表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライムスレイヤー ~イシノチカラ~  作者: 亜形
第一章 バルンバッセ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/151

第18話 俺たちの戦い方

◇◆


 トウマとセキトモの二人が『巨大蟷螂(かまきり)討伐』に向かう前---。


 二人はカマキリを倒す為の作戦を練っていた。


 林で襲われた時は木をなぎ倒した鎌の威力に驚かされて防戦一方だった。

 しかし、冷静に考えるとカマキリの力が強かったわけではない。

 二人で話し合った結果、鎌の切れ味が凄かったという結論。


 トウマの剣でも鎌の攻撃を弾くことは出来ていた。

 力が強かったのなら防いだとしても吹き飛ばされていたはずだ。


 それにカマキリは単純に獲物に対して鎌を振り回していただけだ。

 相手の動きを見て、鎌を繰り出していたわけではない。

 今はカマキリの鎌の左腕をロッカが斬り落としてくれているおかげでカマキリはもう二刀流でもない。

 こちらから見て右側からの攻撃はないに等しいのだ。

 攻撃してくる方向が分かっていればそう怖くはない。

 カマキリの左側からの攻撃を防ぐだけでいい。


 そう、こちらには大盾持ちのセキトモがいるのだ。


◆◇


 二人はカマキリが襲ってくる前に先制攻撃をしかけた。

 セキトモは左側に大盾、右に槍を構えてカマキリの正面から突進した。トウマは先に行くセキトモを追従するように走った。トウマはカマキリに捕捉されないようセキトモの後ろで剣を抜き、左側に丸い盾を構えて隠れている状態だ。


 一発で決める!


 セキトモはカマキリの最初の斬撃を大盾で受けて左に弾き返した。来ると分かっていれば大振りな攻撃を弾くことは簡単な作業だ。鎌を弾き返されたカマキリの体勢が一瞬揺らいだ。


「トウマ、今だ!」


 二人は昼にふざけながら剣と槍の連携を考えていた事を実戦した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「じゃあこれは?

 俺がセキトモさんの大盾を踏み台にして高く飛んで斬る!

 それか~、俺がまずセキトモさんの大盾の陰に隠れていて~。

 いきなり飛び出して攻撃するビックリ斬撃!」

「いやいやいや。

 トウマ、それじゃ剣と槍じゃなくて剣と大盾の連携じゃないか~」

「あれ? 槍使うとこ無かったですね。ははは」

「トウマ~~」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 二人はカマキリ討伐に向かう前に少しだけ練習した。


 ぶっつけ本番じゃないぞ!


 トウマはセキトモが上に向けた大盾を足場にして上空に高く飛び上がるとカマキリの首を横切り一線、渾身の力で叩き斬った!


”スバッ!”


 カマキリの首は見事に切断されて首から上の頭が胴体から落ちた。トウマはそのまま空中で一回転すると落下する勢いのまま鎌の右腕も切断した!


 カマキリは両腕を失い、鎌の攻撃が出来なくなった。


 どうだ! ロッカ直伝見様見真似の俺流一回転斬り!

 ちょっと技名長かったか、一回転斬りでいいか。


「これでお前もお終いだろ!」


 しかし、カマキリは頭を切り落とされてもなお動き、羽を広げ、バタバタ、クルクルと暴れ回り出した。巨大なカマキリの旋回はそれだけで近づくことができないほど激しい風を周囲に吹き付けた。まるで竜巻のようだ。

 トウマはカマキリの旋回に巻き込まれて弾き飛ばされた。木に身体を打ちつけられたがよろめきながらも立ち上がってまだ旋回しているカマキリを見やった。


「痛てて、うそだろ?! あいつ頭失くしてるのにまだ動くの?」


 どうする?


”ドスッ!”


 セキトモの槍が頭を失くしたカマキリの胴体を勢いよく貫いた!

 暴れ回っていたカマキリの動きがピタリと止まり、ゆっくりと霧散しだす・・・。


 セキトモさんがやってくれた!


 地面に落ちている切り落としたカマキリの頭がトウマを見ていた。

 しかし、カマキリの頭もあがくことなくゆっくりと霧散していく・・・。

 トウマはカマキリと目が合っているかのように感じてカマキリの頭に向けて声をあげた。


「見たかカマキリ! これが俺たちの戦い方だ!」


 やがてカマキリは消えていった。『巨大蟷螂討伐』成功だ!


