も着てみろ」
ルイ「人の話を聞け!!」
エド「ルイさん,欲無さ過ぎじゃね?」
リザ「確かに沢山買ってる所みないわね」
リザ「そもそも,大総統補佐でもあるから休みがまず年に2回しかないはずよ」
エド「殆働き詰めじゃないっすか?!」
ロイ「其の通りだ,鋼の」
エド「大佐,ルイさんの服選んでたんじゃないのか?」
ロイ「リン皇子とグリード准将に任せてきた」
エド「准将も結局来たのかよ」
ロイ「准将も大総統が許可を出すまで休暇だそうだ」
ロイ「さっき電話が来てそう言われたって言ってたぞ」
エド「成る程ね」
リン「せめて1着だけでも選べ!!」
グリード「そうだぜ,じゃないと俺等の着せ替え人形になるぜ」
ルイ「わかった…わかったから!!」
ルイ「そうだな……これにする」
グリード「良いじゃねぇか」
グリード「会計して着ていくか?」
ルイ「否,今日じゃなくて別日にする」
グリード「OK,なら買ってくるわ」
ルイ「流石に自分で買うぞ?!」
グリード「良いの良いのさっき爺が大量に金を渡してきたから」
ルイ「そうか……なら頼む」
グリード「おう,リン…ルイの傍に居ろよ」
リン「了解」
グリード「買ってきたぞ」
ルイ「ありがとう」
ルイ「グリード,次は何処に行くんだ?」
グリード「大将が行きたい所はないのか?」
ルイ「ん〜…あっ,本屋に行きたい」
グリード「本屋?」
ルイ「うん,最近任務先で行った孤児院の子が誕生日なんだ,プレゼントで本が良いって言ってたから」
リン「プレゼントの本を選びに本屋へ?」
ルイ「そうだよ…行きたい所って言ったら其処なんだ」
エド「なら其処に行こうぜ,素敵な本選ぼう」
ルイ「うん!!」
エド「そう言えばプレゼントを渡すこの歳って幾つだ?」
ルイ「12歳だよ」
エド「12…か」
ルイ「一応どんなのが良いか聞いたら,薬草図鑑がほしいって言ってた」
グリード「12で薬草図鑑がほしいって珍しいな」
ルイ「私が任務で怪我し過ぎだから少しでも傷が良くなってほしいってさ」
ロイ「姉さん,また怪我をしたの(呆れ)」
エド「また?」
ロイ「刺傷なんて当たり前酷い時なんか自分で刺傷で出来た腹を焼いて塞いでしまう始末」
ルイ「だって病院行くと面倒くさい事になるんだもん」
ルイ「金も掛かるし,自分でやれば無料だしな」
ルイ「前は2・3度気絶してたけどそう言えば今は気絶しなくなったな」
ロイ「感心してる場合じゃない!!」
ロイ「其のせいで看護師のおばさんに怒られてるだろ」
ルイ「あっ…この図鑑薬草以外の医療内容も入ってる」
ルイ「これにしよ」
ロイ「……聞いてない」
エド「どんまい大佐」
ルイ「ん?」
ルイ「【焔と氷を持つ少女】…ね」
ルイ「一緒に買って読んでみるか」
ルイ「買うもんは買ったし帰るか!!」
グリード「速ぇな!?」
ルイ「だって後行くとしたら訓練場か射撃場しかないんだよ!!」
グリード「仕事のことしか頭にねぇのかよ?!」
ルイ「当たり前だろ!!此方は休まないで仕事をし続けている女だぞ!!」
グリード「それそうか」
ルイ「どっかに行きたい人!!」
シーン
ルイ「グリード誰もいない!!」
グリード「んじゃ訓練見学に行くとするか」
中央司令部:特殊訓練場γ
隊員達「お疲れ様です!!ルイ・マスタング大将!!グリード准将!!御一行の皆様!!」
ルイ「お疲れ様,各自休憩を忘れるなよ」
グリード「相変わらず元気だな」
新兵「マスタング大将!!大総統閣下より伝言がございます!!」
ルイ「伝言?」
新兵「はい!!【うぉっほっほ,やはり来たようだな…だが射撃訓練で全て真ん中に撃ち抜かないと休暇の期間を伸ばすからそのつもりでいてくれたまえ】・・・・・だそうです」
