辛い行軍
午前中の入隊式が終わり居室へ移動する
個人ロッカーへ服を入れるのだが入れる順番が決まっている
帽子の置き方場所全てだ
ベッドは二階建てで、どちらが上になるかはジャンケンではなく既に決められている
貴重品入れには鍵を掛けて肌身離さずもち歩く事に
紐で括り付けネックレスの様に持たされる
自習室もあり、そこに基本教科書全てを置いておく
次の日に必要なものだけを持って行く
教科書には番号を振り、これも一番から順番に決まって振る
靴についてもそうだ
革靴から編み上げ靴まで置き場が決まっている
洗濯、アイロン、靴磨き等全部自分でやる
大体初日で部屋での上位が決まる
自分は立てに宣雄とついていないため底辺に属する
明日からは授業が始まる
次の日点呼から始まり朝の体操、食事八時に教室
のはずが今日はグランドに集合
3年生がすでに待機しており、見本行軍が始まる
その後一年生全員で行うが当然合わない
「太鼓の音に合わせろ」
ドン ドン ドン ドンと四拍子で刻まれる
「右からだ声出せ、右 左 右 左」
「合うまで終わらないぞ」
「余分なことを考えるなら、音に合わせろ」
1時間が経ち、50名が呼ばれる
「お前達やってみろ」
ドン ドン ドン ドン
「お前達はOKだ、休憩しろ」
「合うまでやるぞ」
隣で教官達も一緒に歩いている
太鼓もずっと一人で教官が叩いているのだ
ただ命令しているのではなく全く同じようにやっているのだ
僕たちが終わるまでずっと
休憩していた僕は行軍の中に入り再度一緒に行軍練習をし、今日1日の授業が終わる
今日は一日これに当てていたらしい
教官にとっても魔の一日だったようだ
特に太鼓を叩く教官は凄く大変だ
そういえば、まだこの時代は陸海空共にこの様な学校があったが今は予算の関係で無くなったのを海上自衛隊の艦と潜を特化した学校を無理やり通した形で2年後に復活する
この行軍はこの一日に終わらない事は後で知る事になる