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スライムスレイヤー ~イシノチカラ~  作者: 亜形
第六章 ダンジョン編
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第100話 クリア証明の在りかを探せ

 ダンジョン3第2層のクリア証明を手に入れたA組(ワイルド・レオ+トウマ)とB組(トウマ以外のスレーム・ガング)の8人はセーフティゾーンに戻った。

 奥の部屋にいる管理の人にクリア証明のカードと腕輪を渡して部屋の外で待機しているところだ。


 しばらくして部屋を出て来た管理の人は2層クリアの刻印を押した腕輪をクルーロとバンに手渡した。


「これで第2層はクリアです。

 二組で手分けされたようですね。通常より早いペースだと思いますよ。

 次は3層ですが2層よりも簡単かもしれません。知っていればですが。

 おっと、これ以上は言えません。ふふふ」


「また意味深なこと言って~」


「その様子だと、クリア者から情報は貰っていないようですね。

 では第3層をお楽しみ下さい」


 どういう意味だったんだろう?


 一同は2層へのドアから出て階段を下り3層に向かった。

 階段から降りてすぐ右に大きな柱。3層は至る所に大きな柱がある広いフロアだった。辺りは暗いが遠くに小さな明かりが見える。方向からして大穴に差し込んでいる光のようだ。


「2層と同じような洞窟って感じじゃないわね?」

「先のほうは分かりませんが迷うことはないかもしれませんね」


「さ、まずはセーフティゾーンに寄って3層のクエストを確認しよう。

 3層は簡単って話だったし、今日でクリアできちゃうかもよ?」


「そんなに上手くいくもんかにゃ?」


◇◇


 セーフティゾーンに掲示してあるクエストを確認した。


 難易度D 『蜘蛛(大型)討伐』

 難易度D 『鼠(中型)討伐』

 難易度E 『カタツムリ討伐』


「大、中、小って感じか。難易度Eなんて久しぶりに見ましたよ。

 なんか簡単そうですね?」


「バカトウマ、よく見なさいよ。

 タグの付いているモンスターに限るとわざわざ書いてあるのよ」

「同種のモンスターが複数いると考えて良さそうですね。

 その中から探し出せといった感じでしょう」


「きっと、催しとして出してるクエストだな。

 これはパスしよう。わざわざ探してまでやるクエストじゃない。

 出会ったら倒すでいいよ」


 まだ早い時間帯なのでで3層探索開始だ!


「3層はただ単に広いだけかもな。とりあえず、中央の大穴に向かおう」


 魔石ランタンを持つのはレオとセキトモだ。レオが右でセキトモが左を担当。

 フロアが広いので両端を照らそうということだ。突然モンスターが襲って来ても大剣と盾持ちが端にいるなら防げるだろう。


「レオ、しっかり照らせよ」

「なんでオレが明かり係なんだよ」

「お前はマッピングもできないんだから戦闘以外で役に立てるならそれだ。

 背も高いしな」


 レオってワイルド・レオのリーダーだよな?

 クルーロがリーダーでよくない?

 俺もリーダーにされてるけど、同じ感じなのか?


 難なく大穴に着いた。途中、離れた場所でモンスターと戦闘している討伐者たちが見えたが一同は真っすぐ進んで来たのでモンスターと出会うことはなかった。進んだルートは多くの討伐者が通っているからだろう。


 大穴を迂回してしばらく先に真っすぐ進むと、先細りしていた。次第に狭くなり壁が近づいて8人が横並びで通れるかどうかの広さまで狭くなっていった。

 何組かの引き返してくる討伐者ともすれ違った。頭を抱えている者もいた。少なくともクリア証明を見つけた感じではなさそうだがこの先には何かありそうだ。


 行き止まりまで進むと屋根付きの石台があり、宝箱が置いてあった。


「こんなあっさり?」


 石台に置いてある宝箱に罠が仕掛けてあった例はない。宝箱を開けてみると何も入っていなかった。


「クリア証明入ってないにゃ?」

「どういうことだ? カード切れ?

 まさか、俺が考えた全部持って行くってイタズラを実行したやつがいるのか?