ロイ(大総統に似てるな)
ルイ「………(ブチッ)」
ルイ「………フフ…アハハハ(笑)」
エド「ル,ルイさん?」
ルイ「其処の新兵くん」
新兵「は,はい!!」
ルイ「今すぐ,大総統閣下の所に行ってこう言ってこい」
ルイ「休暇を伸ばす時間はねぇってな」
カチャ………バンッバンッバンッバンッ
全員「!?!?!?!?!?!?!?」
エド「立ったまま拳銃で全部真ん中に撃ち抜いた?!」
グリード「ヒュ~(口笛)……お見事」
ルイ「やって見るか?」
ルイ「鋼の」
ロイ「大将!!彼はまだ子供です!!」
ルイ「軍に年齢は関係ない」
ルイ「軍に入ったからには銃は必ず持つ,それが今だっただけのこと」
ルイ「だが之だけは忘れるな,鋼の」
ルイ「お前は何時か人を撃つかもしれん………大切なものが居るなら尚更な」
ルイ「撃つ時に大事なのはお前が何を考え何のために撃つのかだ」
ルイ「時には,大切なモノのために手を血で汚す覚悟も必要だ」
ルイ「すまないな,虐めたくていったわけではない」
ルイ「俺にも大切なモノのために銃を手にした奴が居た」
ルイ「だが持った銃を発泡する前に妻を殺され自身も死んだ」
ルイ「お前には同じ様になって欲しくないだけだ………鋼の」
エド「ルイさん,教えて欲しいです」
ロイ「鋼の!?」
エド「大切なモノを守るために…殺すのではなく,致命傷を与えるための撃ち方を教えてください」
ルイ「………わかった,グリード」
グリード「なんだ?」
ルイ「第1倉庫から銃を二丁持ってきてくれ」
グリード「あいよ」
ルイ「ロイ・マスタング」
ロイ「…はい」
ルイ「鋼の錬金術師に汚れてもいい服を着させてやってくれ」
ロイ「かしこまりました」
ルイ「他の奴らは訓練に戻れ」
部下たち「はっ!!」
ルイ「着替えてきたな,鋼の」
エド「宜しくお願いします,大将」
ルイ「先ずはこの銃について話す」
ルイ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜で〜〜〜〜〜〜〜,〜〜〜〜〜〜となる」
エド「〜〜〜〜〜〜?〜〜〜〜…〜〜〜〜〜〜〜?」
グリード「珍しいな」
ロイ「何がだ?」
グリード「彼奴が誰かに教えるなんてさ」
ロイ「確かにな,まさか子供に教えるとは思わなっかがな」
グリード「それは同感」
グリード「ルイが言ってた奴ってやっぱり………オリヴァの事だよな」
ロイ「オリヴァ・シュナイダー元中佐殿だな」
ロイ「唯一,イシュヴァール殲滅戦で帰ってきて内の一人」
ロイ「国家錬金術師殺し事件で命を落としてしまった方」
グリード「確か奥さんも一緒に命を落とした事件」
グリード「銃を発砲した守る前に奥さんが殺され自身も殺されたんだよ」
ロイ「あの時の姉さんの荒れようにはビックリしましたがね」
グリード「幼馴染だったんだよ,ルイとシュナイダー夫妻はな」
グリード「この話は終いだ………彼奴等も終わったみたいだしな」
ロイ「………嗚呼」
ルイ「此処までだ」
ルイ「お疲れ様」
エド「ありがとうございました」
ルイ「シャワーを浴びて着替えてこい」
エド「はい」
ルイ「ロイ・マスタング…彼をシャワールームへ案内してやれ」
ロイ「はっ!!」
ルイ「………俺は帰る」
グリード「もう帰るのか?」
ルイ「嗚呼気になる本があったからな」
グリード「休暇中は俺等の所に居るんだろ?」
グリード「なら一緒に帰るぞ」
ルイ「わかった」
グリード「ドルチェット,先に帰ってるから頼んだぞ!!」
ドルチェット「了解です!!」
グリード「おら,行くぞ」
ルイ「あ,嗚呼」
デビルズネスト内の角部屋
グリード「ほら,入れよ」
ルイ「お邪魔します」
