腹痛
私は大仏
あなたも大仏
みんな大仏
クラスに1人くらいは大仏?
ノンノン
クラス全員大仏
「委員長〜」
どうしたんです
「漏らしちゃった〜しかも原液!」
大仏の私でもさすがにこれは処理できませんね⋯⋯原液となると、校内にいるのは危険ですね、避難指示を出しましょう
おぱんつ
「誰ですか、こんな時に私の頭におぱんつを被せるのは。余計に神々しくなってしまうではないですか」
「あ! あの大仏ニヤけてる! 変なの!」
誰です? 私に失礼なことを言うのは
おぱんつを被れば誰でもこんな顔になりますよ
悟っているのです
ハッ! 変な夢見た!
おはようございます、ナコです! うっ、お腹が⋯⋯痛てぇ。
「ナコー! 早く起きないと遅刻するわよー」
お母さんが呼んでるけど、めっちゃお腹痛くて返事もできない。
「仕方ないわねぇ」
お母さんが学校まで車で送ってくれることになった。今日休みたいんだけど。
「ってなわけでさぁ、めっちゃお腹痛いんだよねぇ」
自分の状況を聞いてもらいたく、特に仲がいい訳でもない隣の席の坂田みなみに話しかける。
「ナコちゃんまた拾い食いしたんじゃないの?」
拾い食いか⋯⋯あのルアー食べちゃダメだったのかな。かえしが胃に刺さってるのかなぁ。あー痛てぇ。やっぱり無理だ、ちょっと先生に言って保健室行こ。
「先生、すみません」
手を挙げ席を立つ。横にずれようとしたその時、私は机に膝をぶつけた。
「どうしました? 長辺さん」
「膝ぶつけたあああ! お皿取れたあああ! 洗って戻さなきゃああぁぁぁぁぁああ!」
私は痛さのあまり教室を飛び出してしまった。しかしこれは結果オーライ。どの道授業を抜けるつもりだったんだ。
「甘ったれんじゃねぇ! 戻れ!」
保健室の先生に追い返されてしまった。仕方なく戻ることにした。ゆーっくり遠回りしながらね。
「お、体調はどうだ?」
教室に戻ると担任の松田先生がいた。ということは今から日本史か。
「体調悪いですけど追い返されたんで戻ってきました」
松田先生の授業はこの世で一番つまらないので、基本周りの子と雑談をして過ごす。どれくらいつまらないかというと、タラコの粒を20腹分数えろと言われて無給でやっている時くらいつまらない。
「昨日の夜、バイト終わって自転車で帰ってたらさぁ」
この子はお友達のゆっこ。いつも私の家で集まるメンバーの1人だ。
「途中で荷台を掴まれた感覚があって、もう血の気が引いて冷や汗だらだらで、振り返ることも出来なくて、ひたすら自転車漕いで家帰ってすぐ布団にくるまって寝たの」
「こわ〜」
本当に怖いのでこわ〜、しか感想が出てこない。本当に美味しいものを食べた時も、あれがこうだのどうだのって言うより、美味しい! って言っちゃうよね。
「んでね、朝起きて外出たら、自転車の荷台に長い髪の毛が絡まってたの」
「羨まし」
松田先生が割り込んできた。自分がハゲてるからって怖い話に水を差すのはやめてほしいな。⋯⋯やっぱりお腹痛いなぁ。保健室の先生はもう当てにならないから勝手に早退しよう。
お母さんに電話したら来てくれた。家に帰ると、妹の奈子二がいた。お前も早退したのか。
「くそぅ、お姉ちゃんがいない間にプリン奪おうと思ったのに」
プリンなんか買ってねえよ。毎日毎日プリン買ってきてると思うな親と金。あれ、よく見たら奈子二の頭にピンクの物体が⋯⋯
「奈子二、何被ってるの? もしかしてベーコンじゃないよね」
ベーコンっぽいんだけど、さすがにそんなわけないよね。でも一応聞いてみる。
「そうだよ、さっき巨大ベーコンでターバン作ったの。作ってすぐ冷凍したからベトベトにはならないよ!」
そうか、奈子二は頭が痛くて早退して、今頭を冷やしてるんだな。そうに違いない。そうであってくれ。
「これね、髪に良いんだよ」
違うのかよ。なんだ髪に良いって。そんなわけないだろ。てか、髪気にするような歳か?
「もしかしてそのターバンの中って波平ヘア?」
「いや、サイドがサザエさんでてっぺんが永沢君になってる」
かっけぇな。




