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ナコの街2  作者: 七宝
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お友達紹介①

 こんにちは、ナコです! 夜中寝てる間に来る地震って嫌ですよね! 棚の上に置いてあった芝刈り機が落ちてきて、朝起きたらハゲてた! なんてことも。ああ恐ろしや。その点ナコの街は4年前から浮いてるので地震の心配はありません!


 って言ったけど、これ実話なんだよね⋯⋯私の友達にサンバサンバブンバボンバって子がいるんだけどね、まさにその被害者で昔から落ち武者ヘアなの。こんな事件がお母さんのお腹の中で起こったなんて、怖いよね。その時世間はお母さんを責めてたらしいの。お腹の中に棚とか芝刈り機とか置いとくなよって。私もそう思う。


 そういうことでね、今日はサンバサンバブンバボンバの紹介をしていくよ! この子は本当に面白い子でね、明るくて友達も多くて、とにかく狂ってるの! こんな変なやつそうそういないよ!


「まったく、本人の前でそんな紹介の仕方するなんて⋯⋯まあ、呼ばれたからやるけど。どうも、中村サンバサンバブンバボンバです。名前のせいでミャンマー人ですか? とか、ハーフですか? ってよく聞かれるけど、純日本人です」


「もしかして自分の名前あんまり気に入ってない?」


「いや、めちゃくちゃ気に入ってるよ」


 良かった。自分の名前に自信を持つことは、自分に対しての自信にもなると思うの。私みたいに図太い人間ばかりじゃないのは分かってるけど、とにかく自分に自信をつけるのが楽しく生きるコツだと思う! さてお次は私のインタビュー恒例の質問、好きな食べ物です。


「今食べてるよ」


 そう、こいつさっきからずっと何か噛んでるんだよね。ガムかな。


「ガム? なに味? ていうか好物ガムなのかよ」


「枝豆の皮だよ」


 ガムのほうが良かったよ。好物を聞いて枝豆の皮が挙がるなんて誰も思わないよ。


「今若干引いたでしょ」


 若干というか、うん。だいぶ。


「塩ゆで枝豆って美味しいじゃん。実はね、皮も同じ味するんだよ。皮って聞くと渋そうとか青臭そうとか思うと思うんだけど、マジで枝豆の味そのものなの!」


 えらく熱弁しているけど、それなら好物枝豆でいいのでは? まあいいか。


「趣味は?」


「実験かな。この前作った粉が1グラム4万円で売れたよ」


 合法なのかな?


「グラム4万円のクスリいりませんかー? グラム4万円のクスリいりませんかー?」


 あ、寸劇始まった。クスリって言ってるし。趣味でクスリ作るなんてやっぱりサンバサンバブンバボンバは天才なんだな。


「ああ、このままだと凍えてしまう⋯⋯少しだけ舐めてみよう」


 マッチ売りの少女?


「ああ、暖かいスープにチキンが見える」


 幻覚見てるじゃん! 見えるだけじゃ意味無いし!


「気分が良くなって24時間全裸で走り回って最後に交番にゴールするクスリです」


 裏取引をするようなヤツらはみんなこれを買って必ず捕まるんだね。素晴らしいクスリだ。


「最後に一言どうぞ」


「私のことを破天荒なやつだとか言って喧嘩を売ってくる人達に忠告します。私は毒が強いので、ひと口食べるだけで親戚ごと全員死にます。その覚悟で来いよ」


「ありがとうございました!」

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― 新着の感想 ―
[一言]  親戚ごと。  それは毒ではなく、呪いです。
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