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スライムスレイヤー ~イシノチカラ~  作者: 亜形
第六章 ダンジョン編

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第102話 覗けない高さ

 第3層のクリア証明の在りかを示すヒントは集まった。クリア証明はおそらくセーフティゾーンから右側の一番奥にある柱周辺だろうという予想だ。


「時間かけて手に入れた情報だからな。

 他の討伐者に気づかれないように手に入れるぞ」


 レオ、トウマ、セキトモの三人は該当する柱には近づかずに周辺を見張る役になった。誰か近づいて来た場合はランタンの明かりを回して合図する。見張り役はメンバー内で背が高い三人が選ばれたという感じだ。クリア証明の探索は多くても5人で十分。8人で何か探していると目立ち過ぎるだろうという話だ。


 俺も行きたかった~。

 セキトモさんとレオに比べたら背は低いんだけどな。

 俺上位3人に入っちゃうのか。

 皆が持ってるランタンの明かりは見えるけど、一人で見張り行動ってさみしい。

 早く見つけて来てくれ~。


 階段近くの大きな柱近辺に着いた探索メンバーは階段から他の討伐者が降りて来ないか警戒しつつ柱の裏側の探索を開始した。明かりはバンが持つランタン一つしかないので見逃さないようにまんべんなく辺りを照らし慎重にクリア証明を探している。


◇◇


 トウマは周りを警戒しながらも探索メンバーのほうをチラチラと見ていた。すると、ランタンの明かりが柱から離れて行くのに気づいた。


 「あれ? 探索終わったのかな?」


 次の瞬間、トウマは声をかけらた。


「トウマさん、クリア証明あったっす」

「うおっ、なんだイズハか。久しぶりにビックリした~」


 周りが暗いと全く気付かないな。ホントびっくり。


 「クルーロさんが言うには直接戻るとクリア証明の在りかを教えるようなものらしいので少し遠回りして戻るそうっす」

「そっか。分かった」


 イズハはレオとセキトモにも伝えるべく、暗闇の中に消えて行った。と言ってもランタンの明かりが見える所に向かっただけだ。


「よし、俺も合流しよう」


◇◇


 皆が合流すると一旦、中央の大穴に向かうことになった。クルーロが遠回りするなら大穴まで行って戻るのが一番だとか言い出したのだ。


 中央の大穴に向かう途中で探索メンバーがクリア証明を見つけた時の話になった。

 クリア証明は柱の裏側、ロッカの頭より高い位置で柱に人工的に掘られた小さな四角い両開きの石扉付きの穴の中に入れてあったらしい。中には敷物が敷いてあり、クリア証明が載せてあっただけだとか。


「あると分かった上で探してないとあの場所には気づかないよな?

 下に宝箱として置いてあったら偶然見つけられる可能性あるけど、暗い中でわざわざ柱に明かり当てて探さないだろ」

「そうですね。情報を得ている者だけが見つけることができる場所でした」


「それより私が覗けない高さにあるってなんなのよ!」


「バンとロッカだけだったら相当見つけるの苦労したかもな。あはは」


 ロッカとバンは悔しそうだが努力で背を高くできる訳ではない。どうしようもない事だ。


「ああいうのはもう少し考えて配置しなさいっての」

「そうですよね。私たちで運営に抗議しましょう!」


 ロッカは背伸びをして覗こうとしたが見えず、周りでぴょんぴょん飛び跳ねていたそうだ。見つけたのはイズハでクリア証明を取り出したのはクルーロだ。


 他の討伐者グループを見かけ始めると、クルーロはクリア証明の在りかについて話すのを皆に止めさせた。


 一同が中央の大穴付近に近づいて行くと、大穴に差し込んでいた日の光が急に弱くなった。ダンジョンの外で雨が降り出したようだ。

 トウマは大穴にたどり着くと大穴から空を見上げた。顔に雨がポツポツと当たる。


「外は雨が降ってるみたいですね」

「3層はモンスター少なかったけど、これから湧くかもにゃ」


「あ、忘れるとこだった。明日はオフだからな」


 クルーロの話では明日はダンジョンのメンテナンスデーでダンジョンに入れないらしい。お知らせの張り紙がしてあったそうだ。もし、ダンジョンの中に残っていた場合、ダンジョンから出るように指導され、運営の指示に従わなければ証明の腕輪を没収されるようだ。