グリード「他の部屋,埋まってるから俺の部屋での寝泊まりで勘弁してくれ」
ルイ「全然構わない………逆にすまん,大総統閣下の我儘を聞く羽目になって」
グリード「あの人の気まぐれは今に始まった事じゃないだろ……慣れた」
ルイ「そうか」
グリード「風呂入ってこいよ……各自風呂付いてるから」
ルイ「助かる………先に失礼する」
グリード「しっかり湯に浸かれよ」
ルイ「嗚呼」
数分後
ルイ「出たぞ,グリード」
グリード「おぉ」
服↓
ルイ「何処で寝れば良い?」
グリード「俺ソファで寝るからベッドで寝れば良いぞ」
ルイ「………そうか」
グリード「寂しいなら一緒に寝るか?」
ルイ「………寝る」
グリード「へっ?」
ルイ「………寂しいから,一緒に寝る」
ルイ「グリード…早く風呂は入って来い」
ベッドに寝転がり本を読み始めるルイ
グリード「何読んでるんだ?」
ルイ「焔と氷を持つ少女って題名の小説」
グリード「恋愛系の小説を読むなんて珍しいな」
ルイ「気なって」
グリード「焔と氷の少女にか?」
ルイ「嗚呼そうだ」
ルイ「話はこう」
ルイ「少女の一族は長い角と紅い髪そして黄金のような眼が特徴だった」
ルイ「闇オークションでは高値に取引されるほど珍しく美しい一族だったのだ」
ルイ「それに目をつけたある御曹司は一族の捕獲を図った」
ルイ「御曹司は素晴らしい美貌とずば抜けた知識の持ち主の若い男」
ルイ「そんな彼は一族の捕獲後ある少女以外を殺してしまった」
ルイ「理由は簡単だった………彼女は焔と氷が使えるからだ」
ルイ「殺した者たちの眼と角を闇オークションで売払,生かした少女を手元で愛でた」
ルイ「捕まった少女は他の女たちよりも美麗だったからだ」
ルイ「彼は彼女のVirginを奪い,彼女達を匿っていた協会の人間はならず者たちによって殺された」
ルイ「欲望のまま身内や仲間を奪われた彼女は泣き叫びながらも其の暴力に屈するしかなかった」
ルイ「最後には自分の内側と外側を繋ぐ線引さえも引きちぎられてしまった」
ルイ「囚われた少女は御曹司の夜の相手をさせられた」
ルイ「その後サソリの入れ墨を入れられ新しい名を与えられた」
ルイ「美少年の彼のお気に入りになるのは羨ましい事と周りは言うが彼女にとっては地獄でしかなかった」
ルイ「何も救いはない事に彼女の涙は枯れ果ててしまった」
ルイ「熱が潰えるまで仕様がないから観ててやるという言葉は彼にとっては褒め言葉のようなものだろう」
ルイ「しかし,彼女にとっては命を握られ身内のように殺されることを未来し恐れていた」
ルイ「ある日,一人の侍女は彼女に毒入りワインを渡したが別の侍女に止められた」
ルイ「他の部族を指し終えて御曹司のお気に入りになった彼女のことが気に食わなかったから」
ルイ「しかし彼女は咎めるわけでもなくそのワインを真剣にかけ歩いていく」
ルイ「御曹司の彼は色々な人達の前で演説をしていた」
ルイ「演説している中彼女は彼に近づき彼を斬った」
ルイ「それは彼女が彼に天罰を下したのだ」
ルイ「すぐさま彼は銃を取り出し発砲したが彼女に交わされ身体の上に跨り喉に突きつけられた」
ルイ「その後彼は彼女の手によって死んだ」
ルイ「彼女は自由を手に入れたのだった」
ルイ「………おしまい」
グリード「残酷だが自由を手に入れた話か」
ルイ「思ったより重い話ね」
ルイ「でも………否なんでもない」
グリード「底まで行って止めるなよ‼」
ルイ「本当になんでもないんだよ」
ルイ「もう寝る」
ルイ「早く来い………グリード」
グリード「ハイハイ」
グリード「お休みルイ」
ルイ「お休み」
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