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第四話 胃袋を掴まれる

と、言うわけで近所のスーパーにやってきた。

「えーっとサーモンは…」

「てかメニューはなんなの?」

「秘密ですっ。そういえばサーモンは食べられますか?」

「サーモン?食べれる食べれる。なんなら好物」

「良かったです。なら気に入ってくれると思います」

「そこまで言われると、楽しみになってきた」

「お任せください」

と自信ありげに控えめなドヤ顔。うーん、可愛い。

「家に卵ってあります?」

「ああ、あるよ。他にも調味料とか小麦粉とかその辺は集まってるよ」

「へぇ。自炊、するんですか?」

「いや、親が俺が大学通うために引っ越す時に一式揃えてくれたやつが有り余ってる」

「なら私が腕にりをかけて作らせていただきます!」

と、それからはパパッと必要なものをカゴに入れていく。

「あ、エコバッグ忘れたな。袋一枚お願いします」

「エコバッグなんて持つんですね」

「意外か?」

「い、いや!違いま…せんけど、男性が持ってるのをまあまり見ないので」

「ま、それも親がくれたやつだしな。くれなかったら絶対自分で買ってない」

「……親に愛されてるんですね」

「いや世話焼きなだけだけどね」

すると横でボソッと何かを言った気がするが、声が小さくて聞こえなかった。

「………いいなあ」





家に帰って、早速料理を始めていく。

……普段自炊をやらない俺が後ろで見てるだけでわかる。手際がいい。料理はよくしてたんだろうか。

「米は要りますか?もし良ければ早炊きしますよ」

「じゃあお願いする」

「分かりましたっ」

邪魔になるかもしれないため特にやることもなく後ろでスマホをいじること30分ほど。

皿や箸などは先に配膳しておいた。

「出来ましたよ」

「おっ出来たか……って初めて見る料理だな」

「これは『サーモンのレアカツ』です」

「れあかつ?」

「はいっ。中まで火を通さずに外側をカラッと揚げるんです」

「へえー。めっちゃ美味しそう〜」

「ふふっ。じゃあ頂きましょうか」

「「いただきます」」

初めて食べる料理に密かに心を躍らせながら食べ始める。

「何これ…むっちゃうめぇ…」

「本当ですか?美味しいと言ってもらえて料理人冥利につきます」

「毎日でも食いたいってくらい美味いんだが…。もう胃袋掴まれたわ」

「えぇっ!?そこまでですか…あ、ありがとうございます……」

そうしてみるみるうちに無くなり、一瞬で完食してしまった。

「ふぅ〜食べた食べた。満足だわ」

「ご馳走様でした」

「お粗末さまでした」

「やばい、君の料理ほんとに美味しいわ。出来るなら毎日食いてぇ……」

「…じゃあ作りましょうか?」

「へっ?」

「だって、私をここに泊めてくれるんですし、そのくらい全然やりますよ?というか、やらせてください!!」

「ま、マジで?」

「はいっ!」

「じゃあ……お願いしても、良い?」

「勿論です!!!」

マジかよ!、と無意識に毎日の飯が楽しみになるのだった。



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