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ナコの街2  作者: 七宝
11/13

鼻をほじる日!

 鼻くそを食べる描写が1回出てきます。苦手な方は閲覧をお控えください。

 こんばんは、ナコです! 明日は鼻をほじる日なので早めに寝たいと思います!


 2時 就寝。


 夜更かしは美容の敵だからね、早く寝るに越したことはないよ。


 7時 起床。


 たっぷり睡眠を摂るのもとっても大事なこと。


 7時2分 鼻をほじる。


 本日6月12日は祝日だ。しかもただの祝日ではない、鼻をほじっても許される日なのだ。普段国民は鼻をほじると重い罰を与えられる。ここでひとつナコの小学生時代のエピソードを紹介しよう。


――


「先生、ナコちゃんが鼻ほじってまーす!」


 当時1番仲の良かった友達の城ヶ崎さんは私を売った。人生で初めて経験した裏切りだった。


「校庭100週走りっぱなしの全教科0点!」


 子どものうちはこの程度の罰で済まされるが、成人してからこの罪を犯すと最悪終身刑だ。


「私のことばっかりいいやがって! 君はどうなんだ!」


 死なばもろとも、貴様も道連れだ!


「私は自分ではほじらないよ、アイドルだから。鼻ほじり係雇ってるよ」


 え、それは合法なの?


「時給3600円。1分で終わるから基本60円だけど、みんな時給に釣られて来るのよ」


――


 この過去を持つナコは今日以外鼻をほじることはない。法令遵守というより、罰が怖いのだ。


 7時12分 就寝。


 この世で1番楽しいこと、気持ちいいこと、嬉しいこと。それは二度寝だ。二度寝の魔力の前には友達との予定や会社、学校など存在しないも同然なのだ。でも私は友達を裏切ることはしたくないから、ちゃんと予定通り会いに行くよ。


 9時 起床。


 完全に起きた。実は本日6月12日は作者の誕生日でもあるのだ。ゆえに、この日鼻をほじる者には詩人が1人付く。


 9時1分 鼻をほじる。


『鼻ドリル』


 詩人といっても詩を読むばかりではなく、普通に感想を言ったりもする。


 10時 友達と待ち合わせ。


 今日は駅前で新しいお友達の煮魚マロンちゃんと待ち合わせ! 遊び尽くすよ!


『花粉で弱った粘膜を傷つけるのはNG』


 10時4分 互いの鼻をほじる。


 今日はその日なんだから、会ったらこうするのが当たり前だよね!


『あなたに傷をつける。愛の証として一生消えない傷をつける』


 12時15分 もう1人のお友達、リサちゃんの家に到着。


『愛とは暴力だと思う』


 12時15分5秒 3人で鼻をほじり合う。


 地元の人々に魔のトライアングルと恐れられる。


『気持ちいい 気持ちいい』


 12時22分 ついに鼻血が。


 マロンちゃんが鼻血を出した。リサちゃんの人差し指は真っ赤だ。


『響き合う鼻と指 滴り落ちる赤い液体』


 13時10分 鼻血出た時にやめとけば良かったね。


『愛ゆえに傷つける もうあなたを汚したこの傷は消えない 消えない 消えない』


 13時13分 やばい出血やばい救急車呼んで。


『あなただけでは飽き足らず 知らない女を知った 知らない鼻をほじった』


 15時20分 煮魚マロン逝去 失血死。


『鼻血は別の鼻血と混じり、指は赤く染まっていた』


 19時 お通夜 ショックのあまり鼻をほじる。


『そう、それは大事な液体と液体との触れ合い』


 19時7分 私もほじりすぎて緊急搬送。


『あなたと私が触れ合っている ふたつがひとつになる大事な交わりあい』


 なんてこったい。私まで救急車で運ばれる羽目になるとは。私の一大事ということで、詩人は帰っていった。リサちゃんは私に付き添ってくれた。


「次はいつウチ来る?」


 こんな時でも遊ぶことしか考えていない。リサちゃんはそういう子なのだ。


「リサちゃんが深爪したって情報が入ったら行くよ」


 リサちゃんは爪がとても鋭い。鋭すぎるほどだ。この鋭さは恐らく爪を切ったばかりなのだろう。


――


 さて、あなたはこのお話を見て何を思ったでしょうか。作者の伝えたいことは伝わったでしょうか。


 つまり私(作者)は、人は大きな原因が無くても死んでしまうということを言いたかったのです。


 鼻をほじることだけではありません。友達にひどいことを言ったことはありませんか? 言った方はそんなつもりがなくても、言われた方はその事で長い間苦しみ、最悪死んでしまうことだってあります。


 だから何ですか。私の人生さえ良ければそれでいいんです。私の言葉で誰が悲しもうが、誰が死のうがどうでもいい事なのです。という方がいらっしゃったら、一言言わせてください。せめてこれだけは最低限守っていただきたい、ということがあるのです。


 鼻をほじる時は入念な除菌を怠らないようにしてください。それがパートナーへの愛情表現にも繋がります。


 パートナーの初めての出血を支配欲の対象にしないでください。人を傷つけているということを忘れないでください。


――


「カニバリズムこそ至高。これが愛の形」


 リサちゃんが怖いことを言いながら私の鼻をほじり、鼻くそを口へと運んでいる。


「ちょっと塩気がきついな、食生活にもっと気を使ってよね!」


 文句言われちゃった。疲れてると思って濃いめの味付けにしてみたんだけど、失敗だったか。


 やばい、意識が遠のいてきた⋯⋯最近血を失うことが多い気がする⋯⋯あ⋯⋯また輸血のことでお医者さん困らせちゃうよ⋯⋯

 

 ここからまた第2話「三途の川」に繋がります。そうです、使い回しです。2度楽しめるお話なんて珍しいですね、偶然ですが。


 言い訳させてください。今回のお話は作者が書いたものではありません。私の中にいる妖精が書きました。許してください。

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― 新着の感想 ―
[一言]  つねに、烏龍茶のペットボトルを持ち歩いてください。
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