表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライムスレイヤー ~イシノチカラ~  作者: 亜形
第三章 中央大陸導入編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/149

第52話 壁に囲まれた宿場町

 討伐者パーティー「スレーム・ガング」はトウマ(名ばかりリーダー)、ロッカ、バン、セキトモ、イズハの5名は東大陸から中央大陸に架かる大橋を渡っているところだ。馬車を引いているのは馬次郎という変な名前をつけれらた馬である。


 彼らは大橋の一番目の橋を渡り直径5kmほどの小さな中継の島に着いた。この島には橋を補強する資材が大量に置かれている。討伐者が休める施設オドブレイクがあり、その隣には橋の補強工事に来ている業者の宿舎も建っている。宿代を払えば誰でも宿舎に泊まれるようだが屋根があるだけの雑魚寝のようだ。彼らはオドブレイクで一泊することにした。


 ま、普通そうだよね?

 雨が降ってる状況なら宿舎に泊まることも考えただろうけど。


 大橋の中継の島にいるモンスターを討伐していくことは橋を渡る討伐者の礼儀のようだ。限られた区域で危険なモンスターが大量発生する心配はないので普段クエストは出ていない。万一、危険なモンスターが現れたら工事中断。討伐者が派遣されて討伐終了まで橋が封鎖されて大ごとになるようだ。

 一同はこの小さな島を周回して島にいるモンスターを討伐してから二番目の橋を渡る予定である。


 大量の食料を持っているロッカが呟いた。


「半日かからない橋を渡るのに一泊するって何なのよ。

 来るときはここ素通りしたのに・・・」


「来るときは馬車に乗っていましたし、護衛の任務中でしたからね。

 今回、私たちは依頼を受けていませんので礼儀は果たしましょう」


◇◇


 一同はテントの設置を終えて昼食を取った。


「この後、この島でモンスター討伐するんですよね?

 どんなモンスターがいるか楽しみだな~」

「スライムしかいないんじゃない?」


「小動物は見当たりませんね。

 いるとしたら虫系のモンスターでしょうか?

 中型以上は目立つので討伐されているでしょう」


「う~ん。手応えありそうなモンスターはいないのか」


 皆で島を周回してみたものの遭遇したのはスライム12匹、牙蟻5体、棘毛虫7体、羽刃トンボ3体の合計27体だった。わざわざ見つけ出して半日かけて討伐したにしては少ない数である。強いて言えば羽刃トンボの飛び回る動きに慣れておらず、斬り伏せるのに少し時間を要したといったところだろう。練習という名目でトウマ、セキトモ、イズハの3人が1体ずつ倒した。セキトモが一番手こずっていたようだ。


「飛び回るやつはグレイブで斬るの難しいな。苦手かも」

「羽刃蝉のときみたいに大盾でぶつけて怯んだときに斬ればよかったんじゃない?」


「そっか、トウマたちの真似をして斬る必要ないよな。

 扱っている武器だって違うし僕なりのやり方でやれば」

「そういうことよ」


◇◇


翌日---。


 一同は大橋の中継の島から12kmも続いた二番目の橋を渡り終えて中央大陸に到着した。


「ついに着いたー! 中央大陸だー!」


 ロッカは振り返って橋の出入り口に立っている衛兵を見た。


「さあ、あんたたち。もう簡単にはあっち側に戻れないわよ」

「?」


 話を聞くと、他の大陸から中央大陸には無条件で入れるようなのだが中央大陸から出る場合、500万エーペルを預けないと出られなくなっているらしい。しかも半年以内に中央に戻らなければ預けたお金は没収される。それはモンスターが少ない大陸への大量移民を防ぐための処置だという。つまり他の大陸に移民するには中央大陸で最低500万エーペルを稼ぐ必要があるということだ。

 応援や護衛で向かう討伐者は特例として費用を預ける必要はない。但し、中央に戻ってこなかった場合はギルドからの罰則があるようだ。やんごとなき事情があれば考慮はされるようだが移民目的で渡ろうとする抜け道とは言えない。

