鳴き声どうにかしよう?
少しずつ、書くことを意識して。
馬がいた。
シマウマだ。
だがシマウマって黒と白の縞々模様だったはずだ。
黒と、紫色をしている。耳は濃い青色をしているが、身体のベースは黒、それに紫色が縞々を描くようになっている。
「……あれ友達?」
「キュウキュウ……」
「ニャ!」
どうやらキュ―リの友達らしい。こいつらの交友関係は一体どうなってるのか気になるところだが、問題はそこではない。
ルルは良かった。だがキュ―リであれなのだ。ならば、こいつは……
「こ、こんにちは~……」
「ワフ?」
「……犬じゃねーか!」
明らかに見た目馬じゃん!歩いてきたであろう地面は周りの紫色よりもどす黒く変色し、如何にも触れただけで危ない雰囲気を醸し出している。
そして真っ黒な鬣。あれめっちゃかっこいいんだけど……な、撫でたりとかしていい、のかな?
「あの、触ってもいいです?」
「ワ、ワフ!?」
「隙あり!」
「ワオーン!!」
犬かと思ったが狼だったらしい。まあ、鳴き声はもう諦めよう。
そ、想像以上の手触りだ。フワフワのもっふもふ。なのに上での方は触っただけで肌が切れそうなほど鋭利な作りになっている……ずっと触ってられるな。気持ちいい……。
「ニャ~」
「ワフ……ワフ~♪」
「キュキュ、キュ!」
あ……まず、いな……ここに頭を預けると、眠気が、襲ってくる……まだ、こいつが危なくないかどうか、見極められてない、のに……。
***
『どうだい?最近出会った不思議な生命体は?』
『ああ、そうだな……俺は、この腐死の能力のせいで凍らせることが出来るお前以外とは、関わったことがなかったんだ』
『うんうん』
『だがこいつは……俺に触れている。怖くないのか?』
『はっ、どうせモフモフがある、触りたい!とかしか考えてないだろうよ』
『口が悪いよ、ルル。貴女は一応雌として作られているのだから、その口調をまず直して……』
『うっせ!いいんだよ、別に。コイツはあたしのことを分かってくれてるからな』
『……どっちかといえば趣味嗜好が似てるからだと思うけどなぁ』
『……ルルと言ったか』
『あ?なんだ爺』
『爺呼ばわりとかいい度胸だな……んんっ、この雄はどんな奴だ』
『……不思議な存在だ。ある日突然あの地面の上で寝てたところを発見してから、ずっと共に行動しているが……あたしを見て怯えたかと思えば気色悪い笑みを浮かべたり、あの清浄の壺に入ろうとしたかと思えば、野蛮化して……あたしの炎を見て逃げ出したが、次には有効な手段として使い始める……一緒にいて飽きない存在、とでもいいのか?そんな感じだな』
『キュワは……』
『今の私はキュ―リ。そう呼ばれているわ』
『キュ―リ、お前から見たこいつは?』
『……面白い、かしら。いきなり叫び出すし、かと思えば私の吹雪で凍り始めるし、死獣であることを知ったかと思えば神妙な顔つきをして……ルルと同じで飽きない存在、というのが適切かも』
『そうか……よし、俺もこいつについて行くか。この森に追放されてからほとんど一人で過ごしてきたからな……暇潰しには持ってこいだ』
『それに?』
『……俺の鬣を触る手つきが気持ちよかった』
『ずりぃぞ爺!いつもはあたしがくっついてるってのに!』
『爺呼びやめろ。殺すぞ』
『へっ、逆に燃やし尽くしてやる』
『……本当に、気持ちよさそうに眠ってますね。私も眠ろう……おい、お前ら。少し黙れ』
『『……』』
『これでよしっと!』
彰人が眠った後。
ルルと馬が氷漬けにされていたのだが、キュ―リと少し離れた場所で眠っていた彰人は、気づくことはなく、眠り続けていたのだった。
……さて、どうしましょうか。展開が勝手に進むからついていけない……勝手に喋らないで欲しいなぁ……。