ここは知らない世界
毎日書くって難しい……。
早くも書けてないって言うなぁ……。
キュ―リという新たな仲間?を得た翌日。
いや、空が曇ってるから既に何日目とか、時間はよく分からないんだけど。
「キュ」
「ニャ」
「よう、じゃないんだけど」
ようやく起きたのか、とでも言いたげな二匹?二体?二人?は前に俺が齧っただけで死にかけたキノコもどきをもきゅもきゅと食べていた。
……可愛い。
分かっていただけるだろうか。この、なんとも言いにくい生物たちの、小さくキノコをかじっていく姿を。
起きて早々こんな光景を見られた俺はついている。いや、まずここどこ?って言いたいんだけどね。
白い地面は前よりは小さくなっているものの、以前、寝っ転がりやすい地面のままだった。久々に長く寝られた気がする。
化け物共の蜜を求めて彷徨っていた頃には気にしていなかったのだが、正気に戻ってからというもの、ずっと木の上で寝ていた。
ドロドロしている毒の中で眠る気にはならなかったし、何より、木の周りには沼がないことを知ってからは木に寄り掛かるか、木の上で眠るのが普通だった。
まあ、硬い。硬いったら硬い。
ふかふかの布団で眠ることがどれだけ幸せなことなのか、ここにきて心から思った。
身体が休まることなんてない。それでもこの白い地面はまだマシなのだ。硬いけど横になれて、手足を伸ばせるだけ。
さて、今日は何をしようか。
現状、困っていることは寝床の問題だが、最悪である寝ていたら沼に沈んでいて死んでいましたなんてことにはなっていないから、後まわしするとして。
……一生この森で生きていくつもりなんてないから、この森がどこまで続いているのか見てみるかな。
「ルル、キュ―リ。俺はこの森の端まで行くつもりだ。お前らはどうする?」
「キュキュ!」
「ニャー!」
俺が歩き出すとついてくるから、ついてくるらしい。暇なんだろうな。ここって娯楽も何もない。ちっ、スマホをズボンのポケットに入れておくべきだった。
ここに来るなんて分かんなかったけどな。いや、どっちにしても電波がないか。
歩く。ただひたすら歩く。
白い地面のところに戻れるように、今回は木にしるしをつけていく。
もちろん、つけるのは俺ではなくルル。
ルルの炎を限りなく小さくしてもらい、少しだけ木の表面を焦がす。
こうやって帰り道を分かるようにしておかないと、前回みたいな迷子状態に陥ってしまうからな。俺は賢い生き物なのである。……いや、学習する生き物ってのが正しいのか?
歩いているうちに、少しずつ木々が減ってきていることに気が付いた。
これは、もしかすれば人がいるのか……も?
「……キュウ?」
「ニャ?」
俺たちの前には、横たわっている人……らしきものがいた。
いや、横たわるって言い方は正しくない。倒れてるが正しいだろう。
見た目からして、俺よりも身長は高いだろう。服装からして村人Aのような感じではあるが、腰には二振りの剣のようなものを佩いている。
ピクリとも動かないが、近づいたら襲い掛かってくるかもしれない。人だとは思うのだが、なんとなく違和感がある。
「キュ!」
遠目からの観察を続けようとしていたのだが、いつの間にか近づいたルルが身体の向きを変えるように蹴った。
ひどいなコイツ、倒れている人を蹴るとか何考えてんだ……あーいや、うん、そうだな。もうちょっと蹴ってくれない?
「ニャ!」
次はキュ―リだ。口から冷気を吐き出したかと思えば、倒れていた人もどきの三つある目を全て凍らせていく。なんという早業だ。気づけばその人もどきの顔は凍り付いていた。
情報が入ってきすぎて何がなんだか分からない。え、人、だよな……でも目が三つある。額に緑色の目。二つの目も緑色だ……気色悪いな。凍らせたキュ―リのナイス判断だ。
よくやったとばかりにキュ―リの頭を撫でると、気持ちよさそうに「ニャ~」と鳴いた。声が可愛らしいからか、ときめきそうになったが、見た目は骸骨なのですぐに落ち着いた。
さすがに動きそうにないので、ここがどこなのかを知るためにも持ち物を探る。
腰の短剣は貰うことにし、服なども奪って……追剥ぎだな、これじゃあ。最低な行為だ。
だが俺だって、突然こんな意味不明な森で生活することになって大変だったんだ。生きるため、世界を知るためだ。許してほしいなんて思わないが、こんなところで倒れてる人もどきが悪い。
「……地図だ」
「キュウ?」
「ニャー?」
ルルとキュ―リは地図というものが分からないようだが、この人もどきは地図を持っていた。
そこには……。
「……インセイン。それがこの世界の名前……地球じゃないのかよ」
「キュウ?」
「ニャ?」
「ああ、そうだな、納得だよ……お前らのような化け物がたくさんいる理由……ここ、死獣の森って言うんだってさ……お前ら死獣、なのか……」
「キュウ……」
「ニャー……」
投げかけた言葉に対しての反応は、こいつらが死獣であることを示すのに十分だった。
あとは文章構成能力……あと語彙力。