 さっきすれ違ったやつらの仕業か? いや、そんな雰囲気ではなかったな」

「クルーロ。あんたそんなこと考えてたの?」


 バンは空の宝箱の中を魔石ランタンで照らし、再度中を確認した。


「あっ、底面に何か文字が刻んであるようですよ」


 文字はこう刻んであった。


 ヒントを集めてクリア証明の在りかを探せ

 『セーフティゾーン』


 文字の横側にはマークが描かれている。円を横に切った半円の上側に葉が5枚足してある感じだ。手の形に見えなくもない。半円中央の根本部分に少し大きなくぼみ、5つの葉の真ん中の葉先にもくぼみがある。何か意味がありそうだ。

 バンはメモを取った。


「ははーん。分かったぞ。

 ヒントを集めてクリア証明のある場所を見つけ出せってことだな」

「クルーロ。それを書いてあるにゃ」

「あれだ。3層は謎解きフロアってことだ。

 広いだけで入り組んだ迷路っぽくないもんな。

 運営がこの層をどう活かすか考えた催しってことだろう」

「なんか誤魔化されたにゃ」


 そのヒントの一つが「セーフティゾーン」ってことなのか?

 まさか、セーフティゾーンの中に置いてあるとかじゃないよな?


「まだヒント1つじゃ全貌が見えないな。

 こういうときは一つ一つ考えられる可能性を潰していくに限る。

 まずは右壁に沿って戻って行こう。

 もし折り返すような場所があったらそのまま右壁に沿って進む。

 崖とかで途切れない限りずっと右壁に沿って行ってもセーフティゾーンに戻るはずだからね」


「なるほど。地道ですがフロア左側の全体像はそれで掴めますね」


 なんだかんだクルーロが方針決めてるよな?

 バンさんが納得したのならクルーロの言ってることは正しいんだろうけど。


 一同が右壁に沿って歩いて行くと、途中で折り返しがあった。そのまま右壁に沿って歩いて向かった先にまた宝箱が置いてある屋根付きの石台があった。


 「どういうこと? また宝箱合ったわよ」


 宝箱を開けると中は先ほどと同様に空。また底面に文字が刻んであった。


 ヒントを集めてクリア証明の在りかを探せ

 『柱』


 文字の横側には同じマークが描かれているが、5つの葉のほうのくぼみの位置が違った。前回は真ん中だったがその左横に移っている。

 バンはメモを取った。


「ヒントが二つになったな」

「でもこれではまだ何も分かりませんね。柱が目印なのでしょうか?」

「もう一個くらいヒント欲しいな。また右壁に沿って戻ってみよう」


 一同は右壁に沿って行くと、途中でまた折り返しがあった。そのまま右壁に沿って向かっていたらカタツムリの小型モンスターと遭遇した。十数体はいる。おそらく複製体だろう。


「こいつらどうします? 動きは鈍そうですけど」


 一掃した。こちらは8人もいるのだ。

 セキトモが倒したカタツムリには塗料が塗ってあり、タグを落としたようだ。

 ついでだが、難易度E 『カタツムリ討伐』成功だ。ちなみに魔石・小を落とした本体のカタツムリはバンが倒したやつだった。


 奥に進むとまた宝箱が置いてある屋根付きの石台があった。


 「これで3つ目ね」


 宝箱を開けると中は同様に空。また底面に文字が刻んであった。


 ヒントを集めてクリア証明の在りかを探せ

 『右側』


 文字の横側には同じマークが描かれているが、同様に5つの葉のほうのくぼみの位置が違った。前回の位置の左横に移っている。

 バンはメモを取った。


「右側って何だ?

 セーフティゾーンの右側? 柱の右側?」

「どちら側から見たかによっても右と左は変わりますよね?」

「それじゃあ、全然分かんねーじゃん」


 ロッカは懐中時計見て時間を確認した。


「少し急いだほうがいいかもよ。このままゆっくり歩いてたらセーフティゾーンに戻る前に扉が閉まっちゃうわ」


 一同は少し急ぎ足になりながらもまた右壁に沿って歩いて行った。途中でスライム、牙蟻、蜥蜴のモンスターに遭遇したが1体ずつだったので難なく倒す。

 そのまま進んでいるとセーフティゾーンがある付近に戻った。


「降りる階段もあるし、戻れたようね」

「中央から左側の分岐は2つだったようですね」


「扉が閉まる前に早く出るにゃ」

「腹減ったし、今日はこれでいいだろ?

 クルーロ、戻ろうぜ」

「ぐぬぬ・・・、運営め。明日は必ず解いてやるからな」


 一同はダンジョンから出た。

 地上の受付で換金。回収したタグを渡してクエスト報酬も受け取った。


【カタツムリ討伐依頼 難易度E】

 討伐報酬 2万エーペル


【換金報酬】

 魔石・小 36個 18万エーペル。

 鉱石(皆が拾って来た分) 3万エーペル。


 それと宝箱報酬 10万エーペル。


 合計は33万エーペル。今回はすべて合流報酬として扱ったので分け前は一人4万ずつにして残りはスレーム・ガングのパーティー管理費で貰った。


「バン、あとでメモ見せて。

 メシ食った後に皆で3層の考察するぞ」


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