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スライムスレイヤー ~イシノチカラ~  作者: 亜形
第二章 アーマグラス編

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第42話 最大の課題

 牙爪狼討伐を終えたスレーム・ガングの5人はギルドに立ち寄った。


【牙爪狼討伐依頼 難易度B】

 討伐報酬 120万エーペル


【素材】

 爪狼の爪 10万エーペル


【魔石換金報酬】

 魔石・小 5個 2万エーペル

 魔石・中 2個 10万エーペル


 合計 142万エーペル。討伐報酬はユニオン・ギルズの分を立て替えているので実質は82万エーペル。一人16万エーペルを分配して残りはパーティー管理費に回す。


 ロッカはカウンターのおばあちゃんにもドヤ顔で報告した。


「本当にやってくれるとは頼んでみるもんだねぇ、感謝だよ。

 これであの山へ入れるようになるじゃろう。

 はて? あの山は何が採れるんじゃったかの?

 忘れてしもうたわ。ふぁ、ふぁ、ふぁ」


 確か狼が狩場を移さないか心配だって言ってた気が・・・。


◇◇


 打ち上げで酒場に行ってみると、やはりユニオン・ギルズは来ていた。

 合流決定だ!


 店の奥の部屋に通される途中で他の客から気になる会話が聞こえる。


「さっき大橋の工事が延長されたって聞いたけどマジか?」

「ホント、ホント。俺も聞いたぞ。

 本来なら工事は明日で終わる予定だったのにな」

「まあ、大橋を渡って中央に向かうやつは少ないだろうし。

 金持ちの旅行客の帰りか討伐者くらいなもんだろ?」

「あとは業者かな。しばらくは中央からの仕入れが滞ると思ったほうがいいぞ」

「そうか。でも俺たちには特に関係なくね?」

「だな、わはは」


 大橋の工事延長になったのか。

 しばらくギルたちは中央に帰れないかもしれないな。


 5人はユニオン・ギルズが使っている奥の部屋に顔を出した。


「おう! やっぱり遅かったな、先にやってるぜ」


「一緒に打ち上げしようと思って来ちゃった。多分ここだろうと思ったわ」


「わはは、ここにお前らが来るか賭けてたんだ。俺の勝ちだな、サイモン」

「うむむ。やはり私の負けですね。

 実は私も来ると思っていたのですがそれだと賭けにならなかったので」

「しょーもな」

「師匠~」


 とりあえずクエスト成功を祝って乾杯した。


 しばらくしてギルは数枚の大銀貨をテーブルに重ね置き始めた。


「あのボス狼の魔石だけで8万になったぜ。

 馬代引いて分け前は一人16万ってとこだった。お前らは?」

「うっそ、ほぼ一緒じゃない。私らも16万だったわ」

「そっちは五人で、だろ? お前らのほうが総額は多かったみたいだな」

「馬次郎のおかげで馬車代要らなかったし、モンスター素材もあったからね」


 サイモンは不満そうだ。


「私は10万した盾がダメになりましたからね。大した儲けではないですよ。

 あのデザイン気に入ってたのですが・・・」

「そう落ち込むな、サイモン。

 損した訳じゃねーし、中央に戻ったらまた新調すればいいだろ?」


 バンが話に加わった。


「あ、中央と言えば。

 さっき他の客の方々が大橋の工事延長されたと言っていましたよ。

 ご存じでしたか?」

「「何だって?!」」


 ギルとカリーナは立ち上がり、すぐに大橋の情報を聞きに出て行った。


 しばらくして、二人は肩を落として戻って来た。


「その辺にいた客に聞いてみたが大橋の工事延長マジな話なようだった」

「もう最悪、明後日には出る予定だったのよ」


「残念ね。滞在延長?」


「いや、いつ工事が終わるか分かんねえみてーだ。

 サイモン、タズ、明日船の手配すっぞ。大橋は諦めて船で中央に渡る」


「分かりました~。私、船乗ってみたかったんです~。楽しみ~」


 トウマはロッカに聞いた。


「俺たちはいつまでこの街に滞在するんですか?」


「そうね~、中央に向かう日は決めててもいいわね。

 バン、大橋の工事が終わったら中央に向かうってのはどう?」

「そうですね。大橋の工事はすぐには終わらないようですし、それを機にしても良いかもしれません」

「やった! ついに中央だ」

「トウマ、まだもう少し先の話だから」


「お前らも戻るか。先に行って待ってるぜ」


「あ、そうだ。

 もうこの街に来て一週間になるから明日はオフにしようよ?」

「そうですね。

 毎日のように討伐に出ていましたので休みにしましょうか」

「やった! 何しようかな?」


「セキトモさんは何するっすか?」

「う~ん。僕はまた温泉にでも行こうかな? 今度はゆっくりと」

「?」


 しばらくして、ユニオン・ギルズの4人とお別れの挨拶をして解散になった。


◇◇


翌朝---。


 執事のホラックがトウマの部屋にやって来た。


「トウマ様、お荷物が届いております」


 俺に荷物? 何だろ?


