入隊式(過去2')
教室に入ると、やはり男子しかいない
女の子一人もいないんだと、まぁ当たり前だよね誰好んで高校生になる女子が陸自なんかに来る訳が無いと思っていた
他の机で既に仲良くなったのか話し声が聞こえる
「男子校だから女子が居ないのはしょうがないけど先生とはいるのかな?」
「女性の先生でなく、筋肉マッチョの先生だよ有無言わさない様に」
「やべーな」
あぁここ男子校だったんだ、知らなかった
通りで家族以外女性見なかったのか
自衛隊員すら見ていない
すげ〜な自衛隊の人迷彩服ばかりだ
事務関係の人なのかスーツみたいなのを着ている
カッコいい
キャップかぶっている人や、ベレー帽をかぶっている人、ベレー帽でも色が違うんだと思いながら見ていた
まぁ始まるまでは机で寝ていよう
迷彩服を着た男性が教室に入ってくる
担任か?と思っているとただの案内人だった
出席番号順に並び講堂まで歩いていく
列が乱れる事があれば注意される
「何時迄も中学生気分では困るぞ、並んで歩く事すら出来ないなら今からでも家に帰れ」
何言ってんだこの人、こんなに厳しいの此処
今思えば、これから先規律など本当に厳しい世界が待っている。高校生の年齢ではあるが一応自衛隊に入隊する訳だ。厳しさを教えていたのだと思う
本当に辞めさせるつもりならもっとやり方はあるだろうから
しかし、歩く事を本当に教えられるのは数日後である事に僕らは知らなかった
講堂についた僕らは前から一組が座り順番に席についていた
来賓席と僕らが座る席以外は埋まっていた
保護者はもう席に座っていた
父さんはどこに居るのだろうと端の方から見て行った
父さんは常に真ん中にいるタイプではなく、端の方でなるべく目立たない様にしている
実際には行動ではすごく目立つ
保守派の日本には改革はの父は合わないだろう
常に白い目で見られている
この様に発言等無い様な場所では無に徹しているのだ。たった1日しか会わない人と仲が悪くならない様に空気を演じている
端の方は顔も小さくなり分かりにくいが、目があった様な気がした
父さんが顔を背けたからだ
なんだかんだと言っても心配してくれているのだと心が暖かくなった
席に着き九時になった
入隊式が、始まるのだ