「やったぞ・・・」


 セキトモはヘタリ込んだ。トウマはセキトモの元に駆け寄った。


「セキトモさーん、大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫。トウマも無事みたいだな。

 カマキリの頭落ちたのにまだ動いてたから冷や汗だらだらだったよ。はは・・・」

「でも最後はきっちり持っていったじゃないですか?」

「いや~、必死だったよ。

 鎌が無いからすぐに冷静になれた。ここで槍の長さが役に立ったな!」

「やりましたね!」


 仇は取ったぜ、ロッカ!


 二人は互いに喜び、一息ついたところで戦利品を回収した。


【魔石】 1個

 ・・・少し緑の不純物が混じっていた。巨大蟷螂の魔石だけあって大きい。

【蟷螂の鎌】

 ・・・切り落とした鎌の腕は鎌の部分だけ残っていた。

【蟷螂の牙】

 ・・・頭があった付近に牙が残っていたので驚いた。自分の鎌の腕を食っていたのでもしかしたら牙の方が硬度が高いかもしれない。


 今回は二人とも負傷することはなかったので意気揚々と街に戻った。


◇◇


「トウマ、どうする? 博士の邸宅に行って報告する?」


 そうだった。バンさんの忠告を無視してカマキリ討伐に向かったんだった。


「い、いや、今日は止めときましょう」

「だよね。さすがに・・・ね」


 セキトモさんも分かってるみたいだな。


 二人は討伐報酬を受け取りに祭り中のギルドに向かった。


 トウマとセキトモはパーティー申請をしていない。

 『巨大蟷螂討伐』の報酬はトウマのパーティー『可愛い女子達とその玩具』

 (何とかならんのかこの名前ー!)で受け取って二人で分けることにした。

 難易度Cを二人で個人討伐したなんて噂が広がると面倒だからね。という理由だ。


 俺的には「がんぐ」の名が更に広がりそうな予感しかしないんですけど・・・。


【巨大蟷螂討伐依頼 難易度C】

 討伐報酬 17万エーペル


【素材】

 蟷螂の鎌 5万エーペル

 蟷螂の牙 8万エーペル


 カウンターのオッサンがたまげていた。


「祭り中なのにまたお前か! すげーな、おい。

 今ある難易度Cのクエスト全部やっちまうとは。

 牙なんて珍しい物まで手に入れてくるし」


【祭りの魔石換金報酬】

 魔石・小 18個 10万8千エーペル(スライム討伐 トウマ 11、セキトモ 7)

 魔石・中 1個 16万エーペル


「またこれも珍しい魔石だなぁ。今日は特別だ! 大盤振る舞いだぜ!」


 カマキリが落とした大きい魔石は魔石・中だった。更に大きい魔石・大もあることを知った。驚いたことにカマキリが落とした不純物ありの魔石・中 1個だけで16万エーペル! 不純物が入った魔石は珍しく高いこともあるが更に祭り期間中なので換金率2倍も適用してくれた結果だ。


 合計 56万8千エーペル。一人28万4千エーペルの分け前になった。


 俺の所持金50万エーペル超えたよな? たった4日で?

 金銭感覚がおかしくなりそうだ。

 成果を上げれば見返りもあるってことなんだろうけど。

 命かけるほどでは無い・・・、無いよな?


 セキトモは嬉しそうな顔でトウマに言った。


「思わぬ報酬だったね。

 名前は残らないけど僕は難易度Cの成功初めてだったし今日は祝杯だな!

 ご飯行こう!」


「行きましょう! さ、他の討伐者に捕まらないうちに早く」


 セキトモは不思議そうに首をかしげていたがトウマは説明するのが面倒になってセキトモの背中を押してギルドを出るように誘った。


「まあ、まあ。とりあえずここを出ましょう」


 また内容を伏せた討伐談する羽目になりたくないしな~。


 二人は助けてくれたロッカとバンに後ろめたさを抱きつつも今日の成果を大いに祝うことにした。


 あの二人には改めて謝罪とお礼をしないとな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