「中途半端に次の4層探索して一日空くと忘れちまいそうだ。

 昼も過ぎてるし、今日はここまででいいだろ?」

「レオの言うことも一理あるな。メンテナンス前後で何か変わる可能性もありそうだし、今日は気分よく3層クリアで終わりにしようか」


 周りにはもう諦めてセーフティゾーンに戻り始めている討伐者グループがチラホラいるようだ。奥の方からも戻って来ている討伐者グループがいる。


「あれ? トウマたちじゃねーか」

「師匠~!」


 奥から戻って来ていた討伐者グループはユニオン・ギルズの4人だった。


 ユニオン・ギルズはやはりセーフティゾーンで一泊したようだ。扉が閉まる事を知らなかったらしい。合流した12人の大所帯でセーフティゾーンに戻ることになった。ギルは奥まで行ったが空の宝箱が置いてあっただけでクリア証明は入っていなかったと話した。


 あれ? ひょっとしてヒントすら見つけてない?

 でもな~。クルーロが口止めしてるし、教えちゃダメだよな。

 皆も聞くだけでクリア証明を手に入れた事、話そうとしてないし。


 皆が気まずそうにクルーロを見ていた。クルーロもそれを感じたようだ。


「ダー! 分かったよ。ヒントの所在だけな」


 クルーロは宝箱の底にヒントが刻まれている事を教えた。二度手間をかけさせるのも気の毒なのでギルたちが見て来た宝箱に書かれていたヒントまでは教えることにしたようだ。


「マジか~。全然気づかなかったぜ」

「あとのヒントは自分たちで見つけろよ。

 こっちには何の得もないんだから」

「十分だ。気づかずにずっと探し回る事になっていたかと思うとその情報だけでも値千金だ。助かったぜ」


 実際、ヒントに気づかす第3階層を迷走している討伐者グループは多いようだ。


「で、いくら出せばクリア証明の在りか教えて貰えるんだ?」

「ほほう。君は金で情報を買おうというのか。

 まあ、それも一つの手だよな」


 クルーロが顎に手を当てて思案しているとタズが話を遮った。


「ギルさん! ダメですぅ~!」

「そうよ、ギル。タズは攻略を楽しんでるんだからヒントを貰うのはここまで」

「わ、分かったよ」


 クルーロは少し残念そうだ。


◇◇


 運営にクリア証明の在りかについて抗議すると思われたロッカとバンはユニオン・ギルズが一緒にいたので控えたようだ。クリア証明を渡して腕輪に第3層クリアの刻印を入れて貰った。


 ダンジョンから出ると、まだ雨が降っていた。


「雨降ってますけど、今夜テントどうします?」

「夜までに止めばよいですけどね」

「最悪、馬車の荷台で寝る事になるかもね。

 カリーナ、あんたんとこの宿空いてないかな?」

「どうだろうね。もし空いてたら教えるわ」


 ダンジョンの出口に着いたらクエスト報酬と魔石を換金だ。


【鼠(中型)討伐依頼 難易度D】

 討伐報酬 6万エーペル


【換金報酬】

 魔石・小 13個 2万5千エーペル。


 今回は二組8人で分ける事にしたので分け前は一人1万5千エーペル。余りはスレーム・ガングの管理費として貰い受けた。


「今回は宝箱も見つけられなかったし、こんなもんだよな。

 明日はダンジョン入れないし、今夜は飲み明かすかぁ~。

 レオもそれでいいだろ?」

「ああ、浴びるほど飲んでも構わないぞ」


 飲むという話にギルが反応した。


「いいな。俺たちも乗った!

 昨日はダンジョンの中に留まってたからな。酒が恋しいぜ」

「たった一日でしょ」

「ロッカ、分かってねーな。酒は命の水なんだぜ」

「アホか。飲み過ぎて翌朝死にそうな顔してるくせに」

「なはは。よく分かったな。見せたことないはずだが」

「この前うちに二人ほど、そういうのがいたのよ」


 少し反応した二人は素知らぬフリをした。


 タズはギルに念を押した。


「ギルさん、飲むのは構わないですけど、3層攻略の話は無しですからね!」


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