 トウマはすっかり忘れていたようだ。

 届いた荷物の差出人は博士だった。


「やっと戻ってきたー、俺の剣!」


 ホラックは微笑みながら去っていった。


 トウマはワクワクしながら荷物を開封した。中には2スロットの剣、真魔玉【赤】、2枚の紙が入っていた。紙の一つは手紙、もう一つは図解つきの説明書みたいなものだった。剣は見た目でも分かるくらい別物に変わっている。


 手紙の内容を要約するとこうだ。


 思ったより手間取った。

 最終的に刀身以外は全部変えた。

 使い勝手の報告を頼む。

 使い方は同封した説明書を見ろ。


 部屋で試すのは危険なのでトウマはとりあえずもろもろ持って裏庭に向かった。


 裏庭に着いたトウマは剣に抗魔玉と真魔玉【赤】を装着した。2つあるスロットの片側、真魔玉を着けるほうの造りが少し変わっている。どちらに着けてもいいわけではないらしい。


「なるほど。ここを押してスライドさせると炎熱剣になるって仕組みか。

 戻すときは逆ね」


 博士が改良した剣は真魔玉を着けたまま手元で通常と炎熱剣の切り替えを出来るようにしたものだった。切り替えた際に真魔玉の力が瞬時に刀身に伝達するようだ。

 戦闘中に持ち手の指一本の動作で切り替え可能なのは大きい。


 トウマは吹き飛ばないように薪を固定して試してみる事にした。

 消火用の水も忘れずに用意した。

 まずは通常状態で薪の上側を斜めに斬る。斬り終わりに手元の切り替え機構を親指でスライドさせる。斬り返しで炎熱剣!


 剣で斬った薪が炎上した。


「これは使えるぞ、凄い! さすが博士だ」


 トウマのすぐ隣にイズハが来ていた。

 トウマはもういきなり現れるイズハに慣れたようだ。


「発火する剣っすか?

 前にトウマさんが使ったのを1回見た事あるっすけど、やっぱり凄いっすね」

「イズハ、見た事あるって・・・熊のとき?」


 モンスター相手にはあのときしか使ってないもんな。


「あれから見て無かったので違う原因で発火したのかと思ってたっす」

「剣を博士に改良してもらってたんだ。

 あのときとは違って今は自在に切り替えができるようになったよ。

 この技は炎熱剣っていうんだ」

「へ~、武器の改良もしてもらえるっすか?」

「イズハも改良してもらう?」

「自分はまだいいっす。糸の回収は面倒っすけど改良で手放したくないっすね」


「そっか。代用がないと自前の短剣だけに戻っちゃうもんな」

「それより、火消さなくて大丈夫っすか?」

「うわっ! やばっ、早く言ってよ」


 トウマは慌てて炎上している薪の火を消した。


 その後、しばらく炎熱剣の練習をするトウマをイズハは見ていた。


「剣を使わないときは布か何かで軽く柄の部分を覆い隠したほうがいいかもっすね? 変わった形状っすから目立つかもっす」

「だね、真魔玉もつけっぱなしでOKになったしこれは目立つよな」


「ところでトウマさん、使用した武器の報告書って書いてるっすか?

 自分どう書こうか悩んでるっす」

「あ、そうだった!

 そう言えば報告しなきゃいけないんだった。俺もまだ書いた事ないんだ」


「期限とかないんっすよね? でも、経過報告は必要かなと。

 最初の使用感などは忘れないうちに書きとめていたほうがいいっすよね?

 自分、観測者の報告まとめるの苦手だったんっすよ」


「やばい、俺の最大の課題が発覚した」

「ぷっ。トウマさんもっすか? あはは」


 そのあと邸宅内に戻った二人は使用した武器についての報告書の書き方をおさらいし、現状をまとめるのに一日中苦悩することになった。お互い苦手なようでお粗末な内容なのは間違いない。


 バッって変えてズバッと斬ったら燃えて凄かった。

 シャシャてやれて自分にピッタリっす。

 と書いている時点で二人にはいずれ教育的指導が入ることだろう。


 セキトモは予告通りのんびり温泉に行ったようだ。爽やかな顔をして帰って来た。


 ロッカとバンはアーマグラスの街のスイーツ店めぐりをしていたようだ。満足したようで笑顔で帰って来た。


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