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スライムスレイヤー ~イシノチカラ~  作者: 亜形
第六章 ダンジョン編
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第94話 いざ、ダンジョンへ!

翌朝-----。


 スレーム・ガングとワイルド・レオの2組はダンジョン3に向かっているところだ。皆は腕を通せる袖のある外套を羽織っていて色は茶系。スレームガングで揃えた外套はワンポイントで胸当たりに赤のラインが入っているものだ。ワイルド・レオの外套は何もあしらってない。


 外套は多少の雨なら弾くような防水機能がついているので雨天時の行動制限がなくなる。合羽変わりにもできるのは有難い事だ。


 それとトウマ、チナ、バン、セキトモの4人はパイプ棒を持っている。都市で購入した道具の一つだ。握り手の柄部分は鋼鉄製。柄に被せてあるキャップを取れば尖ったドリル形状になっていて硬すぎない岩盤なら刺したりねじ込んだりできる。これは魔石ランタンを先端にぶら下げられるランタン用の棒だ。長さは1mだが収縮可能で伸ばせば2mほどになる。地面や壁にさせば地面にランタンを置くよりは明かりを確保できるだろう。何よりモンスターとの戦闘になったとき、手が空けられるのは大きい。


 魔石ランタンはワイルド・レオが1つ所持していたので新たに購入していない。スレームガングの3つと合わせ組に2つずつ持つことにした。


 トウマはパイプ棒を振り回していた。


 この棒4本合わせてもセキトモさんのグレイブの重さには届かないだろうな?


 トウマは重撃飛槍のマネをしてパイプ棒を伸縮させるとロッカに怒られた。

 トウマを見てそれをマネをしようとしたチナは踏みとどまった。


 チナは弓と矢を背負っている。外套のフードを被っているにもかかわらず、内に猫耳フードを被ったままだ。


「チナさん、中の猫耳フードは脱がないんですか?」

「チナでいいにゃ。

 これは譲れないにゃ。いつ猫族と会うか分からないからにゃ~」


 猫族なんていないだろ?

 語尾が「にゃ」だし、猫好きがこじれたお姉さん?

 歳19ってホントだろうか? 「ボクは猫の生まれ変わりにゃー」とか言ってるし。


「待ってくれ~」


 レオとクルーロは昨夜飲み過ぎたようで朝食が喉を通らなかったようだ。フラフラとしながらついて来ている。馬車でダンジョンには入れない。町からダンジョンの入り口までは2kmほどなので歩きで向かっているのだがレオは大剣を引きずっていた。


「あんたの大剣せっかく持ってきてあげたのに雑な扱いするわね」

「じゃあ、持ってくれよ。まだ身体がダルい」

「そんな重い武器持てるわけないじゃない。飲み過ぎるからよ」


 そうこうしているうちに一同はダンジョン3の入り口に到着した。


◇◇


 ダンジョンに入る為、予定通り2組に別れて受付で入場料を払う。ここもダンジョン1,2と同じで3万エーペルと高い。


 ワイルド・レオ+トウマがA組。残るスレームガングの4人がB組となった。


 俺たちが新規では一番乗りみたいだ。

 あれだけ町に討伐者いたのに意外と新規は少ないのか?

 ギルたちはまだ来ていないみたいだな。


 ダンジョン3は切立った山脈の頂上が第1層、そこからダンジョン内に入り、下って第7層まである。第7層への出入口が目の前にある扉のようだ。各層にある出入口の扉はダンジョン内のセーフティゾーンと繋がっているらしい。

 扉からダンジョンの外に出ると当日中はもう入れないという規則があるようだ。扉から一日に何度も出入りさせないようにしているのだろう。セーフティゾーンで外に出るか休んで次の層に進むかの選択になる。


「ではA組の方々はその通路を登り、第1層エリアまでお進み下さい。

 30分経過後に次の組が出発しますので遅くならないようお願いします。

 なお途中にある扉から出入りできるのはその層をクリアされた方のみです」


「あの、ダンジョン内のクエストってどこに掲示してあるんですか?」

「第1層にはありませんよ。2層以降はセーフティゾーン内の掲示板に張り出してありますのでそこでご確認下さい。尚、ギルドの掲示板のように依頼書を剥がす必要はありません。モンスターに打ち込まれているタグを回収して来ることで達成とみなされますのでこの受付まで持ち帰って下さい」


「へー、分かりました」


 ちょっとワクワクしてきた。っとその前に7層分登らなきゃならないんだった。


 崖の側面に沿ってくり貫いた階段のような通路が山の頂上に向かって続いている。


 右側が空いたトンネルみたいな階段だな。

 これ何年かけて作ったんだろ?