 橋を渡る業者も戻って来るのが大前提で特別な許可が下りた者たちだけのようだ。

海を船で渡る場合も同様。中央大陸から出る船には厳重な調査が入るらしい。


「この話は僕も聞いたことなかったよ。そこまでしなくてもいいだろうに・・・」

「ま、討伐者としての実力があれば簡単に稼げる額よ」

「そんなもんっすかね?」

「すぐに戻る気ないんで全然大丈夫!」


 セキトモは困惑顔だがトウマとイズハは特に気にしていない。それより今いる場所が小さな町のような感じになっていることに気が向いていた。

 ここは港と大橋をぐるりと高い外壁で囲まれた宿場町。東大陸とは違って周辺が高い外壁に囲まれているのだ。遠くを見渡せば壁と空といった感じで外壁の外へ出るには門を通る必要がある。ここは主に東大陸との物資の流通をする者が訪れる場所なのでそれなりに栄えている印象だ。門に繋がる運搬を主とする中央通りは道幅が広くなっていて通り沿いには多くの店や宿が並んでいる。周辺のモンスター対策でギルドもあるようだ。


 この宿場町に博士の邸宅はない。一同は馬小屋が併設されている宿を取った。


「しばらくここを拠点に活動しますのでそのつもりでいて下さい。

 まずは中央のモンスターに慣れて頂こうかと思います」

「そんなに違うんですか?」

「この辺はさほど変わらないと思いますが徐々に慣れて貰うには丁度よいでしょう」

「そうね、いきなりだと面食らうかもしれないわね」


「ほどほどでよいと思いますが、装備も新調してよい頃合いかもしれませんね」

「おー、東大陸でお目にかからなかった物も扱ってそうだよね?」


「そうですね。この宿場町なら東大陸に流れていない物もあると思いますよ」


「ここで俺も装備一式揃えようかな~? 稼いだし」

「自分も買い替えたほうがいいっすかね? 少し不安になってきたっす」

「買うなら強度の高い物にしなよ。すぐに壊れたら意味ないし」


「「はーい」」


「んじゃ、明日はオフにしてトウマたちは装備新調。

 私たちはスイーツ店探しでもしよう!」


 バンは何度もコクコクと頷いた。


 近くの店で軽く夕食を済ます間にロッカとバンが中央の情勢について話した。初中央大陸組の三人に知って欲しいということだろう。

 二人の話では目的地はこの宿場町から北の方角にある『メルクベル』という都市らしい。街道を速い馬車で行くなら一日で着くそうなので遠い場所ではないようだ。

 この中央大陸には今まで立ち寄った街より断然人口の多い栄えた都市と呼ばれる場所が3カ所あり、三大都市と呼ばれているとか。海岸沿いに小さな町もあるようだが漁業中心なので特に知らなくてもよいとのこと。あとは林業中心の小さな町もあるとか。そんな小さな町でも周辺モンスター対策でギルドはあるそうだ。大陸全土でみれば集落や村などもあるにはあるが人口の大半は各都市周辺に集まっているだろうとのこと。


 中央大陸の中心には火山がある。その火山を中心として都市の方角を言うらしい。

 東の『メルクベル』、北西の『ヨゴオートノ』、南西の『ラギアサタ』の三大都市は中央大陸に住む人々が総出で築き上げた防衛都市のようだ。この三つの都市を線で繋ぐと正三角形になるような位置関係だとか。


 都市の内部では大規模な農業はできない。単純に土地が狭いからだろう。小さな個人農園くらいはできるかも知れないが基本農業は周囲を囲む外壁の外、討伐者を護衛に雇った大規模な組織で行っているようだ。資源の採掘や林業、漁業、資材の運搬にも討伐者が護衛で雇われているとのことなのでそこそこ実力をつけた討伐者なら仕事に困ることはないらしい。


 得意分野で大きく分けると、商業都市のメルクベル、工業都市のヨゴオートノ、農業都市のラギアサタだとか。それぞれの得意分野が違う為、都市間の交易は盛んに行われているようだ。


「服や装飾、身の回りの品を買うなら私たちが行くメルクベルが一番よ!」

「装備とかもメルクベルのほうがいいんですかね?」


「それは討伐者向けだから微妙だけど、ここら辺で買うよりいい品があるわよ」

「え~、どうしようかな?」

「それを聞いたら僕も迷うな」

「自分もっす」


「装備の痛みが酷くないようでしたら下取りに出せますので買い替えもし易いと思いますよ」


「ならここで買っても下取りに出せば大きな損失にはならないかもな。

 装備不十分でモンスターにやられるよりはマシか。

 とりあえず品を見てから判断するよ」


 トウマ、セキトモ、イズハの三人はあれこれ揃えたい装備の話で盛り上がってこの日を終えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