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ナコの街2  作者: 七宝
8/13

アビボ共和国①

 こんにちは、ナコです! 昨日は特にこれといった話もないので、私の学校での様子をお見せしまーす! 通学から帰宅まで全部見たい方は前作にあるのでそっちを読んでくださいねー! あー、メタいメタい。


 朝からストレスが凄いんだよね。なにがストレスかっていうと、この担任の松田先生。この前は子どもしか愛せないって発言しててみんなに引かれてたし、いつも田んぼでタニシ食べてるし、イルカに乗って学校来てんだよね。みんな自分の足で階段登ってるのに、4階までそのままイルカで登ってくるんだよ? ウザくない?


「みんなおはよう。さぁ、授業を始めるよ」


 出ました松田先生。担当は日本史だが、この世のものと思えないほど面白くない。なので皆雑談している。


「今日は大事なところだからちゃんと聞いて!」


 珍しく松田先生が怒っている。よほど伝えたいことがあるのだろう。


「いいですか皆さん、人類は皆ハゲているんです」


 自分がハゲてるからって何を言い出すんだ。とち狂ったか。


「街中でふさふさの人を見かける? 今日みたJKの髪がツヤツヤだった? 全部植毛に決まっとるだろ!」


 元々おかしな人だとは思ってたけど、ついにここまで来てしまったか。


「みんな先生のことをバーコード頭って言ってるけど、今日はもっとすごい人連れてきたからな! お願いします、先生!」


 なんでもありになってきたな。でも普段の授業のつまらなさを思ったらだいぶマシだ。


「みなさんこんにちは。松田君の師匠の松ァ田と申します」


「先生、みんなに見せてやってくださいよ! アレを!」


 アレってなに? 松ァ田って苗字こわいんだけど。


「くらえーっ!」


 そう言うと松ァ田はきっかり90度にお辞儀をした。なぜここでお辞儀? と思ったが、私の目にとんでもない物が映った。QRコードだ。松ァ田の頭がQRコード頭なのだ。


「もう帰ってもらって大丈夫です」


 松田先生がそう言うと松ァ田は帰って行った。


「さぁ、次は俺の取っておきの特技、妖怪はげぬるを見せてやろう!」


 こいつ授業をなんだと思ってるんだ。こんな事で我々はこの先⋯⋯プルルルルルル! あ、電話だ。


「先生、ちょっと抜けます!」


 そう言って私は教室を飛び出し、屋上に上がった。大親友のミーコからだ。彼女は同じクラスなのだがいつもひとり旅ををしており、基本出席しない。


「ナコ! 右の反対ってなんだっけ? なんだったっけ! 全然思い出せなくて頭おかしくなりそうなの!泣」


 右の反対ってどういうこと? 左ってこと? そんなことわざわざ電話で聞かないよな⋯⋯どういうことだろう。


「左のこと⋯⋯?」


「そう! それだ! ありがとうナコ!」


 まさかのビンゴ。バカなのは知ってたけど私レベルだと思ってたよ。まさかここまでだったとは。


「それで今どこなの? 日本には居るの?」


 地球上のどこにでも行くヤツだからね、ミーコは。一応念の為に。


「ノンノン笑笑」


「もしかして、またアビボ共和国?」


「そーなのよ泣」


 こいつどんだけアビボ好きなのよ。


「早く出てこないとまたアビボ化するよ! 前回大変だったでしょ!」


 前回はミーコの顔が濃くなりすぎて、戻すのに2ヶ月かかった。2ヶ月間熱湯に顔を浸し続けるわけだけど、アビボ化が酷ければ2ヶ月では済まない。2ヶ月でさえ息を止めるのは辛いのに、それ以上になったらもうミーコは死んでしまう。


「¥☆○〒〒%(^-^)」


 言葉がアビボ化してる! ということはもう顔は完全にアビボってるってことじゃん! もう手遅れか⋯⋯


「&&&&&&&(^-^)」


 もう彼女はアビボ共和国で生きていくしかないようです⋯⋯もう会えないのかな。私がたまに会いに行けばいいか。でもアビボ化したミーコを見つけられるだろうか。前作では憧れの人だった三村くんが火星人になっちゃったし、今回は大親友のミーコがアビボ人になっちゃうし、ついてないな本当に。


「じゃあね」


 何言ってるのか分からないのでとりあえず電話は切った。その後すぐ、ミーコからメールが来た。


『ごめんね』


 全身がざわついた。ダメだ、もう誰も失いたくない! 今からアビボに行こう!


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― 新着の感想 ―
[一言]  仲良し五人組にはいってないコですね。  奇面組でいう、鈍ちゃんですね♡  
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