 なだらかだけど1層分登るのに5分はかかりそうだ。

 まあ資材運んだりするのに急階段だとキツいだろうからな。

 一部は平坦な道みたいになってるし、頂上までざっと30分ってところか。


 クルーロが復活したようだ。レオも。


「よーし! 行っくぞー!」


「では、先に行きますねー」


 トウマはB組のメンバーにしばしの別れを告げた。


◇◇


 A組の一同は階段を登ってすぐに第6層の扉前に到着した。門番のように管理の人が立っている。


「腕輪未所持ね。新規は頂上まで行かなきゃならないから大変だよな。

 ま、第1層を見るだけでも壮観だから頑張れよ」

「はい。行ってきます!」


 そう言えば、まずは第1層で証明の腕輪を入手しなきゃならないんだったな。


 各層の扉付近に滞在している管理の人に挨拶をかわしつつ進む。

 たまに階段の外側で放水がある。


 排水? 角度的にダンジョン内部からみだいだな。たまたま下にいた人は水被っちゃわないか? 下は林みたいだし、大丈夫か。


 A組の一同は頂上に到達した。


 今、A組がいる場所は人工的に盛り土してある場所だ。すぐ近くには第二層に降りる内部階段がある。階段の入り口には開閉式の扉がついているようだ。


 岩壁の山だったはずなのに頂上の第1層から内部を少し見下ろすと木々の生えている緑の大地が広がっていた。

 中央付近の草原地帯には大穴が空いていてどこからともなく集まった水が流れ込み、滝のようになっている箇所が見える。

 このエリアは大穴を中心として物凄く浅いすり鉢状になっている。奥の端までは大橋で経由した小島くらいあり、エリア丸ごと隆起した大地といった感じだ。


 第1層の管理の人がA組の元にやって来た。


「ここからの景色は壮観ですよね?

 まずはこのエリアのどこかに置いてある宝箱の中から『証明の腕輪』を持ってここに戻ってくるのが第2層に進めるクリア条件です。

 腕輪を持てるのは組に一つだけですよ」


 クルーロは管理の人に聞いた。


「どこかにってどうせ一番奥のほうだよね?」


 管理の人は目をそらした。


「ははっ、やっぱりね」


 奥ってあっち側の端のほうだよな?

 あそこに見える大穴は迂回しなきゃならないだろうし、戻ってくるまで2時間以上はかかりそうだ。

 これじゃあ一日で第7層まで探索するのは不可能だな。

 疲れるから毎日は入らないだろうし町に滞在している討伐者が多かったわけだよ。


「腕輪の入った宝箱以外にも各所に宝箱が置いてありますよ。

 探索してみるのも一興です。

 あ、大穴からロープなどで下の階層に降りる行為は禁止としております。

 危険ですのでお止め下さい。

 それから他の組と合流するのであればここでお待ち頂いても構いませんよ」


 ダンジョン内で合流するのは管理側も折り込み済みのようだ。


「確かに合流して増員すれば探索時間は短縮できます。しかし、多くなり過ぎると探索に参加できずに楽しめない人が増えるようです。統率も取れなくなりますし、動ける自由度も減ります。報酬は予め配分など決めておかないと争いの原因にもなりますよ。その点はお気をつけ下さい」


 そういうことか。

 合流は利点だけじゃないのね。


「それと、使わない荷物は置いて行っても構いませんよ。管理小屋にて無料でお預かりしております。ここは頂上ですし、日中は明るいのでランタンなどは必要ないでしょう。因みに荷物をお預かりできるのはこの層だけです」


 A組の4人は管理小屋に行き、A組と書いてある箱の中に不要な荷物を入れた。頂上は日が差しているので必要なさそうな外套も脱ぐ。


「B組が来るのここで待ちます?」


「置いてくに決まってるじゃん。どっかで合流できるって。

 俺たちは先に行って未知のダンジョンを楽しもうよ!」


 A組の4人は一足先に行くことにした。


 いざ、ダンジョンへ!


とうとうep.100まで来てしまった。次話から目次2ページ目に突入?

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